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LOGS

流星群


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コリン : ん、ハーヴィ おやすみ。

ハーヴィ : ≪うん!コリンもおやすみ!≫

ハーヴィ : (にぱ!手を振った。)

コリン : (手を振った)


ハーヴィ : ≪あ、ジレイだ。≫

コリン : ん、ほんとだ。休んでんのかな。

コリン : ……反応ないな。

ハーヴィ : (たたたと駆け寄り)(なにかをせっせと手に持たせ) ……ン!


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コリン : ?

コリン : 何渡したんだ?

ハーヴィ : ≪オレの通信端末のコード。≫

ハーヴィ : ≪渡したいって思って何もしてなかったから。≫

ハーヴィ : (ばいばい!と反応のないジレイにちいさく手を振った。)


コリン : ジレイに?……大丈夫か?(スリープモードに入っている彼とは、一度あった限りだった。あなたの歩み寄りをしるべくもない。ちょっと不安そうだ。)

ハーