リトルブレイバー
- wisteria8770
- 2024年2月25日
- 読了時間: 19分

ハーヴィ : (ぱちりと目を覚まし。起き上がれば僅かな身体の痛み。よく出来た機構が正常に作動している証左に、起きて早々うんざりしつつ。)
ハーヴィ : (……なんとなくベッドが狭い気がして、視線を落とすと。)
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : (見知った姿。大好きな友達のそれ。わざわざここまで来てくれたのだろうか。)
ハーヴィ : (そう思えばこそ鮮明によみがえる、身体じゅうを走った痛み、恐怖、心細さ。)
ハーヴィ : (寝ている二人を起こさないように、そっと額をくっつけて。)
ハーヴィ : (──かならず、ここに帰ってこよう。)
外へ出ますか?
Round 6
ミカヅキは移動した。
ミカヅキは[12,7]へ移動した。
【剣士】は移動した。
【剣士】は[12,9]へ移動した。
【戦車】 : 咆哮!
【戦車】は咆哮した。
ミカヅキは[15,10]へノックバックした。
ハーヴィは[14,2]へノックバックした。
ミカヅキに8のダメージ ([3,6]+6)
に0のダメージ ([6,2]+6)
ハーヴィに10のダメージ ([5,5]+6)
【戦車】の攻撃は距離が合わず失敗した。
ミカヅキの攻撃は距離が合わず失敗した。
【剣士】のファントは距離が合わず失敗した。
シュガーポップムーン : ほあ
ハーヴィ : ン”(顔を出した瞬間流れ弾)
ミカヅキ : 取り込み中だが……まあまあ面倒なことになってる。ちょい手伝ってくれると助かるが
シュガーポップムーン : はわっ はい~っ!
ハーヴィ : ン!(✌)
シュガーポップムーン : ホップ・ステップ・ジャンプ!
シュガーポップムーンは全力で駆け出した!
シュガーポップムーンは[8,11]へ移動した。
ミカヅキ : 白鳥!
光が差し込む 達成値:13 ([4,1,2]+6)
ミカヅキは99回復した。
ハーヴィは移動した。
ハーヴィは[12,4]へ移動した。
【戦車】 : 標的!
をターゲットにした。
は[標的]になった
【剣士】 : チャレンジ!
ミカヅキに決闘を挑む!([4,4,4]) クリティカル!
ハーヴィは[劇的カウンター]を1つ獲得した。
【剣士】は[15,10]へ移動した。
ミカヅキは[12,9]へ引き寄せられた。
【戦車】の攻撃は距離が合わず失敗した。
ハーヴィは移動した。
ハーヴィは[12,6]へ移動した。
ミカヅキは移動した。
ミカヅキは[13,9]へ移動した。
Round 8
【剣士】 : チャレンジ!
ハーヴィに決闘を挑む! 達成値:11 ([4,2,2]+3)
【剣士】は[12,6]へ移動した。
ハーヴィは[13,9]へ引き寄せられた。
ハーヴィは移動した。
ハーヴィは[13,8]へ移動した。
シュガーポップムーンは移動した。
シュガーポップムーンは[10,9]へ移動した。
ミカヅキ : 狭霧!
ミカヅキは構え直した
ミカヅキは[チャージ]になった
【戦車】 : 咆哮!
【戦車】は咆哮した。
ミカヅキは[15,11]へノックバックした。
ハーヴィは[13,8]へノックバックした。
シュガーポップムーンは[11,10]へノックバックした。
ミカヅキに1のダメージ ([1,1]+6)
に0のダメージ ([1,6]+6)
ハーヴィに12のダメージ ([6,6]+6)
シュガーポップムーンに2のダメージ ([1,4]+6)
【戦車】の攻撃は距離が合わず失敗した。
ハーヴィは攻撃した。 達成値:25 ([4,4,5]+12)
【剣士】は防御した。
ダメージを1軽減! ([]+1)
【剣士】に20のダメージ ([2,4]+16)
【剣士】は[気絶]になった
シュガーポップムーン : ファイア・クラッカー!
