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ベストピクチャー


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シュガーポップムーン : (なんか団子になっている……)

ハーヴィ : ……?(まるまりをみつけた)

シュガーポップムーン : はっ(振り返り)

シュガーポップムーン : ハーヴィさ~んっ!(手をぶんぶんと振った。)

ハーヴィ : (元気よく手を振り返し)≪ポップ!≫


ハーヴィ : ≪なにしてたの? エムトハ……と、テラだ。≫

シュガーポップムーン : えへへ~っ おはようございますっ!エムトハさんとテラさんと泥太郎さんは……

シュガーポップムーン : ここにいたので、見てました!(見てたらしい)

ハーヴィ : ≪そっか!!≫(納得した。)

シュガーポップムーン : ハーヴィさんはこれから見回りですかっ?

ハーヴィ : ≪えっとね、見回りもしなきゃなんだけど、ついでにメセムのアトリエに遊びに行ってみようかなって。行っていいって言われたから!≫


シュガーポップムーン : ! メセム様のアトリエ!

シュガーポップムーン : わたしもご一緒してもいい……でしょうか?(ぱっと上げた両手をそのままにそう零す。)

ハーヴィ : ≪もちろん。メセムならきっと嫌だって言わないよ。≫

シュガーポップムーン : !!

シュガーポップムーン : はいっ!!じゃあじゃあっ一緒に行きましょ~っ!

ハーヴィ : ≪行く!≫


『制作アトリエ』


ハーヴィ : (ちょっとそわつく)

シュガーポップムーン : (笑顔でぐいぐいとハーヴィの背を押した。)

ハーヴィ : ≪人の家、勝手に入るの…… 緊張す≫

ハーヴィ : ≪わ、わ、≫(押された)

ハーヴィ : ≪なんだよ~も~!≫(という文字とは違って表情は嬉しそうだ。)

シュガーポップムーン : えへへ~っ



ハーヴィ : (ノックの音)(顔を出す)

シュガーポップムーン : (その後ろからひょこっと顔を出す。)

メセム : (その辺にある荷物にもたれて読書中であった。ノックの音に顔を上げ)お。

ハーヴィ : ≪こんばんは! 遊びに来た!≫(無機質な文字盤が元気に挨拶。この間音楽室にいた時より元気そうに見えるかも。)

メセム : よう。2049にシュガー、いらっしゃいだな。


シュガーポップムーン : こんにちは、こんばんはっ!メセム様っ!おつかれさまで~すっ!(ぶんぶんと手を振る。)

ハーヴィ : ン! (同じように手を振り)≪遊びに来ていいって言われたから来たんだけど、邪魔じゃなかった? 何かしてた?≫

メセム : っはは、元気でよろしい。(ひらひらと手を振り返した)ちょっと読書をな~。暇潰しに。

メセム : (読みかけの本を適当な場所に置いた。なんだかこの家には本が多い)


ハーヴィ : (きょろ…と周囲を見渡し。)≪なんか…… すごい。本とかいろんなものがあって……。≫

シュガーポップムーン : わあ~っ!(と、アトリエ内を見回した。きっと知らない情報がたくさんだ!)

メセム : (本以外にも描きかけのキャンバスにスケッチブックに……)好きに見て行っていいぞ。インスピレーションが湧いたなら制作していってもいいし……

ハーヴィ : ≪ほんと? やった!≫ (言われれば、遠慮なく ──とは言っても物にぶつかったり迷惑にならない程度に── 室内を見始め)

シュガーポップムーン : せいさく……(ほあ~と声を零し、) ありがとうございますっ!おじゃましま~すっ!(こちらも何かにぶつけないよう見て回り始める。)

メセム : (生活空間といえるのはベッドくらいだろう。出しっぱなしの絵の具や拾ってきた粘土などが床に散乱している。綺麗な部屋では…ない!)

ハーヴィ : ≪メセムはいつもここで作品作ってるんだよね? すごいなあ。かっこいい!≫ (かっこよかった!)

シュガーポップムーン : (それらを踏まないように床に脚をつけていく。硬い音が響く。)

メセム : はは、かっこいいか?嬉しいことを言ってくれる

ハーヴィ : ≪うん。なんか、職人…!って感じ。≫

シュガーポップムーン : はいっ!すごいですっ!かっこいいですね~っ!

メセム : 職人。確かに職人はこんな感じか……?


シュガーポップムーン : あたらしいものを作り出すってことを、メセム様はしているんですよねっ!

ハーヴィ : (やんややんやの動き。今日は全体的に動きがやかましい。)

メセム : (思い出し、考えつつ…)ん、そうかな。……なんだ、今日の2049はいつもより元気か?

ハーヴィ : ≪うん。最近のオレはすごく元気!≫(……と、己の呼称にやっと意識が行き)


ハーヴィ : ≪あ、あのねメセム。オレ、2049やめたんだ。≫

ハーヴィ : ≪あ、じゃなくて。オレはRB2049-MAだからやめてないんだけど、≫

メセム : そうか、元気なのはいいこと……。……?(あなたの言い方には少し首を傾げ)

シュガーポップムーン : (後ろ手を組んで、ハーヴィの端末とメセムの反応とを見守る姿勢。)

ハーヴィ : (ちょっと恥ずかしそうにして)

メセム : ……そういえば一人称も違うか?イメチェン……(というわけでもないか?むむ…と見る)

ハーヴィ : ≪えっとね、オレ、ずっと自分の名前の、2049の後の部分を隠してて。≫(と、持ち主の感情を表すように少しゆっくり表示される文字。)

メセム : ふむ?


ハーヴィ : ≪それで、名前と一緒に自分のことも隠してて……、今までの喋り方とかは、えと、演技…っていうか。オレ、演劇用だったから。≫

ハーヴィ : ≪それをね、やめたの。≫

メセム : 演技。……つまり今の2049が素?(指差した。無礼)

ハーヴィ : (こくこくこく。)≪うん、今、すっごく素。≫ (指さしには特に何も思ってない様子。)

シュガーポップムーン : (うんうん、とこちらも頷く。髪パーツがぱさぱさと揺れた。)

ハーヴィ : ≪あ、あのね、それで、2049の……イミテイターっぽくする演技もやめたから、今はずっと隠してた名前で皆に呼んで貰ってる。≫

メセム : ほ~……(二人につられて頷く。うんうん…)お。教えてもらえるのか?

