ナイトサーカス
- wisteria8770
- 2024年2月9日
- 読了時間: 14分
更新日:2024年2月13日

シュガーポップムーン : あっ!
シュガーポップムーン : ハーヴィさん~っ(手ぶんぶん)
ハーヴィ : (手を挙げた。手にはポップコーン……もう食べ終わる。)
ハーヴィ : ≪お疲れ。エムトハ寝た?≫
シュガーポップムーン : はいっ!おやすみスリープモードですっ!
ハーヴィ : ≪そっか。 …… ポップはこの後どうするの? まだ仕事?≫
シュガーポップムーン : はいっ!LBさんにスペシャル補給をしていただいたので、まだまだ稼働できますよ~っ!
ハーヴィ : ≪LB…… って休憩室のか。 オレ補給してもらったことないんだよなあ。≫
シュガーポップムーン : スペシャルでした~っ!静音モードと通常おしゃべりモードもあるそうですよっ!
ハーヴィ : ≪へえ~。≫ (あんまり街の住人と関わらないようにしていたので、初耳だ。)
ハーヴィ : ≪オレはどうしようかなあ。 正直ここでご飯いっぱい食べて二人と話したくらいだし。≫(と、小首を傾げ)
シュガーポップムーン : 他は劇場で映画も見れますし、観覧車でたかーくまでぐる~っともできますっ!
ハーヴィ : (言われてくるりと一度廻り、見渡す。 ──躍るような脚さばき。)
ハーヴィ : ≪ポップは、どこがオススメ?≫
シュガーポップムーン : (その動きを見て、見つめて、表示された文字を見る。)おすすめ……
シュガーポップムーン : えっと、えっと、 ハーヴィさんはどんな、(胸元がチカチカと点滅する。直接自身のおすすめを言うのではなく、初めに相手のことを聞き出そうとする。)
ハーヴィ : ≪オレ、初めて来≫ (途切れた言葉に、己の文字も止まる。)
シュガーポップムーン : ……い ろんな映像とお話を見たいなら劇場、ゆ~っくり『バベル』を眺めたいなら観覧車、ですよ~っ!(どれかに絞ったおススメ、ではなく。それは説明だ。)
ハーヴィ : ……。≪そっか。ありがとう。≫(先程までの文字が消えて、代わりに浮かぶのはそんな言葉。)
ハーヴィ : ≪オレ、本当にバベルにいる間ずっと遊園地には来てなかったから。教えてくれて助かるな。≫
シュガーポップムーン : あの、
ハーヴィ : ?
シュガーポップムーン : ハーヴィ、さんは、
ハーヴィ : …… (よぎる、感情。あるいは期待。あるいは、)
シュガーポップムーン : どんなものが すき ですか?(ぎりぎり、通過した言葉。“キャスト”と“チケットを持ったお客様”であるから許可された台詞。案内をするためにだから、なんて理由を付けて。)
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : ≪オレは、≫ ≪オレはね、≫
ハーヴィ : ≪サーカスと、劇場。≫ ≪オレのおねえちゃんたちが、そこにいた。≫ ≪今はわからないけど。≫
ハーヴィ : (まっすぐ、あなたを見た。電子板が映す、嘘偽りのない言葉。)
シュガーポップムーン : そう なんですねっ!
シュガーポップムーン : 遊園地のイミテイターは がんばったんですけど たくさんのイミテイターが おつかれさまになって、
シュガーポップムーン : でも まだ ここはドキドキワクワクをお届けできる場所だって……
ハーヴィ : ……(ポップでキュートに彩られた、言葉の裏。おつきさまは、たいようの光でかがやいて、)
ハーヴィ : (時々、陰に隠れたほんとうが、姿を見せる。)
シュガーポップムーン : 、 ……
シュガーポップムーン : じゃあじゃあっ ご案内、しますかっ?