爆竹が跳ねまわる! 達成値:28 ([4,6,2]+16)
【剣士】に15のダメージ
ミカヅキの攻撃は距離が合わず失敗した。
ミカヅキは[チャージ]でなくなった
は[標的]でなくなった
Round 9
ミカヅキ : アイツどうする?どうしようもねえんだけど
ハーヴィ : (あいつか…の顔)
ミカヅキ : 一旦……無視するか
このラウンドが終了時に戦闘を終了します。
ミカヅキは[戦闘終了]になった
ハーヴィ : ≪この間からずっとあそこにいるんだよ。放っておいていいんじゃない?
ミカヅキ : 音響装置の方で相打ちを狙ってたんだがまあ……厳しかったな
【戦車】の攻撃は距離が合わず失敗した。
アクティブシーンが終了しました。
ミカヅキは[戦闘終了]でなくなった
[粘土:良質] を手に入れた。
ミカヅキ : だいぶ面倒な相手だった。助かった
ハーヴィ : (とおくでウゴウゴしている戦車。あーあ。) ≪ううん、ほとんど倒れかけだったから≫
シュガーポップムーン : びっくりでした~っ ハーヴィさんっ!ミカヅキ様っ!おつかれさまですっ!
ミカヅキ : まあとりあえず換金するか……お前らはどうする?
ハーヴィ : ≪お疲れ様、ポップ。ミカヅキも久しぶりだね≫
ミカヅキ : 久々といえばそうだな。あんまり喋ることも無いしな
【ハーヴィ : ≪オレも一旦戻ろうかな。ヘンなのもらっちゃったし……≫(遠くの山で戦車がギャース。流れ弾くらいまくりだ)
ミカヅキ : シュガーも来るか?
シュガーポップムーン : 補給は大切ですからっ はいっ!
ハーヴィは[安全第一]になった
ミカヅキは[安全第一]になった
シュガーポップムーンは[安全第一]になった
ハーヴィ : (とにかく片っ端から交換…)
ミカヅキ : まあまあ稼いだんだが実は良く知らねえんだよな。此処の金で何買えるのか
ハーヴィ : (にぱ…と笑顔)≪ハンバーガー買えるよ≫
ミカヅキ : ハンバーガー?(怪訝な顔)
IPと物資を交換できるようだ。
※ウェポン以外のアイテムにも、
装備によってエフェクトを得るものがあります。
何と交換する?
これにしますか?
何と交換する?
[ハンバーガー] を手に入れた。
ハーヴィ : (こくこく)
ハーヴィのハンバーガーは状態によって失敗した。
ミカヅキ : 此処で食うと怒られるんじゃない?仕事場ぽいし
ハーヴィ : (ハンバーガーをたべたかったが、工場内は飲食禁止! しょげた)
シュガーポップムーン : えっとえっと、人間様なら雑貨屋さんとかでおかいものできるものもあります~っ 他は、機工とかがありますよ~っ
ミカヅキ : 機工かあ~
ハーヴィ : ≪ハンバーガー、おいしいけど割高なんだよね。悲しい。≫ ≪機工は…… 色々あるみたいだね。オレは全然内容知らないけど……≫
シュガーポップムーン : (たくさんの詠唱増幅器を抱えてどうしようの顔になっている。拾い上げたものの偏り。)
ミカヅキ : 高い枠なのかこれ……
ハーヴィ : ≪ふつうの部品が一個5IP、ハンバーガーは10IP オレは高いと思う!≫
ミカヅキ : まあ此処じゃ食べられないし外出るか……そんな好きそうならちょっと気になる
ハーヴィ : ≪希少な部品を納品しても10個しか食べられないんだよ?≫
ハーヴィ : (ただドカ食いイミテイターなだけの可能性もある。)
ミカヅキ : 部品とのレートがよくわからん。いや。10個も食う必要なくないか?
シュガーポップムーン : ハーヴィさんはい~っぱいもぐもぐイミテイターさんですっ!えへへ~
ハーヴィ : ≪いるでしょ……。ホットドッグと10個ずつ……≫
ミカヅキ : 燃費悪いんだな……
ハーヴィ : (当たり前のようについてくる)
ミカヅキ : (席にどかっと座った)
シュガーポップムーン : おつかれさまで~っす!(カフェのイミテイターに元気にごあいさつした)
ハーヴィ : (当たり前のように同じテーブルの席に座る)
シュガーポップムーン : (当たり前のようにその2)(すとん!)