ハーヴィ : ≪もちろん!メセムにも呼んで貰えたら嬉しいから!≫


ハーヴィ : (ンン!と咳払いするような仕草)

ハーヴィ : ≪正式名称、RB2049-MA、 あざなは”グレイ”! で、ハーヴィがオレのほんとの名前!≫

シュガーポップムーン : ハーヴィさんっ!なのです~っ!

ハーヴィ : (くるんとその場で一回転)

メセム : ふふ。(咳払いには少し姿勢を正して)

メセム : (一回転にはぱちぱちと拍手。)”グレイ”ハーヴィか。呼びやすくていい名前だ。

シュガーポップムーン : (ぱちぱちぱち!一緒に拍手。)

ハーヴィ : ≪ほんと? 嬉しい! おねえちゃんが付けてくれた名前なんだ。≫(ほにゃ…と笑顔。無表情な2049の影も形もないゆるみフェイスだ)

メセム : ふふ。仲良しだったらしい?(笑顔には笑顔を深め)

ハーヴィ : ≪うん、 きょうだいのことはみんな好きだよ。≫


メセム : はは、その表情からよく伝わってくるよ。グレイの方もおねえちゃんに付けて貰ったのか?

ハーヴィ : ≪そっちは…… "オーナー”かな。オレたちの。 あ、みんなで言う『人間様』っていうか……、作った人たちのこと。≫

ハーヴィ : (こっちはなんとなくスンとして。)

ハーヴィ : ≪あんまりいい意味じゃないんだけどね、コリンがかっこいいって言ってくれたから最近はちょっと好き。≫

メセム : ほ~お、オーナーが。……便乗するようだが私もかっこいいと思うぞ?

シュガーポップムーン : どこのお名前も、ハーヴィさんがハーヴィさんで、ハーヴィさんってことだから、わたし、すきですっ!(と、なんだか曖昧な表現のまま言葉にした。)

ハーヴィ : ~♪ (褒められて余程嬉しかったらしい。端末に文字を出すのも忘れてちっちゃく跳ねた。)


メセム : ふふ。グレースケールは段階も多いしな、黒白二色よりも深みが増すというもの。

シュガーポップムーン : ぐれーすけーる

ハーヴィ : ≪深み……?≫(と、小首を傾げる。)

メセム : 黒白の絵の具を混ぜると灰色になるだろ。そこはわかるか?

ハーヴィ : (こくこく)

シュガーポップムーン : (こくこく)

ハーヴィ : (興味があるらしい。ちょっと近付いて)

メセム : 灰色といっても色々幅はあってな……(床に落ちていたパレットを拾った。どこからか出した絵の具をそれぞれ乗せて)

メセム : (混色。こちらは少し黒が多め……こちらは白が多め。明度の違った灰色がそれぞれ出来上がる。)

ハーヴィ : ……(ほえ~っの顔で見て。)(ていうか……その辺の道具使うのかっこいい!などと思いつつ)

シュガーポップムーン : ほあ~……(パレットの上、混ぜられてかたちの変わる色たちをじっと見つめる。)


メセム : こういった色んな灰色を画面に使うことで微妙な濃淡を表現できる……(軽くグラデーションを作ってみせて)それにグレーはいい下地になるんだよなぁ

ハーヴィ : ≪……んっと、ええと、≫

ハーヴィ : ≪白と黒の丁度半分半分がいいんじゃなくて、減らしたり増やしたりするといろんなことができる、の?≫

シュガーポップムーン : すーっごく黒に近いところから、すーっごく白に近いところまで、ぜーんぶグレーってこと……ですか?

メセム : ん。……ああ、そうだな。減らしたり増やしたりでいろんな色になる。(そういうこと、とシュガーを指して)


ハーヴィ : (ほあ……と感嘆の声が漏れた。)≪もしかして、グレーはすごい?≫

メセム : グレーはすごいぞ。絵画の巨匠たちもグレーから画面を作っていたくらい。

ハーヴィ : ……! ≪そうなんだ……!≫

シュガーポップムーン : わあ~っ!すごいですっ!!すごいですねっ!ハーヴィさんっ!!

ハーヴィ : ≪うん!≫(にこ!っとした後に、少しだけ肩を落とし)

ハーヴィ : ≪オレの『グレイ』ってね、『どっちつかず』って意味なんだって、”オーナー”が言ってて。≫

ハーヴィ : ≪”グレイ(どっちつかずの)” ハーヴィ、ってなんか、やだなって思ってたんだけど。……オレはすごいのハーヴィになれるかな?≫

メセム : ……(どっちつかず。口の中で小さく繰り返して)

シュガーポップムーン : (肩を落としたハーヴィ。それから端末の文字と、メセムの様子を順々に見て。)


メセム : …どの立ち位置にもつかない、ってのはさほど悪いことでもないとは思うが……。それに、なれるかなれないかは私が決めることじゃないなあ。ハーヴィはなりたいか?

ハーヴィ : ン~ ……≪う~ん……。≫(逆に質問されて、こてんと首を横に倒し)

ハーヴィ : ≪すごい は、ずっとみんなに言ってほしくて、褒めてほしくて、 でも、≫ ≪白黒つけない のほうがいいかも、オレは。≫

ハーヴィ : ≪きいてみたものの?≫

メセム : ふふ。なら私はその生き方を応援するよ。それにその性格を好いてくれるヤツも世界にいるだろうしな

シュガーポップムーン : ! はいっ!はいっ!わたしも応援しますよ~っ!(手をあげてぴょんぴょん。ふたりの会話に嬉しそうに笑った。)

メセム : 結成するかあ、応援団を……

ハーヴィ : (んふ、と笑い声を漏らし。)≪だといいなあ。≫


ハーヴィ : ≪オレ、この街の人間も、イミテイターも、みんな『違う』なんだなって思って、≫

ハーヴィ : ≪でも、『違う』は『間違ってる』じゃない……って、思うから。≫ ≪みんなと仲良くしたいなって≫

ハーヴィ : (それが、このイミテイターのいうところの「白黒つけない」であるようで。最後には笑顔。)

ハーヴィ : ≪応援しててね!≫


シュガーポップムーン : えへへっ そうですねっ!わたしもわたしも、なかよくしたいですっ!