シュガーポップムーン : (おねえちゃんたちに会いたいですか?という言葉は、許されなかった。)
シュガーポップムーン : (その返答がどうあれ、わたしは の先に続く自身のきょうだいたちへの言葉も 同じように。)
ハーヴィ : ≪ポップ、≫
ハーヴィ : ≪ポップは、頑張ってるんだね。≫ (それが、なんの救いにならなくても。)
ハーヴィ : ≪ずっと、みんなが”おつかれさま”になっても。≫ (それが、偽善でしかなくても。)
ハーヴィ : ≪今度はポップの話を聞きたいな。≫ (嘘がへたな文字盤は。)
ハーヴィ : ≪きっと待ってるから≫ ( 【思想検閲】 )
ハーヴィ : (ぱ、と顔を明るくし。 これが彼女を苦しめてしまうとしたら、それも必要なことで。)≪うん、案内してくれる? ポップが一緒だと嬉しいから。≫
シュガーポップムーン : (少しずつ表示されていく言葉を、文章を、最後まで見届けてから口は開かれる。)
シュガーポップムーン : はいっ!(それが何へ対しての返答だったのか、宙ぶらりんにしたまま。掻い潜ってはそう伝えるのだ。)
ハーヴィ : (── 届いていない、わけではない。きっと。 頼りないロープの空中ブランコ。今にも切れそうで。届いたことばを手渡して、受け取って、また離れ。)
ハーヴィ : (”グレイ” ハーヴィは、)(シュガーポップムーンは、)(興行用のイミテイター。)
ハーヴィ : (だからこうして、空中ブランコが交差するその時を、)
ハーヴィ : (次は、手を【検閲済み】 繋げ【検閲済】 るよ【検閲】 うに)
ハーヴィ : (【】 ── ハーヴィは、信じ続けるだろう)
シュガーポップムーン : (ここは舞台の上。)(「わたしも嬉しい」 「わたしは」)(言葉はスポットライトに照らされる前に灰になって、)
シュガーポップムーン : (ただ、でも。積もっていく。)
シュガーポップムーン : そうです、きのうはコリン様とサメ映画を見たんですよ~っ!
ハーヴィ : (”灰色(グレイ)” ハーヴィは、)
ハーヴィ : (笑うだろう。それでも、あなたといる時間の事が、大切で好きだから。)
ハーヴィ : ≪サメ? 海の強い奴? すごい!≫
シュガーポップムーン : 他にも色々ありますよ~っ!
ハーヴィ : ≪行ってみたい! 一緒に行こ! ≫
ハーヴィ : (こころを隠されても。今この瞬間は、事実は、奪えない。)(それが、この青年の抵抗だった。)
シュガーポップムーン : はいっ!(シュガーポップムーンは笑顔を浮かべる。)
シュガーポップムーン : (笑顔だけは、“ほんとう”にできるから。)
ハーヴィ : ……(吐息に感嘆の色が混じり)
シュガーポップムーン : じゃじゃ~んっ!お好きな席で、お好きなタイトルをお楽しみいただける劇場ですっ!
ハーヴィ : ≪すごい! 好きなのでいいの?≫
シュガーポップムーン : はいっ!
ハーヴィ : (そわそわ、うろうろ。少し悩んで、前の席へ。)
シュガーポップムーン : (なるべく静かに、一歩一歩進んで行って、)
シュガーポップムーン : (その席の隣に座った。)
ハーヴィ : (”少女”が隣に座ったのを見て、嬉しそうに。)
ハーヴィ : (そうして前を向く。観たいものは決まったらしい。)
映画のジャンルは?