ハーヴィ : (に~ぱ)≪お腹すいた!ここって持ち込みOKかな。≫
ハーヴィは、ハンバーガーを使った。
ジャンクなおいしさだ。
ハーヴィは6回復した。 ([3]+3)
ミカヅキ : いいんじゃね?
ミカヅキは、ハンバーガーを使った。
ジャンクなおいしさだ。
ミカヅキは6回復した。 ([3]+3)
ハーヴィ : (なんの断りもなく食った。)
ハーヴィ : ン。 ≪おいし≫
ミカヅキ : そもそもあんまりきちんと稼働してる感じはしないしな
シュガーポップムーン : いただきますっ!(カフェの店員には笑顔を向けておいた。)
シュガーポップムーンは、ハンバーガーを使った。
ジャンクなおいしさだ。
シュガーポップムーンは7回復した。 ([4]+3)
ミカヅキは、コーヒーを使った。
ミカヅキはコーヒーを啜った。
ミカヅキは6回復した。 ([3]+3)
ハーヴィ : ≪まあその辺りはバベルじゃどこも同じようなものだからね。抜け穴抜け穴 ≫
シュガーポップムーン : (もぐもぐもぐ ごくん)
ミカヅキ : そういや解体までもう数日しかないな。お前らは出てくの
ハーヴィ : (端末に喋らせながら、ハンバーガーを2個、3個… と、あなたの言葉にちょっと食べる手が止まり)
ハーヴィ : ≪オレは一応出ていくつもり……。その後はまだ決めてないけど、ミカヅキがこの間教えてくれた街にも行ってみたいし元気にやってけるようにしないとな!って感じかな?≫
ミカヅキ : ふーん……シュガーはどうなん
シュガーポップムーン : (ハンバーガーを飲み込んでから)はいっ わたしも、『バベル』とはさよなら…ですっ
ミカヅキ : 出て行かないヤツ多いのかと思ってたから少し意外だな
シュガーポップムーン : どこか、ハーヴィさんとコリン様と……みなさんを笑顔にできる場所に行けたらって思いますっ!
ハーヴィ : ≪意外とみんな前向きかも。ちょっと心配なのは何人かいるんだけどね…≫
ミカヅキ : まあ。出て行かない奴は出て行かないだろうしな
ハーヴィ : (少女の言葉にはにぱ…と笑顔を浮かべ)
ハーヴィ : ≪ここに最後まで残るのが仕事、ってイミテイターもいるだろうし、そういうのはもう当人次第だからね……。ほんとはみんなで出ていきたいけどさ≫
ハーヴィ : ≪オレも最初は残るつもりだったし…≫
ミカヅキ : 気変わりしたのは何でだ?
シュガーポップムーン : ………(もぐ、とハンバーガーを一口。)
ミカヅキ : ああ。えー。聞いていいなら話せよ
ハーヴィ : ≪ええと、ミカヅキの言う『人間のふり』じゃないって先に言っておくけど。≫
ミカヅキ : うん
ハーヴィ : ≪『死にたくないな』って思ったから。もう壊れてもいいや、って思ったら怖くなって、それで、こう……ゼータとかアルトと話してるうちに、『あ、これ死にたくないなんだ』って……≫
ハーヴィ : ≪……思った。≫
ミカヅキ : 死にたくないと表現するのが妥当な気持ちになった?でいい
ハーヴィ : ≪そんな感じ……? なんか、壊れるとか稼働停止するとかそういうのじゃなくて。≫
ハーヴィ : ≪きっと人間のみんなが『生きてほしい』って言ってくれたから、そういう風に学習したんだろうね≫
ミカヅキ : 実態は壊れるとかなんだろうけどな。
ハーヴィ : ≪そりゃそうだけど。気持ちの問題じゃないそういうのは。≫
シュガーポップムーン : ハーヴィさんがず~っと元気でいたいって思ってくれて、わたし、うれしいですっ!