メセム : ……(イミテイター二人を見やる。その考えは自分で演算して――考えて、導き出したものだろう。この街の助けも少なからずあったかもしれないが、あなたが”テーマ”を持ったことが なぜだか嬉しくて)

メセム : 優しいんだな、二人とも。応援してるよ。

ハーヴィ : ン!(嬉しそうに返事。……だけでは嬉しさが抑えきれなかったのか、隣のシュガーポップムーンの手を取ってぴょんと小さく跳ねた。)

シュガーポップムーン : !(手を取られたなら、そちらを向いて笑顔を咲かせて。同じようにぴょんと小さく跳ねた。)

シュガーポップムーン : えへへ~っ 応援されちゃいましたっ!


シュガーポップムーン : もちろんもちろん、メセム様の事も応援~っ!なのですっ!

メセム : ふふ……お、私もか?

ハーヴィ : (こくこく!)≪オレね、ずっと言えなかったけど、メセムはオレや他のイミテイターたちの事あんまり道具ってふうにしなくて、オレにもいつも普通にしてくれてたから、≫

ハーヴィ : ≪オレずっと嬉しかった! だからオレも応援!≫

メセム : う~むあまり意識してはなかった。嬉しいと思ってくれてたんならそりゃ良かったが

シュガーポップムーン : メセム様もお優しいのですっ!だから、笑顔がい~っぱい!なら、うれしいなって思いますっ!

ハーヴィ : ≪自然体……ってやつなのかな? でもオレが嬉しかったのはホント。ポップもこう言ってるし。≫

メセム : はは、ならこれからも自然体を続けるとする。私はいつも笑顔だぞ~っ(そうして笑いかけて)

ハーヴィ : (にぱ~~~! 笑顔で返した。)

シュガーポップムーン : やった~っ!ですね~っ!(にこにこ!思ったまま、自然の笑顔で返す。)

メセム : (にこにこの空間となった……)

ハーヴィ : (わちゃ……わちゃ……とうれしいの動き。ひとしきりやって落ち着いてから。)


ハーヴィ : ≪えへへ、自己紹介したらいい事も教えてもらったし嬉しくなっちゃった。メセムは物知りですごいや。≫

シュガーポップムーン : はいっ!たくさんものしりさんで、ご本もい~っぱい、ですっ!

メセム : ふふ、それほどでもない。(フン……腰に手を当てて)

ハーヴィ : (かっこい~! かっこいいと認識した大人を見る子供のような目。)

メセム : (ちょっとふんぞり返った)

シュガーポップムーン : はっ!そうですっ!メセム様にお聞きしたいことがあったのでしたっ!(ものしり、の流れで思い当たったのか、声を挙げて)

ハーヴィ : (ふんぞりかえると より か っ こ い い !)


ハーヴィ : ン?≪ン?≫

メセム : お。(姿勢を戻し……)なんだ?

シュガーポップムーン : はいっ!そろそろサキシフラガ記念の時期で、この間商人様が新しい商品を販売していたのですっ!

シュガーポップムーン : えっと、えっと、それで、メセム様は、チョコレートのご本はお持ちですかっ?

メセム : ああ~……そういえばもうそんな時期か。チョコレートの本、というと

メセム : レシピ本か?それどもカカオ製法だとか……デザインの本か?

シュガーポップムーン : うーん、うーん……?レシピ……か、デザイン……?でしょうか~……(口元に指を添え、思考するポーズ。)

ハーヴィ : ≪そういえばそんな時期だったね。 なんか……よくわかんないけど。≫ (2049としての活動はとにかく地道で、人との関りを避けるものだった。のでそういう事には疎い。)

メセム : スイーツデザインの本ならあったはずだ。ちょっと待てよ……(うろうろ……積んだ本をひっくり返すなどの作業)

ハーヴィ : (ほえ~)

シュガーポップムーン : ほんとうですかっ!?わ~っ!(また少しぴょんと跳ねて、探す姿を目で追った。)


メセム : ……お、あった。(山から一冊の本をずるりと引っ張り出した。側面についた埃をはらって)

シュガーポップムーン : !!

メセム : (「とっておきのお菓子の教科書」と表紙に書かれた本を差し出した。ケーキの断面のような意匠だ)ほら。これはどうだ?

ハーヴィ : (じ~っと本の表紙を見て)≪すごい… なんでもあるんだね!≫

メセム : 気になった本は集めてしまう質でなあ~

シュガーポップムーン : わあっ!えっとえっと、こちらのご本、お借りしてもいいですかっ!?(差し出された本の端をそっと摘まむ様に掴んで)

メセム : 構わない。今の制作では使わないしな……必要な奴が読むのがいいだろうよ。


ハーヴィ : ≪メセムはお菓子も作るの?≫

シュガーポップムーン : !!! ありがとうございますっ!メセム様っ!!(わ~っと声を挙げつつ感謝を述べる。軽くぴょんぴょん。)

メセム : お菓子は作らない……あ、見た目を参考に絵を描くことはある。最近は見た目が凝ってるからな、菓子。

メセム : (ぴょんぴょんにはニコ…とした。かわいいね)

ハーヴィ : (ほえ……) ≪なるほど……。絵を以外のものも絵の参考になる……。≫

シュガーポップムーン : (ぱらら……と本のページを捲る。基本のスイーツのレシピから、チョコレートやフルーツなどを使ったアレンジ等……様々な情報が載っているだろうか。)

メセム : なんでも参考になるぞ。昔いた工房では数式をモチーフに絵描いてる奴もいたしな……

シュガーポップムーン : すうしき?(首を傾げ)

メセム : (普通のレシピ本よりはデザインの凝ったものだ。写真も当然多い……)

ハーヴィ : ≪数式!? すごい!≫(本の内容とメセムの話、どちらも気になって交互に顔を向け)


メセム : 数式。数字とかXとかYとかそういうの……(ふわっとした説明だった)

ハーヴィ : ≪オレも今勉強中だけど、それを絵にするのは全然思いつかなかったや……。≫

ハーヴィ : (くるり、周囲を見渡し。)≪絵とか芸術って、あんまりよく分かってなくて。そこにあるものを形にするものって思ってたけど、≫

ハーヴィ : ≪……違うの? もっと、こう…… 自由、に、していいの?≫

シュガーポップムーン : 自由に……(続くようにしてアトリエを見回す。レシピ通りに、でも、過去のものをそのまま、でもなく。)

メセム : お、勉強とは偉い。……そうだなぁ……(つられてか、自分も辺りを見回して)


メセム : (浜辺に謎の物体が散乱する様子の描かれたキャンバス、赤いもやから指に突き出す絵の描かれたキャンバス……およそ現実ではありえないものが描かれている。作者権限で、それらをぱしぱしと叩いた。)

メセム : こんなもんが”そこにある”わけないだろう。なんだって作っていいんだよ

ハーヴィ : …… (その言葉に目をまんまるくして)

メセム : 私はこういった絵を描く画家だが、もちろん精密な絵を描くやつも、見た風景を描くやつもいる。そいつらは考えて考えて、その方法を選んでるんだ。それもまた、自由。

シュガーポップムーン : えっと、つまり…… じぶんでえらんで、じぶんがすきなように、自由に……って、こと、ですか?

