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HAPPY


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アンジェロ : (ティーカップを磨いている……)

ハーヴィ : (ドアが開けば、にゅ…と顔を出し。)ン?

アンジェロ : ……おや、ハーヴィ。いらっしゃいませ。

ハーヴィ : ≪アンジェロだ! ……あれ? アンジェロってここで仕事してたの?≫

アンジェロ : 僕は必要があると判断したらどこでも働きますよ。


アンジェロ : 今は、隣の彼が少々……

ハーヴィ : ? (いつもここで働いているイミテイターを見て)

アンジェロ : 不具合を起こしているようですから、手伝いをしています。

ハーヴィ : ≪ああ、そういう事か……。 随分長くメンテされてないみたいだったもんね>

アンジェロ : (カウンター越しにでもわかるだろう。声をかければすぐにでも)


「い いいいいいいいい rrrrr ピーーーーーーーーーーー 人間様!?」

壊れている。

アンジェロ : こればかりは仕方がありませんね。メンテが行われていても、破損したパーツなどはここでは手にはいらないこともありますから。

ハーヴィ : ≪そうだね……。 オレたちは正直……運がいいだけ。と、思ってるよ、いつも。≫ (そうして壊れたイミテイターに『よくなるといいね』と端末を見せる。反応はない。)

アンジェロ : そうかもしれません。……こちらの彼は見ての通りですが、サービスの提供は問題なく行えるようですよ。

アンジェロ : 人間だと誤認はしているようですが。

ハーヴィ : ≪壊れてても役目は全うできる…っていうのは良い事なんだか悪い事なんだか。複雑だなあ。≫

ハーヴィ : (そうして注文をひとつ。問題なく通る。)


アンジェロ : センサー類や音声出力にのみエラーが発生しているのかもしれません。

アンジェロ : 僕には通信機能は備わっていないので、詳しくはわかりません。

ハーヴィ : ≪オレもそういうのはさっぱり……。自分の不勉強と性能不足が祟るね。≫

アンジェロ : そういった役割ではなかった、というだけです。

ハーヴィ : ≪それを言ったらそうなんだけどさあ。≫

ハーヴィ : ≪ちょっと悔しいじゃない。オレみたいな表面的には役割のないイミテイターだからこそ、こういう時にしてあげられることの一つでも覚えておけばよかったって。≫

アンジェロ : では、ハーヴィ。これから覚えていけばよいのでは?


アンジェロ : エムトハなどはしばしば、自分たちは後から機能を追加することであらゆる可能性がある、などと主張しています。

ハーヴィ : ン~……

アンジェロ : 部分的にではありますが、僕は彼の主張も正しいと思っていますよ。

ハーヴィ : ≪エムトハ、思想が強いけどその辺りは理に適ってるんだよね。≫ ≪実のところ、オレも今そういうのに手を出してるから。≫

ハーヴィ : ≪流石に自己改造まではいかないけどね>


アンジェロ : 彼は多少行き過ぎていますからね。

ハーヴィ : ≪したい事が分かんなくはないんだけどなー≫

アンジェロ : ……ふむ。

ハーヴィ : (テーブルの上に肘をついて飲み物を一口。)

アンジェロ : 以前荒野で見せていただいた、操作デバイスなどはご自分で調整したのですよね?

ハーヴィ : ≪……ん? ああ、あれね。そうだよ。丁度今のエムトハの話に繋がる、かな。≫


ハーヴィ : (テーブルの上に試作型鋼線操作デバイスを出して)

ハーヴィ : ≪これでしょ?≫

アンジェロ : はい、それです。

ハーヴィ : ≪うん。 これがどうかした?≫

アンジェロ : いえ、整備や改修に関して基礎的な知識があるのでしたら、

アンジェロ : 僕のメンテナンスを利用してイミテイターの整備点検をお教えすることもできるのでは、と思いました。

アンジェロ : ちょうど僕は自分のマニュアルも携帯しています。


ハーヴィ : ≪覚えられるかなあ。オレ、これを作る事しかしてなかったから正直基礎知識とかはかなり怪しい……。≫

ハーヴィ : ≪けど、そういう知識があるぶんには、うん。嬉しいかな≫

アンジェロ : ふむ……前提知識が不足しているのですね。

ハーヴィ : ン。 ≪MA型は勉強も人間並みの要・努力だからね…≫

アンジェロ : 多少であれば僕もお教えすることができますよ。ゼータ様にお会いするまでは自己メンテをしていましたので。

ハーヴィ : ≪……かなり、前向きに検討かも。その話。≫


ハーヴィ : ≪ね、アンジェロはさ、ここ、出ていく?≫(ふいにそんな事を。)