ミカヅキ : えー……そういうもん?切り分けといた方が良い気もするけどな
ハーヴィ : ≪ありがと、オレも前まで自暴自棄だったから、今はちゃんと前向き。≫
ハーヴィ : ≪……で、『って言われてもオレはそう思うんだもんなあ~』に戻って来ちゃうんだけど、それ言われると≫
ハーヴィ : ≪ほら、オレって痛覚あるでしょ? だからそういう「死ぬの怖い!」って感覚とも結びつきやすいんじゃない? 我ながらヤな開発コンセプト。≫
シュガーポップムーン : イミテイターもイミテイターで、たくさんいろいろ、ですからっ
ミカヅキ : 差があることをある程度知覚して曖昧にしないでおいた方が、何かのタイミングで違うってなりづらいだろうってとこ
ミカヅキ : まあ好きにすりゃいいけど
ハーヴィ : ン~…… ≪難しい事言うなあ……。人間と同じだとは思ってないけど、自分の感じてる事の正誤までは把握しきれないよ≫(ぐて…とテーブルに顎を乗せ)
ハーヴィ : ≪まあ、これからきっとここよりずっと沢山の人間と関わる事になるだろうし、考えて……みる!≫
ミカヅキ : そうしてくれ……あーそういや。外出る前に依頼とかやってみるか?
シュガーポップムーン : ご依頼っ!
ハーヴィ : ≪いいの? ちょうど今色んな戦闘データ集めてたから、行けるなら嬉しいな≫
ミカヅキ : いいよ。まあ暇な時に会えたらになるが
ミカヅキ : 今日はちょい眠い
ハーヴィ : ≪さっきも戦ってたもんね。おつかれの時は休まないと≫
シュガーポップムーン : あっ!(おおきめ声イミテイター)
ミカヅキ : 何だ!?
シュガーポップムーン : (席を立って、カフェのカウンターの方へ)
ハーヴィ : ?
シュガーポップムーン : あのですねっ ここに~、他の方用に追加で作ったのが……
ミカヅキ : 何?
シュガーポップムーン : ありました~っ!(冷蔵庫からロリポップチョコケーキ🌙を取り出し掲げて)
ハーヴィ : !≪あ!ポップが作ったお菓子!≫
ミカヅキ : ケーキ?
シュガーポップムーン : ミカヅキ様、どうぞっ!(席に戻れば、それを差し出した。)
シュガーポップムーン : デコレーションしたチョコレートケーキですっ!
ミカヅキ : 器用だなお前……
シュガーポップムーン : えへへ~ も~っとたくさん、いろんなものを作れるようになりますっ!
ミカヅキ : 折角だし食べとくか。裏でこそっと食うよりは良さそうだし
ミカヅキ : いただきます
ミカヅキは、ロリポップチョコケーキ🌙を使った。
リッチにスイート!
ミカヅキは6回復した。 ([3]+3)
ハーヴィ : (ごそ、と荷物を漁り) ……
ハーヴィ : (食べてるミカヅキのほうを見て)
ミカヅキ : どした
ハーヴィ : ≪オレもミカヅキにグミあげたかったのに持ってきてない~!≫ ≪次! 次仕事行くときね!≫
シュガーポップムーン : “おいしい”ように作りました~っ!ミカヅキ様のおいしいに近かったらうれし…… ?(ハーヴィの方を見て)
シュガーポップムーン : ! ふわふわさんグミ!
ミカヅキ : 美味かったが……いや流石に甘いもの二連はちょっと。今度で助かったかも
ハーヴィ : ≪そう? そう……≫
ハーヴィ : ≪じゃあいっか!!!≫(ご機嫌がなおった)
ミカヅキ : 今度は忘れないようにな
ハーヴィ : ン!!!
ミカヅキ : じゃ、今日は戻るよ。またな
ハーヴィ : ≪うん!またね!≫
ミカヅキ : (ひら~と手を振った)
シュガーポップムーン : はいっ!おつかれさまですっ、ミカヅキ様~!(手ぶんぶん)
シュガーポップムーン : ミカヅキ様はいつもあの え~っと
シュガーポップムーン : くーる!