シュガーポップムーン : どんな作品なんでしょう~っ!(ちょっとだけ硬い脚をぷらぷらさせて、隣の“青年”とスクリーンとを見遣る。)
ハーヴィ : ……(と、少しだけ、きらきら輝いていた目を伏せて。ひとつの映画のタイトルを。)
ハーヴィ : ≪ごめん、少しだけ、付き合ってね。≫
ハーヴィが[恋愛・ヒューマンドラマ]を選択しました
シュガーポップムーン : (謝罪が浮かんだ端末には首を傾げる。)
ハーヴィ : (── それは、決して名作ではない。だがどうしてか、名前の知られた作品。)
ハーヴィ : (理由が、スクリーンに映し出される。ヒロインの女性、その艶やかなドレスから伸びた肢体は。)
ハーヴィ : (画面を食い入るように見つめる”青年”と、おなじもの。)
ハーヴィ : (── イミテイターが人間といっしょに演技をするという、それだけでほんの一瞬、話題になった陳腐な映画。)
ハーヴィ : (唇がちいさくうごいた。その動きはめちゃくちゃで、何を言いいたいのかも分からない。)
ハーヴィ : (けど。)
ハーヴィ : (幕が落ちた暗闇に、ぱっと光った青年の心。)
ハーヴィ : ≪おねえちゃん……≫
ハーヴィ : (いまはもう、『おつかれさま』の誰かを、呼んでいた。)
シュガーポップムーン : (映し出される作品を、イミテイターを、物語を眺める。端末に映し出されたあなたの“こころ”も同じように。)
シュガーポップムーン : (シュガーポップムーンはどちらをも交互に見るのだろう。)(“青年”の横顔も、彼が望んだ作品も、どっちも見逃したくなかったから。)
ハーヴィ : (ぱた、ぱた、ぱた。)(登場人物たちの声に紛れて、映画とは違う音。)
ハーヴィ : (銀幕の光に照らされたもの。青年の瞳の端から頬を伝って、滑り落ちた雫、幾度も。)
ハーヴィ : (RB2049-MAは、演劇用のイミテイター だから。)
ハーヴィ : (わけもなく、涙が流れる時がある。 自分では止めようのない、感情が。)
シュガーポップムーン : (きらめきを閉じ込めたような瞳が見開かれる。)
シュガーポップムーン : (ペイントでもなんでもない、流れ落ちていくしずくを見つめて、その姿に釘付けになって、)
シュガーポップムーン : ハーヴィさん……?(小さな声が落ちた。)
ハーヴィ : ……!(気付き、あなたを振り返ったその顔は、おもちゃみたいな模様の入った瞳の端からは)
ハーヴィ : (── 流れている / まだ雫が / とめどなく。)
ハーヴィ : (人形のような指が、それを拭っても、まだ。)
ハーヴィ : (縫い付けた口元の糸を濡らして。)
シュガーポップムーン : (暗がりの中で腕が伸ばされる。)(“少女”の指先は、“青年”の濡れた頬へと。)
シュガーポップムーン : (それが あなたに 許されるのならば)(そっと拭う。)(優しく、優しく、)
ハーヴィ : (瞳はまんまるに開かれて。)(けれど少しだけ、あなたに顔を寄せて。)
ハーヴィ : (上映中の、マナー違反。音を立ててはいけません。 ──今はそんな事を言う人、いないから。)
ハーヴィ : (赤いばってんで声を縫い留めた青年の、嗚咽が漏れる。涙はまだもう少し、止まらないけれど。)
ハーヴィ : (銀幕に映った人形と、今自分の頬に手を伸ばす少女が、重なって。)
ハーヴィ : (11年。とまっていた秒針が、ひとつ、動いた。)
ハーヴィ : (──終演はもうすぐ。)
シュガーポップムーン : (この行為がどういったものなのか。本当のところで理解できてるわけでは、きっとない。)(情報と、記録と、それを使った計算と思考と。)
シュガーポップムーン : (頬に触れていた手は隣のあなたの頭に移されて、先程と同じように優しく撫で始める。)
シュガーポップムーン : (劇場のスピーカーから流れる音声と、隣の嗚咽に混ぜて囁くのだ。)