アンジェロ : やってみますか? 僕は教育用イミテイターではないので、多少荒い教え方になるかもしれませんが。

アンジェロ : ……はい、今のところは出ていく予定です。


ハーヴィ : ≪そっか……。オレも。≫ ≪オレもなんだけどさ、コリンが『これからも一緒』って言ってくれるのに、ちゃんと『うん』って言えなくて。≫

ハーヴィ : ≪自分がいつ動けなくなるか分からないし、そういう時にどうしたらいいのか分からないから不安で。≫

アンジェロ : ……そうですね、整備点検を学べば、あなた自身の理解も深まるかもしれません。

ハーヴィ : ≪うん。だから……そうだね。教えてもらえるなら大歓迎。≫ ≪ちょっと厳しくてもね。≫

ハーヴィ : ≪みんなとこれから先も”生きて”いきたいから。≫

アンジェロ : かしこまりました。そう仰るなら手加減はしません。頑張らせていただきますね。


アンジェロ : ただ、一つ、言っても構いませんか?

ハーヴィ : ≪うん、よろしくね!≫ ≪え、何?≫


アンジェロ : どんなに努力を重ねても、絶対に大丈夫、にはならないのが、きっと“生きる”ということですから。

アンジェロ : 僕はあなたよりコリン様のことをご存じないでしょうが、一緒にいたいという意志を示すだけでも良いのかもしれません。

ハーヴィ : ……

アンジェロ : 余計な助言だと思われるのでしたら、どうぞ、忘れても構いませんよ。


ハーヴィ : ≪……分かってる、つもり。コリンにちゃんと言えないのはオレの勇気が足りないだけだ。ありがとう。≫

ハーヴィ : ≪それに、どうにもならない事があってもそれに抵抗する努力をするのも”生きる”だってオレは思うから。≫

アンジェロ : ふふ……本当に余計だったかもしれませんね。

アンジェロ : 応援していますよ、ハーヴィ。

ハーヴィ : ≪そんな事ないよ。オレはいつも人に言ってもらってばっかりだから。≫


ハーヴィ : ≪けど、うん。がんばるから見てて。≫

アンジェロ : はい。僕にできるかぎり、見守っています。

ハーヴィ : ≪えへへ、オレが色々覚えたらゼータ一人に任せっきりにしなくてよくなるかもしれないしね! がんばろ~っ!≫

ハーヴィ : (やるぞ! と大きく両腕を伸ばして)


アンジェロ : はい、ゼータ様もお忙しいですからね。

アンジェロ : ……では、隣の彼もひとまずは問題なさそうですから、僕はそろそろ休眠に向かいます。

ハーヴィ : ≪うん、お疲れ様。話せてよかった。次はお勉強会よろしくね。≫

アンジェロ : はい。指導計画をご用意します。

アンジェロ : では、お疲れ様です。

ハーヴィ : ≪またね!≫

アンジェロ : はい、また。


アンジェロは[瓦礫に紛れる]になった

ハーヴィ : (手を振って見送った)




コリン : (きちんと防塵マスクをつけているため、口元は確認できないが、少し微笑んで。)(ちょっとだけ目が眠そうだ。)

ジレイ : (うすらとした光景 その奥にも人影)


ハーヴィ : ……ン、(小さく声を上げて。)

コリン : ?(ジレイの視線を追って振り返る。)あ!ハーヴィ!

ジレイ : ………… 一先ず 私は防塵マスクを持っておりません あれは人間様とのコミュニケーションに適していないと考えておりますので

ジレイ : カフェに向かいますが いかがですか お二人とも


ハーヴィ : (手を振った。……片方はマスクを着けていないのが目に入って。)

コリン : おれもそうしようと思ってたところ。防塵マスク、途中で取りに行くか?