シュガーポップムーン : クールなお方ですねっ!
ハーヴィ : ≪うん、ミカヅキはクールでかっこいい!≫
ハーヴィ : ≪……そういえば、ポップと街の外で会うと思わなかったな。何か用事でもあった?≫
シュガーポップムーン : (にこにこ、と笑っていたが質問の文が浮かべば) えっとねっ 昨日マリヤ様たちと一緒に荒野のお掃除もしてたんだけど、
シュガーポップムーン : 『バベル』とさよならしたら、この光景も見れなくなるのかなって思って。 だからちょっと、そっと見てたの。
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : ≪そっか……。≫(それだけ表示して、端末は文字の出力をやめる)
ハーヴィ : ≪……オレには全然そんな考え思い浮かばなかった。やっぱりポップはすごいや。≫
シュガーポップムーン : えっ?
シュガーポップムーン : そう、なのかなあ……?
シュガーポップムーン : (うーん、と首を傾げる。)(それから、)
シュガーポップムーン : さよならするのは……さみしい気持ちも、あるから。
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : ≪うん、だから、≫ ≪やっぱりオレにとってのポップは『すごい』だよ。≫
ハーヴィ : ≪オレは寂しいのかどうか、自分で全然わかんないや。≫ ≪あの荒野も、壊れたイミテイターも、ずっと見てたから、≫
ハーヴィ : ≪もう見なくていいってホッとしてるのかもしれない。≫ ≪バベルごと自分も燃えるんだって思った時みたいに≫
シュガーポップムーン : ハーヴィさん……
シュガーポップムーン : 見なくていい、ってきもちは、……わたしも、そうだったかも。(ぽつり、言葉を零して。)
ハーヴィ : ……
シュガーポップムーン : でも、みんな、確かに居たんだって。 みんなみんな、イミテイターとして、稼働して…… “生きて”たんだって、思って。
シュガーポップムーン : あのね、ハーヴィさん。(真っ直ぐに青年を見据え、何かを決めた様な面持ちで声を掛ける。)
ハーヴィ : (きらめきを宿した瞳に、射止められて。)
シュガーポップムーン : ハーヴィさんが、いいよって思ったときに、わたしの最初の場所に来てほしいの。コリン様にも、お話したいって、思ってるけど── わたしのはなしを、ぜんぶぜんぶ、しておかなくちゃって、そう思ったから。
シュガーポップムーン : 遊園地のもっと奥にある、わたしの初期デザインの場所に。
ハーヴィ : ≪| ≫
ハーヴィ : (言葉を手繰り寄せる。記憶から、あなたとのこれまでを。そうして、)
ハーヴィ : ≪オレなんかが、聞いていいの?≫
ハーヴィ : (一行、灯り。その後に。)
ハーヴィ : ≪オレはこの街を何も知ろうとしなかった。≫ ≪自分が世界で一番不幸なんだと思って≫ ≪自分の殻に閉じこもって≫ ≪誰のことも知ろうとしなかった≫ ≪空っぽなんだ。ここを離れるのが寂しくないのはこの街が空っぽだからじゃない。≫ ≪オレが空っぽだからなんだ。≫
ハーヴィ : ≪それなのに≫ ≪そんなオレでも≫ ≪聞いてもいいの?≫
シュガーポップムーン : (現れる文字たちを追って、掬い上げて、飲み込んで、)(視線は青年の顔へと上がる。)
シュガーポップムーン : わたしは、ハーヴィさんはからっぽじゃないって思います。もし、ハーヴィさんがそうなんだって思っても、それでも、それがハーヴィさんで。がんばって過ごしてきたあなたにも知ってほしい、から。
シュガーポップムーン : ……ほんとうは、
シュガーポップムーン : こわい、けど。 ちゃんと、見せないままは、ちょっとさびしいから。
ハーヴィ : ……(きっと、醜い感情をぶつけた。あなたへ質問するようにみせかけて、積もり重なった不安を、恐怖を。)
ハーヴィ : (それでもあなたは、向かい合っている。”オレ”と、”あなた”に、向き合っている。だから、)
ハーヴィ : ≪…… わかった。≫ ≪オレも、ポップのことが知りたい。≫