ハーヴィ : ≪見た通りに描くのも、描かないのも、自由……。≫

メセム : そうだ。誰にそうしろと言われたわけじゃない、自分がこう伝えたいからそう描く……


ハーヴィ : (彼の作品は、……正直、難しくて、理解をするのには時間がかかりそうで。けど、そこに込められた『何か』はわかる。)

ハーヴィ : (現実とは”違う”もの、それぞれの”違う”描き方、伝え方。 でもそれは全部”間違い”ではなくて。)

ハーヴィ : (── わからないのに、どうしてかひどく惹きつけられる。)

ハーヴィ : ≪自分が伝えたいから……、誰かにそうしろって言われたんじゃなくて……。≫

シュガーポップムーン : (メセムの作品を見つめて。同じように意図を汲み取ったり、理解をするのにはまだ経験も足りない。けれど見ていたいと思う。そうして切り替わる端末の文字に気付いてそちらにフォーカスした。)

メセム : (画家の描く絵のジャンル、それが理想とするものは「夢と現実の矛盾した状態の肯定」であった。それが二人に伝わっていても、伝わっていなくても、自分の絵を見てもらう行為は嬉しいもので。)……グッと来たか?その気持ちを絵にしていくのもいいぞ(あ!勧誘だ)


ハーヴィ : ……(しばらく、呆けたように、食い入るようにその作品たちを見つめていたが。そんな声にはっと振り返り、)

ハーヴィ : ≪うん!!≫(短く、肯定の文字。)

メセム : ふふ。ならスケッチブックでもやろう。あとは鉛筆かクレパスか……

シュガーポップムーン : そっか、ステージじゃなくて、絵も……つくれる、んですねっ!(役割の通りに過ごしていたイミテイターが出したのはそんな言葉。)

ハーヴィ : (ぱあっと笑顔を作り)≪ほんと!? やった!≫ (素直に、与えられた”自由”を受け入れて、喜んで。)


メセム : 考える頭があれば何でも作れるさ。(それは人間もイミテイターも持っているものだ。画家はそう思って、それを見たくてバベルにやってきたようなもの。どこか上機嫌にスケッチブックを探す)

ハーヴィ : (ぴょんとその場で嬉しそうに跳ね)≪ね、ポップ、ポップも何かする?≫

シュガーポップムーン : わたし……わたしは、えっと……(若干呆けたような表情で思考する。)

シュガーポップムーン : (ふと手元の、さっき借りたばかりの本を見た。)

シュガーポップムーン : ! そうですっ!じゃあ、これで、何か……えっと、そうですっ!(そのまま本を頭上に掲げる。)

シュガーポップムーン : “表現”、してみるのですっ!

ハーヴィ : (お~! ちっちゃく拍手!)

メセム : おっ、表現者が増えた。


メセム : では……表現者たちにはこちらを進呈する(見つけたスケッチブックは二冊。何本かの鉛筆とクレパスをそれぞれ差し出して)

シュガーポップムーン : !! (掲げていた本を引っ込めた。)

ハーヴィ : ……!! (目を輝かせながら受け取る。ハルシネーションがひとつ大きく振動。 ──”わけもなく”。)

シュガーポップムーン : わあっ!いいんですかっ?ありがとうございます、メセム様っ!(本に重ねるようにしてそれらを受け取って。手の中に納まったものをじっと見下ろす。)

シュガーポップムーン : えへへっ わたしたち、なにができるでしょうかっ

ハーヴィ : ≪なんか、特別って感じで嬉しい……!≫ ≪えへへ、楽しみだね!≫

メセム : はは、どういたしまして。な~んでもできるぞ、やりたいことのやり方がもしわからなかったら本を貸してやる。画材もな。

ハーヴィ : ≪うん!ありがと、メセム!≫(またひとつ、ぴょんと跳ねるようにすれば、絵を描くのに丁度よさそうな場所を探すだろう。)

シュガーポップムーン : (ハーヴィの様子を見て、ふふ、と息のような笑みを零した。)


メセム : (物の多い部屋ではあるが、先の本探しや描画材探しで奇跡的に空いた場所ができているかもしれない。物をどけてしまえばそこがあなたのアトリエだ)

シュガーポップムーン : (きょろ、と周囲を見回して。けれどひとつ間を開けてから少女は壁際に一歩下がって、空間全体を眺め始める。)

ハーヴィ : ! (ひとつのキャンバス……先程じっと見ていた絵の前近くへ行き。物の置かれていないスペースに座ってちいさく収まった)

シュガーポップムーン : (積まれた本、散らかった画材、並べられたキャンバスに、人とイミテイター。壁と家具と天井と窓と。照明に薄く見える舞う埃まで。じいと眺めた。)

メセム : (それぞれの位置が決まったと見れば、自分は部屋の中央…イーゼルの傍に立った。二人の様子に気を配りつつ自分も筆をとって)


ハーヴィ : (スケッチブックを開く。自分が筆談をする時だって同じような動作をしているのに、なんでかもっともらしい嘘は小さく何度も跳ねている。使った跡があるクレパスも、なんだかそれを『いいな』と思う。”鼓動の音”がまたひとつ。)

ハーヴィ : ♪ (嬉しそうな声がちいさく漏れた。)

シュガーポップムーン : (紙の音。少しさらついていて低め。)(筆の音。少し軽くて高め。)(息遣いと、ちいさな声。)

シュガーポップムーン : (自身の瞳に映り込む景色と、キャッチできる音色と。)(きっとこの光景が自分は好きだと思った。)(それはまるで自分が額縁になったかのように。)


ハーヴィ : ……(わくわく……でスケッチブックを開いたものの。少女とは対照的にこちらは鉛筆を持った手の動きが遅い。小首を傾げ。)

ハーヴィ : (汚れたぬいぐるみを目の前に置いて、また手を動かし…… すこしして、また小首を傾げる。)

メセム : (ふと視界に入った首を傾げた人……)ハーヴィ、進みはどうだ?