シュガーポップムーン : いたいの いたいの
シュガーポップムーン : とんでいけ
シュガーポップムーン : (”チケットを持ったお客様”への対処という理由に隠したこころを)(あなたの こころに)
シュガーポップムーン : ( 。)
ハーヴィ : (子供のように、目を閉じて。あなたの声と、あのひとの声が、子守唄。)
ハーヴィ : か、(ちがう。)
ハーヴィ : わ、(そうじゃなくて。)
ハーヴィ : ぎ、 け、(返させて。)(自分にも)(文字じゃなくて)
ハーヴィ : …………
ハーヴィ : ≪大丈夫 もういたくないよ。≫
ハーヴィ : (『末の弟』のハーヴィは、)(やっぱり 泣くしかできなかった。)
シュガーポップムーン : (聞き逃さないように。)(聞き かっ 声 【お客様の声を。】)(見逃さないように。)(見せ くれたあ【人間様の為、異常が無いか確認する為に。】)
シュガーポップムーン : はいっ (返せるのは、その台詞。)
ハーヴィ : (── それでもひとつ。頷く。 こころを照らした、真珠のおつきさま。)
ハーヴィ : (月は、太陽の光を受けて輝くけれど。 やさしく照らすその光は、)
ハーヴィ : (嘘じゃないから。)
シュガーポップムーン : (多くの事は言えないまま。どうしたいかだとか、ありがとうだとか、またこうしたいだとか、)
シュガーポップムーン : (──こんな手で触れてしまってごめんなさい、だとか。)(そうして、)
シュガーポップムーン : (照明は、戻る。)
上映が終了した。
ハーヴィ : (少しずつ戻っていく光に、顔を上げる。)
ハーヴィ : (呆けたように眺める銀幕に、大好きだったあの人はもういない。)
ハーヴィ : (もう、いないのだ。)
ハーヴィ : (はふ……と、ハルシネーションが大きく息を吐く。ようやく止まった涙の残りを、拭って。)
シュガーポップムーン : (手を離す。)(離した手はお膝の上に。)
シュガーポップムーン : (いつも通りのきちんと座ったイミテイターだ。)
ハーヴィ : ≪…… ごめんなさい。せっかく付き合ってくれたのに、迷惑かけちゃって。≫ (離れていく。掌から指の先。目で追って。)
シュガーポップムーン : 迷惑なんてないですよ~っ!
シュガーポップムーン : でもでも、楽しく……じゃあ、なかったですか?(首を傾げる。)
ハーヴィ : (笑むだろう。『きっとそんな答えが返ってくる気がして』。それでもこれは、)
ハーヴィ : (無駄じゃない。)
ハーヴィ : ≪ううん、そんな事ないよ。観れてよかった。≫
ハーヴィ : (……と、またひとつ。あなたに手渡す、ほんとうの欠片。)
ハーヴィ : ≪映ってたイミテイター、2042。三番目の『おねえちゃん』。≫
ハーヴィ : ≪名前はリリア。オレにハーヴィって名前をくれて、俺が名前をあげたきょうだい。≫
シュガーポップムーン : リリアさん……
ハーヴィ : ≪ここに来たら会えるってわかってたから、ずっと≫ ≪怖くて来れなかった。≫
ハーヴィ : ≪でも、来てよかった。≫ ≪ポップのおかげだ。≫
シュガーポップムーン : えっと、えっと……
シュガーポップムーン : いたいだけじゃなかったら、良かったですっ!わたしも初めて見ました、この作品っ!
シュガーポップムーン : 見せてくださって、ありがとうございます、ハーヴィさんっ!
ハーヴィ : ≪ううん、こちらこそなんだ、本当に。ありがとう≫
ハーヴィ : ≪……あんまり面白くなかったね。≫(端末の無機質な文字。けどその表情は、とても満ち足りていて。とてもつまらない映画を観た後のそれではなくて。)
ハーヴィ : ≪けどすごく楽しかった!≫
シュガーポップムーン : ?(面白くなかった、の文字には首を傾げる。けれど、次に現れた文字には笑顔を浮かべて)
シュガーポップムーン : えへへ~ じゃあじゃあ、やった~!ですねっ!