シュガーポップムーン : …、 (浮かんだ文字を見つめて、一拍。)
シュガーポップムーン : (少女は笑顔を浮かべる。いつも通りに近い、安堵の笑顔だった。)(まだ、ほんとうの場所を見せたわけでは無いけれど、それでも今、ここで拒絶されることはなかった。)
シュガーポップムーン : ありがとうございます、ハーヴィさんっ!(あなたがあなたであるからこそ、きっと炉心は開かれる。)
ハーヴィ : ≪ううん、まだ早いかもしれないけど、ありがとうはこっちだよ。≫
ハーヴィ : ≪オレも、オレと戦わなきゃね。≫ (独り言つように文字が灯り。テーブルの上に試作型鋼線操作デバイスが置かれる。)
シュガーポップムーン : (端末に灯った文字と、置かれたデバイスを見遣る。)
ハーヴィ : ≪これね、今のやつを作り直す…のもあるんだけど、一番は、≫
ハーヴィ : (あなたの顔を見やる。勇気を示し、己と向き合わんとする少女の顔を。)
ハーヴィ : ≪──オレ自身をクラックするのがメインの機能なんだ。だから、オレとオレの戦いだね。≫
シュガーポップムーン : (文字を見て、それから青年の表情を見て。)
シュガーポップムーン : クラック……
ハーヴィ : ≪オレは”脚部”以外は人間以上の身体能力は発揮できないように造られてる、らしい。≫ ≪わざと制限がかけられてるんだ。≫
ハーヴィ : ≪でもそれじゃ足りない。ポップと、コリンと、ここを出てもずっと生きていくみんなを守るには。≫ ≪だから、そういうシステムを作ってきた。≫
ハーヴィ : ≪ゼータみたいな本職じゃないから時間はかかったけどね。きっともうすぐ出来るよ。 名前も──今決めた。≫
ハーヴィ : (青年の姿を模倣した人形は、いとも容易く造物主への叛逆の意思を端末に映し出す。)
シュガーポップムーン : (文字を追い続ける。その内容に反応しきる前に、“今決めた”という文字に辿り着いて。)
シュガーポップムーン : (続きを見つめる。)(真っすぐに。)
ハーヴィ : ≪”HV001-WID”、≫ ≪銘は ── ”LITTLE BRAVER”。≫
ハーヴィ : ≪『ちいさな勇者』。きみがそれをくれたから。≫
シュガーポップムーン : わたし、が……?
ハーヴィ : (頷いた。)
シュガーポップムーン : ……えへへ、知らないあいだに……なにか、あげられてたみたいですっ(そうして、少し気恥ずかしそうに笑った。)
ハーヴィ : ≪いつも貰ってばっかりだよ。返しきれないくらい≫
シュガーポップムーン : (ふるふると首を横に振る。)
シュガーポップムーン : わたしは……機工のこととか、わからないけど、ハーヴィさんとコリン様と一緒に居たいって思ってて。それで、ハーヴィさんがその為に、頑張ろうって思ってくれてるのも、うれしくって。……わたしにとっては、いいことだから、だから…わたしも、沢山貰ってるんだよ。
ハーヴィ : (どれだけ”喋って”も開くことのない口の端から、ふふ、と笑い声が漏れて。)
ハーヴィ : ≪それじゃお互い様だね、オレたち。≫
シュガーポップムーン : えへへ うんっ!(浮かんだ文字に、あなたの笑みにそう言って返した。)
シュガーポップムーン : 応援してるね、完成……頑張ってっ
ハーヴィ : ≪うん! 頑張る!≫
シュガーポップムーン : (たとえそれが創造主への叛逆であったとしても、今は言葉も思考も自由だ。)(たいせつなひとたちの、たいせつな選択と決意を、喜びと共に受け入れる。)
シュガーポップムーン : じゃあ、今日は……ふふ、仮眠室の方、ですねっ (恐らくはまだ休んだままのコリンを思い出して)
ハーヴィ : (笑顔をひとつ。あなたがそうするように。)
ハーヴィ : ≪うん。 ……あ、そうだ、えと、どうしてあっちで休んでるって分かったの?≫
ハーヴィ : (眠る時はたしかに一人だったから、起き上がった時に二人がいて少しばかり驚いた。その疑問をあなたへ。)
シュガーポップムーン : えっとえっと、休憩室のほうがわやわや~ってしてて、覗きに行ったらジレイさんたちが居て……そこで仮眠室で寝てるハーヴィさんがいたから!