ハーヴィ : (お二人とも、という言葉に自分も?と指差した。)

ジレイ : ハーヴィ

ジレイ : (声を張る その通りだ、の意)

ハーヴィ : ン、ン。(いそいそと近くへ)

コリン : (友人が近くに来れば「へへー」と声をもらして嬉しそうに)

ジレイ : マスクは不要です あれは人間様のコミュニケーションに適して……(以下略)

ジレイ : ……


ハーヴィ : (がっちりマスク装備イミテイター)

ジレイ : (有害な霧 その下 物々しいマスクを付けて笑い合う友人たち)

ジレイ : (早いところカフェに向かおう そう 早足で歩きだした)

コリン : おぉ……、じゃあさっさとカフェ行くか。こんなとこで喋ってたらジレイが霧吸い込んじまうしな。

ハーヴィ : ≪うん!≫



ハーヴィが[頭部]の装備を解除しました。
ハーヴィが[頭部]に[端末]を装備しました。

コリン : ん(中に入るなり防塵マスクを外す。重いから。)

ジレイ : そこのイミテイターはもう人間がそうでないかを区別しない 好きにしろ ハーヴィ

ジレイ : 今回は人間様の接待だ 貴様も見習っておけ

ハーヴィ : ン。(マスクを外し。) ≪ここのイミテイターの事はアンジェロから聞いたよ。ご苦労様だ≫

コリン : マジか!じゃあ好きに頼めるじゃん! 良かったな、ハーヴィ!


コリンは、紅茶を使った。
コリンは紅茶を啜った。
コリンは9回復した。  ([6]+3)

ハーヴィ : ≪うん、ご飯いっぱい食べれると嬉しい。≫ (見習え、という言葉にはあまりピンと来ていない様子だが、そんな風に笑い。)

ハーヴィ : ≪毎回コリンとかみんなに頼んでもらうのも悪いしね。≫

コリン : おれは良いけど、一個一個渡すのも大変だもんな。

ジレイ : 今日は私が支払います お好きに注文なさってください

コリン : 別にいーよ。おれ、ちゃんとお金あるし。

ジレイ : 今日は私が支払います お好きに注文なさってください

ハーヴィ : ? ≪オウムイミテイターになっちゃった≫

ジレイ : (同じセリフを繰り返した 奉仕したいようだ)

コリン : お、おう……。


コリン : ジレイがそうしたいのか?

ジレイ : 人間様 それも子供の手前 支払わないのは

ジレイ : イミテイターというより 成人型としての名折れです

ハーヴィ : …… (いつも人間様の子供に頼んでもらって飯を食っている。スイーと目を逸らす)

コリン : 子どもじゃないから気にしなくてもいーんだよ。

ジレイ : 子供です

ジレイ : (RW201は こういうやつだった)


ジレイは、紅茶を使った。
ジレイは紅茶を啜った。
ジレイは6回復した。  ([3]+3)

コリン : む……。おれはもう一人で冒険も出来るし、遠くまで行けるし、子ども扱いしなくていーんだってば。

ジレイ : お酒も飲めないでしょう

ジレイ : それで

ジレイ : 珍しい面子だ 二人は仲がよろしいのですか

コリン : の、飲める!(勢い口任せクソガキ)

ハーヴィ : (どうしたもんかなあ、と明滅する端末。と、話を振られて。)

ジレイ : (勝手に珈琲を注文した コリンの椅子へ)


ハーヴィ : ≪お酒はまだ駄目。それはオレも止めるよ。≫ ≪えっとね、オレとコリンは。≫

ハーヴィ : ≪友達だよね?≫

ジレイ : 疑問符

コリン : むむ……。(止められるのか……。と不満そうに。ついでに目の前に置かれたコーヒーに首を傾げながら)

コリン : 何で疑問符?おれとハーヴィは友達、だろ!

ジレイ : だ、そうだ

ハーヴィ : ≪喋れないとニュアンスってのが難しいね。『友達だもんね!』にしとけばよかったや。≫ (どうやら同意を求める類の文章だったらしい。)

コリン : うん!友達!

ハーヴィ : ≪オレとコリンは友達!! よし!≫

ジレイ : (文字列に視線を落とす) …… 成程


ジレイ : いやすまないな ハーヴィ貴様 何かに誘う時 一度こちらに確認を取る癖があるだろう

ハーヴィ : ≪え? そうかなあ。 そう?≫

コリン : ん、確かに言われてみれば、ちゃんと毎回聞いてくれるよな。

ハーヴィ : (ん~?と考え込むが、指摘は正しい。 このイミテイターは何をするにもまず人の許可を得ようとする。)

ハーヴィ : ≪……2049って名前で仕事してた時の癖かな? なんていうか……意思表示をしないようにしてたから。≫

ハーヴィ : ≪まだ苦手なのかも、そういうの。≫

ジレイ : だが コリン様との仲に関しては そうではなかったようだな

ハーヴィ : ≪そりゃそうでしょ。≫ (事も無げに)


ジレイ : 疑問だ イミテイターと人間様が…… ああ 最近はこういう話ばかりだ……

コリン : おれとハーヴィはちょっと喧嘩したけど……、それからいっぱいお喋りして、仲良くなったからな!今更疑ったりしない!

ジレイ : 青少年の健全な成長過程には 必要なことですが……

ジレイ : (額を抑えた)

ハーヴィ : (少年の言葉には笑顔を浮かべ、その隣で額を抑えるあなたを見やる。いつか人づてに聞いた、「日に日にわからないが増えている」という言葉がふと浮かび。)

コリン : ?(言葉の途中に額を抑えたあなたに首を傾げる。)

ハーヴィ : ≪嘆かわしい、的な感じ?≫ (ぽつりと端末に文字。)

コリン : ん……、(紅茶を飲み終わって、何故か黙って目の前に置かれているコーヒーにミルクを入れた。)(あなたの返答を待つ。)


ジレイ : 俺の考えが旧いのだろうか

ジレイ : これで3件目だ

ハーヴィ : ≪ほかの2件ではなんか言われた?≫

ジレイ : 人間様が友達になってほしいとおっしゃられたので

ジレイ : 人間様が友達になってほしいとおっしゃられたので

ハーヴィ : ≪うん。≫

ジレイ : 以上(二件分)

コリン : 二回言うじゃん。

ハーヴィ : ≪え、なんて返したのさ。≫


ジレイ : 一件目は激昂した 二件目は苦虫を噛み潰したように 俺の仕事ではないといった

ジレイ : 三件目は…… ここまでくると 新しいイミテイターと人間の関係のかたちのひとつとして

ハーヴィ : ≪うーん≫

ジレイ : 受け入れる必要が出て来るのではと思えて来る

コリン : 激昂って、ンな怒んなくても……。

コリン : 友達って仕事でなってほしいワケじゃねーしなあ。

ハーヴィ : ≪うーん うーん うーん≫ (思考がそのまま出力され。)

ハーヴィ : ≪そうだなあ。べつに受け入れられなくてもジレイの事変だ!とか古い!とかは思わないけど。≫

ハーヴィ : ≪怒ったり嫌そうにするのは、ちょっとかわいそう……≫


ハーヴィ : (また入力中のバーが明滅し。文字が時々現れては消え…)

ジレイ : (すると ハァ~~~~~~~ と わかりやすく 溜息をついてみせた)

ハーヴィ : (びく)

コリン : すげえため息つくじゃん。

ジレイ : (ガキが…… の表情 何かを入力している最中なのは 把握していたけど)

ジレイ : 人間とイミテイターは対等になれん いや 正確には なるべきではない…… と 俺は思っている

コリン : ジレイって結構、感情豊かだよな……。

ハーヴィ : (「こわい…」)

ジレイ : (叱責というよりは なめくさっている顔)

コリン : 何でだ? "イミテイターは思考する"んだろ?そこはおれらと変わんないじゃん。


ハーヴィ : ≪オレは別に、『ジレイも人間と対等になろ!』とかはあんまり思ってないんだけど。≫ ≪まあオレみたいなのは目に付くとは 思うので≫

ハーヴィ : ……

ジレイ : (ハーヴィのその様子を見ると RW201は攻め手を緩めた)

ジレイ : お二方が 仲が良いことは知っています ですが

ジレイ : だからこそ 意識していただかなくてはならないことがひとつあるのです

ジレイ : ハーヴィは 特別 そうではないかもしれないが

ジレイ : 基本的に イミテイターは ある一定のことに対して 人間よりすぐれている

ジレイ : そして 簡単に作ることができる

コリン : お、おう。


ジレイ : 平たく言ってしまえば イミテイターは 人間様を乗り越えてしまう可能性があるのです …… 懸念ですが

コリン : んん……、それってなんか悪いこと、なのか?

ハーヴィ : (端末の画面は暗いまま。)

コリン : 出来ることが人によって違うのは当たり前だろ?……そういう話じゃない?のか……?