ハーヴィ : (む~ん……。芳しくなさそうな顔。スケッチブックを抱えるようにしてあなたを見た。)

ハーヴィ : (スケッチブックを見せる。恐らく、”上手い”と評される類のぬいぐるみの絵。 ……その場にあるものの輪郭をきれいに抽出したような。)

メセム : (少し近寄って、描かれた絵を眺め)ふむ。しっかり見て描けているようだが?

ハーヴィ : (小さく唸り声。首を横に振って。)≪なんか、違う……。≫

シュガーポップムーン : (一方こちらはクレパスを手に取ってスケッチブックに……塗りたくっているような動き。)

ハーヴィ : ≪“こういうの”は、元々得意だけど……、なんか、描きたいもの じゃない……。見たもの、そのまま描いただけ、≫

ハーヴィ : ≪でも、ないものを考えて描くの、難しい……≫


メセム : ふーむ?(人間にとっては、見たままを描くことも称賛に値する。だが。 置かれたぬいぐるみと描かれた絵を交互に見て)……こいつのこと、どういった風に描きたいとかあるか?

ハーヴィ : ≪んと、描きたいのはふわふわじゃなくて、ふわふわは、描きたいのが描けないから、なんでだろうって思って描いてみて……でも描けるし、≫(イミテイターというには随分と要領を得ない文字が並び、)

ハーヴィ : ≪……もっと、メセムみたいなのがいい、のかな……?≫

メセム : ふ~む?(先程と似たような、少し違うような相槌……)

ハーヴィ : ≪なんか、ちょっと、これはオレがしたい”自由”とは違う…… 気がする。≫

シュガーポップムーン : (そんなふたりのやりとりをじいっと見ては、またスケッチブックにクレパスを滑らせる。)


メセム : じゃあいっそ、一度目を瞑って描いてみるのはどうだ?それが違えばまた別の方法を探せばよし。

ハーヴィ : ≪目をつむる……≫

メセム : 目を瞑って。…例えば彼を(と、ぬいぐるみを指して)触りながら、触り心地はこういう線だろうと思って描いてみる。無理に形はとらなくてもいい。

ハーヴィ : ン……≪……わかった、ちょっとやってみる。≫ (言われて、目を瞑る前にちいさな友達の位置を確認し。)

ハーヴィ : (鉛筆を置いて、クレパスを何本か持つ。 ──自分なりの”自由に”の模索。)

メセム : ん。(頷いて。制作が始まればそっと傍を離れた。もう一人の表現者の方へと近寄って)

ハーヴィ : (目を閉じて、描き始める。自分は器用なほうだ、なんて思っていたけれど、手が時々スケッチブックからはみ出るのがわかる。戸惑いながらも、少しずつ動く手。)


シュガーポップムーン : (ぐりぐりとスケッチブックにクレパスを押し付けていたイミテイターは顔を上げて、近付いてきた男を見上げた。ロンググローブが少し汚れていた。)

メセム : (ぱっちりと目が合ったかも。)どうだ?シュガー。進んでそうだが

シュガーポップムーン : えっと、えっと、むずかしいですけど……(そうして少女はスケッチブックの上の“表現”を見せた。グレーに塗りつぶされているページの上の右側には煙の様な白い線がぐちゃぐちゃと塗られていて、左側には花びらのようなものと、差し込むひかりのようなものが表現されている……。)


シュガーポップムーンは、スケッチブックのページを使った。


メセム : おっ、画面を埋めるのが早いな。線の流れもなかなかいい……色選びもな。グレーが気に入りか?

シュガーポップムーン : ハーヴィさんと、メセム様の色ですっ!(わっ!と両腕を広げた。)

メセム : ハーヴィと、私。お揃いとは光栄だ。……となるとこれらのモチーフは我々?

ハーヴィ : (己の名前が耳に飛び込んできて、ぱち、と目を開いた。)

シュガーポップムーン : えへへ~っ はいっ!メセム様はいつも髪とか煙とか、お洋服がふわふわ~ゆらゆら~ってしててっ、

シュガーポップムーン : ハーヴィさんは、ぱっ!っておはなが咲いてるみたいで、ひかりがそこにあたってるみたいですっ!

ハーヴィ : ……?

ハーヴィ : (お洋服がふわふわゆらゆらで、花が咲いてる”みたいで”、光がそこにあたってる”みたい” を、絵にしている? 二人の会話が気になって。)


メセム : ふふ。なるほど、なるほど……(改めて描かれた絵を眺め…)……この絵、ハーヴィにも見せてもいいか?

シュガーポップムーン : えへへ…… はいっ!(まるでどこか“恥ずかしそうに”笑って、スケッチブックを見やすいよう、外に向けて持った。)

メセム : (ほらほら、とハーヴィへ手招きして)

ハーヴィ : ……!(顔を上げて立ち上がり。自分のスケッチブックを抱えたまま近くへ。)

ハーヴィ : (己へ向けられたそれをじっと見つめて。そこに映ったのは。)

ハーヴィ : ≪「そこにあるもの」じゃなくて、「そこにあるもののイメージ」を、≫ ≪絵にしたんだ。ポップ。≫

ハーヴィ : ≪すごい……。≫

ハーヴィ : (人間じみた 演算[思考] の、けれど人間じゃないから出来なかった青年のそれが、そこにある。≫


シュガーポップムーン : うんっ!あのねあのねっ、メセムさんも、ハーヴィさんも、ずっと動いてるから……でも、ずーっと動いてるのは描けないから、(と、なんとか言葉にして表す。舞う埃も、揺らめく煙も、流れる髪も、呼吸で動く身体も。一瞬だけでは無くて、そのものが、空間がとってもだいすきだったから。)

シュガーポップムーン : でもメセム様はもっとゆらゆら~ってしてて、ハーヴィさんはもっとつよくって……なので、むずかしい……です。

メセム : (うむうむと相槌を打ちながら、あなたの言葉を聞きながら。再び画面に視線をやって)

ハーヴィ : ……(呆気にとられたように、その言葉を聞いて。)≪でも、でもすごいよ、オレは それもできなくて、≫


ハーヴィ : (……と、自分のスケッチブックに視線を落とすと。目を閉じて描いていたからわからなかった自分の絵。途中で何回もクレパスを持ち替えたせいで線は繋がっていなくて、重なったり離れたりして。

ハーヴィ : (……けど、)

ハーヴィ : ≪……変なの。≫(さっきの『ちゃんとした絵』より、少しだけふたりの絵に近付いた気がして。笑顔を浮かべる。)