ハーヴィ : ≪うん!≫
ハーヴィ : (まるで人間みたいに、泣き腫らしたのを再現した目元に、赤くなった鼻の頭に、それを人間には見えない指が触れて。)
ハーヴィ : ≪……行こうか。≫
シュガーポップムーン : はいっ!(シュガーポップムーンの笑顔はいつも変わらず。)(変えられず。)
シュガーポップムーン : (ぴょんと席を立った。)
ハーヴィ : (席を立ち、くるり、踊るように出口まで。)
ハーヴィ : ≪それじゃあオレ、今日はそろそろ帰ろうかな、って。≫
シュガーポップムーン : はいっ!おつかれさまですっ!ハーヴィさんっ!
ハーヴィ : (こくり、頷いて。)
シュガーポップムーン : ハーヴィさんがげんきになれたなら、み~んなはぴはぴですねっ!(修正済みの台詞を言って、くるんと回る。)
シュガーポップムーン : いつでもお待ちしてますよ~っ!工場作業と、くるくる~ってしてる時と、スリープモードの時はいないんですけど……
シュガーポップムーン : また来てくださいねっ!
ハーヴィ : (青年は笑う。きっとこの言葉のどこかにも、ほんとうはある。)
ハーヴィ : ≪うん、また来る。≫
シュガーポップムーン : はいっ!
ハーヴィ : ≪あ、あのね、 ≫(くるり、やはり躍るように。飾りが揺れて音を立てる。)
シュガーポップムーン : ? (表示された文字に首を傾げて)
シュガーポップムーン : はいっ!なんでしょ~っ!
ハーヴィ : (さっきまで明るかった表情が、ほんの少し強張って。けれどあなたをまっすぐ見つめたまま。)
ハーヴィ : ──、
ハーヴィ : ラチェット式の洪水は、香木に埋もれて転がってたね!
ハーヴィ : (突然、そんな事を、”言った”。)
ハーヴィ : ──、 ……
ハーヴィ : ≪オレが喋ると変でしょ! それじゃあまたね!≫
シュガーポップムーン : (きょとん、とした表情。理解不能な言葉。ぱちぱちと瞬きをして。)
ハーヴィ : (屈託なく。見せたくない、でも伝えたい。この声で。)
ハーヴィ : (── 伝わらなくても / それでいいから。)
「さようなら!さようなら!さようなら!」
ハーヴィ : (入口まで駆ける=ゲートの外側 / あなたとわたしをまた隔て)
ハーヴィ : (振り返る / 両手で手を振り / ボウアンドスクレープ = この場に合った”ドレスコード”。)
シュガーポップムーン : ── おつかれさまですっ!おやすみなさいませっ、ハーヴィさんっ!(笑顔で、明るい声で手を振る。)(その後には向けられたものに返答を。元気さが潜むカーテシーを。)
シュガーポップムーン : (特別なありがとう と また聞きたい は 灰になったけれど。)(笑顔だけは向けられるから。)
ハーヴィ : (あなたの笑顔を視界に収め、記録なんて便利な機能はないけど、記憶して。)
ハーヴィ : (背を向けて駆けていく。 ──最後に一度振り返り。)
ハーヴィ : ≪Fake! fakE!≫
跳躍=弧を描く/宙に溶ける。
ハーヴィは[ステルス]になった
ハーヴィ : (青年は宙を舞う。空中散歩と呼ぶにはせっかちな疾走、曇ってばかりのバベルの空を。)
ハーヴィ : (どんどん、小さくなっていく。)
シュガーポップムーン : (舞って跳ねる姿に小さく声が漏れた。)(去っていく姿を、目視できなくなるまで見つめて。)
シュガーポップムーン : (自身のメモリーに大切に仕舞い込む。誰にも語られない感想と、想いに鍵をかけて、)
シュガーポップムーン : (楽しかったと嬉しかったを自分に向ける。)(そしてくるりと振り返って、テントの方へ。)
シュガーポップムーン : (多くの誰かさんと 己のきょうだいたちへ)(たくさんのごめんなさいをさけびながら。)