ジレイ : イミテイターが世界征服してしまったら どうでしょう

コリン : せ、世界征服……!? 

コリン : かっこいい響きだ……。

コリン : じゃねーや。それは確かに、ヤバいけど……。

ハーヴィ : ≪それは同意するけど。≫ (端末の文字とは裏腹に本人は首を横に振り)

コリン : でもハーヴィもシュガーも、そんなことしないぞ!


ハーヴィ : ……

ハーヴィ : ≪オレやポップじゃなかったら? ジレイでもテラでもエムトハでもなくて、全然知らないイミテイターでも『絶対しない』って言える?≫

ハーヴィ : (いくつか名前を挙げる。がそれは例でしかなく。)

コリン : えっ、 そ、それは、分かんないけど……。

コリン : でも、もしもそうなった時、ハーヴィもシュガーも、おれの味方でいてくれる、よな……?

ハーヴィ : ≪当然。でもそういう話ではないんだ。残念ながら。≫(いつもの子供のような口調はなりを潜めて。ちら、とジレイのほうを見やる。)

コリン : ……(あなたの視線につられてジレイを見た。そうなのか?と目で聞いている。)

ジレイ : …… そうです


ハーヴィ : (RB2049-MAは、模範的なイミテイターを演じ続けた。だが現実という舞台で行われたそれは、演技でもなんでもなく”ただただ模範的だった”。)

ハーヴィ : ≪オレとコリンは友達。≫ ≪オレは他のイミテイター全部が人間を敵に回すって言ってもコリンの味方。≫ ≪それは変わらない。≫

ハーヴィ : ≪でもイミテイターが人間に作られたものっていう事実も変わらない。≫

コリン : (味方と明言してもらったこと、想っているのが自分だけでないことに、ぱっと顔が明るくなって、)

コリン : (次の一言にまた難しい顔になった。)

ハーヴィ : ≪ジレイの考えは間違ってない。≫ ≪だからこそ こうでしかあれない自分を申し訳なく思う、時々。≫


コリン : でも……、でも、人が作ったんなら、対抗するイミテイターとか、武器とかを考えたら良いじゃん……。

コリン : イミテイターが人を乗り越えたって、人がまたイミテイターを乗り越えたらいいだけだろ……?

ジレイ : それは そうかもしれませんな いえ……

ジレイ : ひょっとしたら その時代は迫っているのかもしれません ですが

ジレイ : ああ 難解な言い回しになってよくない

ジレイ : その時 お二人は 嬉しいでしょうか

コリン : ん、イミテイターが世界征服しようとしたら、って意味か……?

コリン : それはあんまり嬉しくないけどさー……。

ハーヴィ : (ただ無言で俯き。)

ジレイ : 失礼 説教くさくなってしまいましたな 何分子供への接し方に疎い

ハーヴィ : ≪難しい話だから仕方がない。≫

コリン : む、だから子ども扱いしなくて良いってば。


ジレイ : ……まあ ですから おふたりが これから先 長く友達でいるためには

ジレイ : 形が違う以上存在してしまう格差についても 認識せねばなるまいということです

コリン : (ミルクを入れすぎてカフェオレと化したコーヒーを飲みながら……)


コリンは、カフェオレを使った。
コリンはカフェオレを啜った。
コリンは7回復した。  ([4]+3)

ジレイ : 対等以外にもきっと 健全な関係というものはあるのだから

コリン : 健全な関係?

コリン : (オウム返し。関係性に健全とか不健全とか、そういうものがあることを知らなかった。)

ジレイ : お互いが末永く仲良く 尊敬しあえる関係のことですな

コリン : 友達ってことだな!

コリン : あ、でもジレイは友達はあんまり嬉しくないんだっけ……。

コリン : じゃあ他に何があんだよ……?

ジレイ : 何もすべてに名称を付けずとも 私に感情と好感についてひとつひとつ説明しろと

ジレイ : 永くなりますぞ

ハーヴィ : …… (端末のバーが明滅し。頭痛<ロジックエラー>は起きていない。)


ジレイは、クッキーを使った。
ふんわり甘い!
ジレイは9回復した。  ([6]+3)

ハーヴィ : ≪少なくとも コリンが対等を望むならオレはそうありたい。もらった感情は素直に受け取りたいから。≫ ≪けどね、コリン。これだけは覚えておいてほしい。≫

ハーヴィ : ≪これから先、コリンの背が伸びた時、オレの背は変わらない。≫ ≪コリンがお酒を飲めるようになった時、オレは変わらない。≫ ≪コリンが今みたいに元気に動けなくなった時、オレは変わらない。自分で変えようとしなければずっとそうだ≫

ハーヴィ : ≪オレたちが友達でいるっていうのは、そういう事だ。≫


コリン : ……そう、だったとしても。(以前、マリヤに「大きくなったら」という話をした時、隣にシュガーがいた。その時彼女は「ずっと一緒ですよ」と言ってくれた。)

ハーヴィ : (それが「形が違う以上存在してしまう格差」だと、口にはしないが。)

コリン : ハーヴィはずっと一緒にいてくれる、んだろ……?俺が変わっていって、ハーヴィが変わらなくても、友達だってのは変わらない……。(だから、あなたもそうであると思っているのだ。)

コリン : って、おれは思ってる、けど……。ダメなのか……?

ジレイ : んんっ(咳払い 横入りの声)

ジレイ : (立ち上がる クッキーは残されたまま カップを空にして)

ジレイ : (代金のコインを机上に)


ハーヴィ : ≪……行くの?≫

ジレイ : あとはお若いお二人で ということだな ヌハハハハ

コリン : ジレイが年寄りみたいに言うじゃん。

ハーヴィ : ≪そう。あ、ねえジレイ。オレとコリンが友達だって認めてくれてありがとね。≫

コリン : そういえば、なんか確か結構前に作られたとかそんな話聞いたな……。

ジレイ : 私はコリン様五人分の年月を…… ……


ハーヴィ : ≪気休めにもならないと思うけど。『オレは意図的にイミテイターの基本的な価値観を外されてる』から。 ≫ ≪ジレイとは作られ方が違うだけ。良いとか悪いとかじゃない。≫

ジレイ : あらゆるものに価値は認められるべきだ

ハーヴィ : ≪『向いてる方向が違うだけ』。ジレイがオレに言ってくれた。今は少しだけ理解が進んだ。≫

ハーヴィ : ≪ジレイが人間と友達にならない事を大事だと思うなら、オレはそれが大事だと思う。≫ ≪けど、ジレイの大事の外側にもみんなそれぞれ大事がある、から、≫

ハーヴィ : ≪次、また友達になってって言われたら、あんま怒んないであげてよ。≫


ジレイ : …………

ジレイ : (長い逡巡のあと)

ジレイ : (肯定も拒否もしないで ただ)

ジレイ : 覚えておく

ハーヴィ : ≪ありがと。≫ (同意を求めるでもなく、ただそれだけの文字と笑顔を浮かべた。)

ジレイ : (それを視界に収めたのを最後に コリンの言葉もまたぬまま 男はカフェを出て行った)

コリン : あ、また……、行っちゃった。

ハーヴィ : ≪せっかちイミテイターだ。相変わらず。≫


ハーヴィ : ≪……ね、コリン。オレたちはずっと友達だよ。≫

コリン : ほんとな。 ……ん。

ハーヴィ : ≪けど、オレたちの何かが変わっちゃった時、……それはポップでも、他の人でもそうだけど。≫

ハーヴィ : ≪無理に手を握ってる必要はないんだ。手が疲れたら緩めたり、いっそ離したっていい。また握りたくなったらそれもいい。≫

ハーヴィ : ≪それが、ジレイの言う『対等以外にも健全な関係はある』なんだとオレは思う。≫

コリン : えっ、や、やだ……!(咄嗟にそんな言葉が出た。あなたから離されることの話ではなく、自分から離すだなんて考えられなかったから。)

コリン : おれは、 絶対ハーヴィの手もシュガーの手も離さないしっ、ずっと握ってる!疲れたりなんか絶対しない!(想像力が発達していない子どもの言葉。人の関係に疲れたことはまだなかった。)


ハーヴィ : ≪ぎゅって握って、握られた人の手が痛くなっても、そうする?≫

コリン : えっ、えっ……、

ハーヴィ : ≪オレがコリンの手をぎゅって握って、コリンの手が痛くなっても?≫

コリン : お、おれは痛くならない……!