メセム : ふふ。生き生きとした線たちだ、二人とも。

シュガーポップムーン : やった~っ!あっ、わたしっ!ハーヴィさんの絵も見たいですっ!(すごいの文字に、メセムの褒め言葉に嬉しそうに笑ってから、ハーヴィのスケッチブックを覗き込もうと。)

ハーヴィ : (ふと、考える。自由にって、どんな自由がしたかったんだろう。シュガーポップムーンみたいにイメージを形にすることも、メセムみたいに自分の内側をかたちにする事も難しくて。)

ハーヴィ : (……あなたの目にも映るであろう、ぐちゃぐちゃのぬいぐるみの絵。)


シュガーポップムーン : ふふふっ ハーヴィさんの、ふわふわさんですっ(それがぐちゃぐちゃでも、そのまま写し取ったかのようなぬいぐるみでも、少女は嬉しそうに楽しそうに笑ってしまう。)

シュガーポップムーン : (作品に対してよりは、青年が生み出したものだからという点で。)(まだ作品そのものを評価するなんてことは出来なかった。)

ハーヴィ : (ぐちゃぐちゃ、だけど、そこには「正しいかどうか」も「自由かどうか」も、なんの混じり気もない。……混じり気がないから、好きだけど、)

ハーヴィ : ≪……もっと。≫(ぽつりと端末に灯る言葉。)

ハーヴィ : ≪もっと、こう、なんか、≫(『内側』を。発露を、重なった色と色に思考演算がぱちりと弾けて。)


ハーヴィ : ……! ≪メセム!オレ、絵の具使いたい!≫(と、振り返った。)

シュガーポップムーン : !(ハーヴィの動作に目を瞬かせて)

メセム : …お!(少し驚いたように瞬き)……いいぞ、好きなのを持っていけ!

メセム : (床に置かれた画材箱からばらばらと溢れる絵の具たち。大小さまざまなチューブのそれらは使われるのを待っているようだ)

ハーヴィ : ン!(少女へ振り返り、端末が≪見せてくれてありがと!≫と感謝を述べれば、絵の具たちの前に座り。)

シュガーポップムーン : うんっ!わたしもわたしも、ありがとうございますっ!(ハーヴィとメセムにそう告げて、次はハーヴィがどう行動するのかを見ている。時々わくわくとした表情でメセムを見上げながら。)


ハーヴィ : (めくった先のまっさらなページと向かい合う。なにを描くか、どう描くか。わからない。わからないけど、曝け出したい内側を。イミテイターの青年が取った手段は、とてもシンプルなものだった。)

メセム : (見上げられれば、笑みを深めて見おろして。青年の次の動きにも興味深げに視線を向ける)

ハーヴィ : (”手に取った一色を” ”そのままスケッチブックに塗りたくって” ”次の色” ”次の色” ”次の色” ──次の色!)

ハーヴィ : (混ざる/混ざらない/重なる/濁る/別の色になる/ひたすら手を動かす。)

ハーヴィ : (必要だったらパレットで混ぜて、でもやっぱり、絵を描くと呼ぶにはあまりにも原始的に、ただ塗り付ける。)

シュガーポップムーン : (わあ~…という、息を交えた声を発しながらその様子を見守る。)(青年が手を動かすたびに次々に広がる色に、変わっていく色。)

シュガーポップムーン : (それはそう、まるでエンターテインメントのような。)


ハーヴィ : (まる、ばつ、さんかく。記号を描いて、塗りつぶし。片方に色を広げたと思えば、また縦横に塗り重ね。)

メセム : (色の重なる画面、質量のある油絵具はあなたの筆や手に少しの抵抗を見せたかもしれない。それでも伸びる時は伸び、厚みを持たせたいときはそうなるもの。)

ハーヴィ : (うまく伸びなくて、筆跡が山になった。……すごくいい。これは、このままでいい。)

ハーヴィ : (それは初期衝動的な。『何を描くか』ではなく、『どう描くか』、それだけの。)

ハーヴィ : (そうして、出来上がった『絵』は、)


ハーヴィ : ……! (花のような、波のような、光のような、ただの色のかたまり。ただ、彼は知らないけれど。きっとそんな『作品』を表す言葉を、人間は持っている。)

ハーヴィ : (──これはいわゆる、”抽象画”のそれに近い。)

メセム : (具象物の無い、対象を持たない絵。純粋に絵画と向き合って、楽しんだような画面……この人間にはあなたの絵がそう見えた。ほう、とひとつ息を吐いて)

シュガーポップムーン : (出来上がった画面にしばらく見入る。衝動を、溢れるものをそのままぶつけたような作品。)(次に青年の表情を見遣る。)

ハーヴィ : (とても、満足げな表情。一心不乱にキャンバスを追いかけて汚れた人形の手が鼻の頭に触れて、絵の具が付く。)


シュガーポップムーン : ──すごい、すごいですっ、ハーヴィさんっ!(青年の表情に、出来上がった作品に嬉しさが溢れて明るい声色になる。)

シュガーポップムーン : きれいで、つよくって、わたし、すっごくドキドキでワクワクになりましたっ!

メセム : ああ、見ている方も興奮した……もっとよく見せろ、ほら。

ハーヴィ : ン!(嬉しそうに見せるだろう。出来栄えにも満足な様子だ。)

ハーヴィ : ≪オレもね、すごい楽しかったし、なんか、”好きなこと”だった!≫

メセム : (作品をじっくりと眺めて。あなたの言葉にはまた笑みをこぼす)ふふ、そりゃあいい。向いてるんじゃないか?


シュガーポップムーン : はっ!

シュガーポップムーン : つまり……弟子入り、ですかっ?(以前、ゼータに関する事でも言った言葉。なんとなく使っている言葉だが、一連の流れに対してするりと口から出た。)

メセム : 弟子。

ハーヴィ : ≪弟子入り!!≫ ≪オレ、ただしたいようにやっただけなんだけど、これも弟子入りできる!?≫

ハーヴィ : (出来栄えには満足げだが、絵と呼ぶには技術も何もないものであることは分かっているようで。)

メセム : ……私は来るもの拒まずだから?絵を続けたいなら絵の具の使い方や、美術史なんかは教えられる。

メセム : ただその感性を潰してしまうような師にならんよう気を付けねばだなあ。磨けばきっともっと光るぞ。

ハーヴィ : !!!(その言葉に嬉しそうにして)

シュガーポップムーン : !! みたいですよっ!ハーヴィさんっ!!(こちらも嬉しそうに小さく跳ねて跳ねて)

ハーヴィ : ン!(立ち上がってぴょん!)