シュガーポップムーン : その後に荒野のお掃除を一緒にして、途中でコリン様も合流したから、じゃあって思って!
ハーヴィ : ≪そっか……≫
ハーヴィ : …… (すこし考えて)
ハーヴィ : ≪あのね、オレ、昨日戦ってる時に大きい攻撃もらっちゃって稼働限界が来て。テラとかみんなに助けてもらってね、≫
シュガーポップムーン : !
ハーヴィ : ≪すごく痛くて、ずっと荒野で仕事をしてたの、『そうなっちゃえばいい』って思ってたからなのに。≫
ハーヴィ : ≪こわくて、≫ ≪心細くて、≫ ≪だから、≫
ハーヴィ : ≪起きた時、二人がいて、すごく安心した。ありがと。≫
シュガーポップムーン : いまは、痛いの……へいき?
ハーヴィ : ≪まだちょっと痛い。けどボディは全部直してあるよ。≫ ≪大丈夫になっても痛いのが続くの、人間っぽさの『ディティール』なんだってさ。だから気にしないで。≫
シュガーポップムーン : ……うんっ
シュガーポップムーン : ハーヴィさんが安心できて、よかった!
ハーヴィ : ≪うん!≫
ハーヴィ : ≪さ、今日は帰ろっか。≫
シュガーポップムーン : うん! コリン様のとこ!
シュガーポップムーン : (ぴょんっと席を立つ。)
ハーヴィ : ≪コリンとポップがいるとこ! いこ!≫
シュガーポップムーン : (ひょこっと覗いて、まだ休んでいるのを確認すれば、そっと寝台に寄る)
ハーヴィ : ~!(起こさないようにしながらもコリンの眠るベッドにいそいそと潜り込み。)
シュガーポップムーン : えへへ~ (小さく笑ってぎゅっと引っ付いて)
ハーヴィ : ン~(遠慮なしにくっついて)
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : ≪あのね、ポップ。≫
シュガーポップムーン : ? (端末が見えるように体勢を変えつつ)
ハーヴィ : ≪オレ、きっとこの場所を守るよ。社宅でも、仮眠室でも、フィローティスのお屋敷の部屋でもなくて、≫ ≪三人がいて、帰って来れる”この場所”を。≫
ハーヴィ : ≪……だから、もうちょっとだけ待っててね。≫
シュガーポップムーン : ……、(きょとんとして表情で文字を追って、から)
シュガーポップムーン : うんっ!待ってるっ(いつかあなたが、二人が待っていてくれたように、)
シュガーポップムーン : わたしにも、守らせてね。(なんて言葉も伝えて、微笑んだ。)
ハーヴィ : ≪うん! お互い様、だね!≫
シュガーポップムーン : うんっ(ふふ、と吐息に混ぜて笑い声を零す。)(ぽす、と頭の位置を調節しなおして)
シュガーポップムーン : おやすみなさい、ハーヴィさん、コリン様。
ハーヴィ : ≪うん、おやすみ、ポップ、コリン。≫ (そうして端末を外し。)
ハーヴィ : (おもちゃのような模様が入った瞳が閉じられて。まだ体はすこし痛くて、あの時のこわさも覚えているけれど。)
ハーヴィ : (──いまはそれ以上に、あたたかいから。)
シュガーポップムーン : (身体を寄せて、あたたかさにつつまれる。)(“あの場所”とさよならをして、“この場所”に帰って来る、そんな変化が、)
シュガーポップムーン : (きっと人間の感情にするのなら、せつなくて、いとおしいのだ。)
シュガーポップムーン : (それを抱いたまま、今は穏やかな休息に沈む。)