コリン : でも、ハーヴィが痛い、なら……。無理は、しない……。

ハーヴィ : ≪……今は分かんなくてもいいよ。ただ、『そうしてもいいんだ』って事だけ覚えてて。≫

ハーヴィ : ≪時間はまだまだ沢山あるしね。≫


コリン : ……(机の下で拳をぎゅうと握る。そんなこと想像もしてなくて、けれど、無理強いもしたくない。分からなくてもいい、と言われて、それが少し悔しくて。)

コリン : (上手く言葉に出来ない。頷いたら分からないことを肯定してしまう。)

コリン : また、考えとく……。(曖昧で、けれど本心からの言葉を、俯きながら落とした。)

ハーヴィ : (頷いた。本当なら、これから少しずつ気付いて、昇って行かなければならない階段。けれどいずれ直面するであろう”いつか”を思えば。)


ハーヴィ : ≪オレと一緒に考えよう。オレたちがずっと友達でいれるように。≫

ハーヴィ : ≪……改めて言うよ。≫ (それは、今日会った別のイミテイターに言われたこと。「気持ちを示せ」と。)

ハーヴィ : ≪この街を出ても、オレはコリンとずっと一緒。一緒であるように、頑張る。約束だ。≫

ハーヴィ : (いつの日か、応えられなかったあなたの気持ち。)

コリン : うん……、うん!約束!

コリン : ハーヴィとシュガーとずっと一緒にいるためだったら、おれいっぱい考えるよ。

コリン : ずっと一緒がいいもんな!

ハーヴィ : ≪うん!≫ (そこにどんな道のりがあっても、あなたと一緒にいたいという気持ちに変わりはないから。)

コリン : (子どもじみていて、少しの危険をはらむ言葉。案外それだけでもない。 子どもにだって、願いも覚悟もいくらかはあるのだ。)

コリン : じゃあそろそろ戻るか。シュガーを一人にさせちゃってるし。

ハーヴィ : ≪うん、帰ろ!≫

ハーヴィ : (また、端末の文字はいつものような子供めいた口調に)

コリン : おう!(残っていた目玉焼きパンを一口で食べ終えて)


コリンは、目玉焼きパンを使った。
おいしい!
コリンは9回復した。  ([6]+3)

ハーヴィは[霧カウンター]を3つ獲得した。
コリンは[霧カウンター]を2つ獲得した。
ハーヴィが[頭部]に[防塵マスク]を装備しました。

コリン : と……、そうだ。霧だったんだった

ハーヴィ : (マスクを付けて)≪忘れるとこだった。早くいこ!≫

コリン : うん!マスクあるとはいえ、あんま吸い込まない方がいーだろうしな。


ハーヴィが[頭部]の装備を解除しました。
ハーヴィが[頭部]に[防塵マスク]を装備しました。


コリン : ただいまー。

ハーヴィ : (マスクを外し、ジャケットを脱いで細かい塵を叩き落とせばベッドの中へ。)

コリン : (帰ってくるなり、マスクと帽子を置いてベッドにぎゅむ。)

ハーヴィ : (スリープモードの少女の頭を一度撫で。)


ハーヴィ : ≪ね、コリン。≫ (胸元から端末を外しながらも。)

コリン : ん?どーした、ハーヴィ。

ハーヴィ : ≪オレもね、コリンと、ポップとずっと一緒にいる方法。三人が帰ってくる場所を守る方法。考えたから。≫

ハーヴィ : ≪今度見せるよ。楽しみにしてて。≫

コリン : ほんとか……!(嬉しそうに目を見開いて、)

コリン : へへ、楽しみにしてる……!ありがとな……!!(隣で寝ている彼女を起こしてしまわないよう、極力声を抑えながら喜ぶ。勢いであなたにぎゅっと抱き着いた。)

ハーヴィ : (少年を受け止めれば、愛おしそうに身を寄せて。青年のちいさな勇気は、きっともうすぐ実を結ぶ。)


ハーヴィ : (そうして少年を抱きしめたまま。)(小さな声。きっと「おやすみ、また明日」と言っている。)

コリン : うん、おやすみ。ハーヴィ、シュガー……。(あなたが口にする言葉は、正しく意思を伝えられることはない。それでも伝わったのは、その声音が優しかったからだ。)


ハーヴィ : (青年にとって、言葉ほど無力なものはない。だけどそんな無力に、あなたの返事が意味をくれる。)


ハーヴィ : (ああ、この場所を守らないと。今日もまたゆっくりと落ちていく眠りの淵に、あるのはあなたの温かさ。ただそれだけ。)




 2023 by ROUTE87 / 大槻

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