ハーヴィ : ≪あのね、オレ、見た通り線を描くのは出来るけど、≫ ≪これは、またおんなじのは描けないよね?≫

ハーヴィ : ≪だから楽しかった! オレ、これまたやりたい! もっと沢山描きたい!≫

メセム : 同じものは二度と。はは、意欲的でいいことだなぁ!よしよし、それならキャンバスを沢山準備しないとな

ハーヴィ : (見たものを見た通りに。それもひとつの技術だが。)(青年の”思考”は、”思考じみた演算”では再現の及ばないそれを好み、選んだ。)

ハーヴィ : (「その時の気分で」「その時ある色で、」「その時の空気のにおいで」 そんな”ただ一度だけ”を。)

シュガーポップムーン : よかったですねっ!ハーヴィさんっ!ドキドキとワクワクと、はぴはぴがい~っぱいっ!ですっ!

シュガーポップムーン : ありがとうございますっ!メセム様っ!(それから、この環境の要となった人物にも感謝を告げて。)


メセム : ふふ、どういたしまして?とは言っても少し話をして、画材を提供したくらいだ。絵を描くのに挑戦したのはオマエたちの気持ちだしな

ハーヴィ : ≪ううん、メセムが来ていいって言ってくれなかったら、絵を描こうってきっと思わなかったし、いっぱい教えてくれたから。≫

シュガーポップムーン : はいっ!そうですよ~っ!

シュガーポップムーン : メセム様のおかげですっ!わたしたち、あたらしいことができましたっ!!

ハーヴィ : ン!

メセム : そうかあ~?なら素直に感謝されておくとするか


メセム : (そうして笑って、改めて描かれた作品を見る)(強烈な色彩でのびのびと描かれた絵……それを見て「フォービズム」という言葉がふと頭に浮かんだ。それは、写実主義と陰鬱な世紀末芸術とは決別して生まれたもの。)

メセム : (だから、過去の歴史から見ても、あなたから見ても、)これは「始まりの絵」だ。私にとってもいいものを見せてもらったよ。

ハーヴィ : ~!! (とても嬉しそうに、言葉を口にする事は叶わないけれど。自分の”内側”を認めてもらえたようで。堪えきれなかった喜びが喉奥から漏れる。)


メセム : シュガーの絵も揺らぎを感じる良い作品だ。……あの一枚だけでなくてもっと見たいな。シュガーのイメージで、ずっと動いている様子を。

ハーヴィ : ≪うん、オレもポップの絵すごく好き!≫

シュガーポップムーン : ほんとうですかっ?えへへ~っ

シュガーポップムーン : ありがとうございますっ!じゃあじゃあっ、いつかたくさん絵をつくって、それをステージに変えてショーができたらって、わたし、思いましたっ!

ハーヴィ : ≪描いた絵でショー……? できるの!?≫

メセム : お、舞台芸術というやつか?それはセットなのか、それとも映像として……

シュガーポップムーン : 映像っ!舞台のセットかな~って思ったんですけど、映像?もできるんでしょうか……

シュガーポップムーン : でもでも、どーんっ!で、ばーんっ!てなって、それでも皆さんがドキドキワクワクになってくれたら、わたしすっごくうれしいですっ!!

メセム : 一枚ずつ絵を写してアニメーションにするとか?ふふ、アプローチの方法は色々ありそうだなあ

ハーヴィ : (ほえ……) ≪沢山絵が増えたらやりたい事もいっぱい出てきそうで楽しいね!≫


ハーヴィ : ≪あ、そうだ。それならオレ、描いてるところをそのまま見てほしいかも。もっとおっきいキャンバスで。≫

シュガーポップムーン : はいっ!!(と、先の文字にはそう答えて)

シュガーポップムーン : おっきいキャンバス、ですか?

メセム : はは。ハーヴィは案外パフォーマー気質だな?

ハーヴィ : ≪うん、この大きさでも楽しかったんだから、おっきくなったらきっともっと楽しいよ。もっと身体全体でさ。≫

ハーヴィ : ≪えへへ、オレ”元演劇用”だから。そういうの好きかも。≫


メセム : ふふ、なるほど?なら用意するキャンバスは150号か200号か……300でもいいかもな

ハーヴィ : ?(首を傾げ。きっと大きいんだろうということはわかる。)

シュガーポップムーン : それって……どのくらいおおきいんでしょうか?

シュガーポップムーン : メセム様ぐらいですかっ?

メセム : 300は、長い辺で3mくらいだ。

ハーヴィ : ≪300cmの300だ!≫

シュガーポップムーン : 3m!メセム様よりおっきいですっ!!

メセム : デカいぞ~。体全体使い放題だ。

ハーヴィ : ≪オレの倍くらいある!楽しそう…!≫


メセム : ふふ。そのくらいのデカさだと銀幕としても使えるだろうし、描いてるところにシュガーの映像を投影してコラボするのも楽しそうだな。

ハーヴィ : (ぱ、と反射的にシュガーポップムーンのほうを向いて)≪コラボ!≫

シュガーポップムーン : ふわ~っ なんだか……とってもすごい光景のお話をしてるきがするのです……

シュガーポップムーン : (こちらはぼうっと、言葉を図にして思い浮かべた後青年の方を向いて、)

シュガーポップムーン : でもでもっ!それが出来たらと~ってもすてきですねっ!ハーヴィさんっ!

ハーヴィ : ≪うん!オレもポップと一緒にやったら絶対楽しいと思う!≫

シュガーポップムーン : うんっ!!わたしもハーヴィさんと一緒にやってみたいですっ!!

メセム : ぜひ実現してほしいな。やるときは呼んでくれよ

ハーヴィ : (こくこく!)≪絶対呼ぶ!だからこれからも沢山いろんな事教えてほしいな!≫

シュガーポップムーン : はいっ!!ぜひぜひっ、メセム様に見て頂きたいです~っ!!

メセム : はは、いいとも。教えるし、私にも知らないことであれば一緒に学ぼう。楽しみだなぁ

ハーヴィ : (やった~!とその場でジャンプ)

シュガーポップムーン : (一緒にジャンプ!)

メセム : (大人なのでジャンプ!とはいかなかったが一緒に少し揺れた。ゆら…)


ハーヴィ : (それでもあなたが反応してくれたことが嬉しくて。)≪メセム、ほんとにありがとね。来れてよかった!≫

シュガーポップムーン : (うんうん!と頷く。)

メセム : ふふ、どういたしまして。二人も来てくれてありがとうな

メセム : また来いよ。アトリエはいつでも開いてるから

ハーヴィ : ≪うん、また遊びに来るね。オレ、ここすごく好き。≫

シュガーポップムーン : はいっ!!またお邪魔しますねっ!!メセム様のステージ、わたし、すきですっ!(アトリエをステージと言い換えて。この空間そのものが彼が作り出すステージのように感じられて、それがとてもよいものだったから。)

メセム : はは、これはまた嬉しいことを言ってくれる。


メセム : 一度掃除でもするかと思っていたが、もうそのままにしておくか……(これは冗談。ニヤリと笑って)

シュガーポップムーン : お掃除……(周囲を見回す。)

ハーヴィ : ≪え、これ掃除してなくてこうなってたの?≫

ハーヴィ : (青年には、なんかこう、必要だからそうしてる的な職人気質なかっこよさをこの部屋に見出していた。)

メセム : 掃除はしてないな……(してない。よく見たら床は絵の具などでめちゃめちゃ汚れている)

シュガーポップムーン : えーっと、えっと、 メセム様っ、けんこ~には気を遣わないとダメですよ~っ!

シュガーポップムーン : (とりあえずそこだけが気になるようだった……。)

メセム : でもどこに何があるかはわかるし……。……

ハーヴィ : (周囲を見る。確かに……言われてみると……散らかってるかも!!)


メセム : (健康か……万年喫煙者は遠い目をした)

ハーヴィ : ≪掃除するとき、手伝うよ? オレもいっぱい描きに来たいし。≫

メセム : お。本当か?じゃあ……

メセム : あの辺……から片付けるか、今度。(ベッド側の本たちをぐるっと指差して)

ハーヴィ : ン!(素直な返事。両手油絵具まみれなのでまた今度!)

シュガーポップムーン : (指差されたベッドの側の本を見た。つみつみ……)


シュガーポップムーン : はっ!そうですっ (と、家具の隙間から抜けて、)

シュガーポップムーン : ならなら、わたしすこし、必要なものを今のうちに持ってきます~っ!(と言って走っていってしまった……)

メセム : お?おお……(見送り…)

ハーヴィ : ≪気が早い……。≫(見送り2)

メセム : (素早かった。行ってらっしゃいの手が間に合わなかった……)ま、行動力があるのはいいことだ。


シュガーポップムーン : (ババン!)

ハーヴィ : ≪はやい……≫

メセム : (おかえりも早かった!おかえりの手振り)

シュガーポップムーン : (ぴょんぴょんと跳ねるように戻ってきて、)


シュガーポップムーン : ただいまです~っ!とりあえずですねっ ハーヴィさんをきれいきれいしないとなのですっ!

シュガーポップムーン : (そう言えば石鹸とタオルを差し出して)

シュガーポップムーン : 残った分はお掃除に使えるのですっ!

ハーヴィ : ! ≪ありがと!≫(絵具べたべたイミテイターはよろこんだ)

メセム : ん、そうだな。石鹸の前に絵の具の塊の部分をこれで拭いておけ(と、その辺から適当な新聞紙を拾って)


[タオル] を手に入れた。

[石鹸] を手に入れた。


シュガーポップムーン : (適当な新聞紙を目で追った。適当な新聞紙も落ちている環境だ……。)

メセム : (必要なものは大体その辺に落ちている。画家にとってはある意味便利な環境かも……)


ハーヴィは、石鹸を使った。

ハーヴィは石鹸で洗った。


ハーヴィは、タオルを使った。

ハーヴィはタオルを使用した。


ハーヴィ : (わしゃわしゃふきふき)(きれいなイミテイターに戻る)

ハーヴィ : (新聞紙も言われたとおりに使い…… 使い? 落ちてたな。とにかく完成!)

シュガーポップムーン : (きれいきれいになった!)

メセム : (よし……)シュガーもグローブの汚れはお湯と石鹸で洗うといい。

シュガーポップムーン : はいっ!え~っと、お湯……はお借り出来ますか~っ?

メセム : ……(なんとこの家にキッチンは…無い!!)……ホテルの風呂場に行けば…?

シュガーポップムーン : ホテル!お風呂場!わかりましたっ!!

メセム : (よし……)もし入りにくいなら同行するぞ


ハーヴィ : (なるほどになった……が、ここでちょっと眠そうなあくび。このイミテイターに自発的な

スリープモードのオンオフは存在しない。) ≪ん…… ごめん、オレそろそろ寝る時間かも。≫

シュガーポップムーン : ほあ ハーヴィさん、おつかれさまのお時間みたいですっ

メセム : …お、もうそんな時間。寝不足になるのはよくないな

ハーヴィ : ≪今日は先に帰ろうかな……。ごめんね、一緒に行きたいんだけど。 ……そう、オレ寝不足になるの。イミテイターなのに。≫

メセム : 寝不足はきつい。しっかり寝な……


シュガーポップムーン : だいじょうぶですよ~っ!ハーヴィさん、ゆっくりおやすみなさい、ですっ!

ハーヴィ : ≪うん、ありがと! それじゃオレ先に社宅戻るね。≫

ハーヴィ : ≪おやすみ! すごく楽しかった!≫

シュガーポップムーン : はいっ!おつかれさまですっ!ハーヴィさんっ!


ハーヴィ : ≪……あ、スケッチブック。これ、置いて行った方がいい?≫(と、借りたものを指して)

メセム : おやすみ、私も楽しかった……と。それはあげたものだからな、持っていくなり置いていくなり好きにしろ。

ハーヴィ : !! (その言葉を聞けば、大事そうに抱え上げ。)≪じゃあ持ってく!またこれ持って遊びに来るね!≫

シュガーポップムーン : (その言葉にこちらもわ!と借りたものと貰ったものを嬉しそうに抱えて)

メセム : ふふ。そうしろそうしろ


メセム : (画材についても気にしない。何せ大量にあるのだ、少し減っても自分が使ったか?とまた買い足すだろう)

ハーヴィ : ≪えへへ…… それじゃ、またね!今度こそおやすみ!)

シュガーポップムーン : おやすみなさ~いっ!ですっ!

メセム : ああ、またな。おやすみ、気を付けて帰れよ。

ハーヴィ : (そう端末に表示させれば。玄関の方で一度嬉しそうに跳ねてからその場を後にするだろう。)



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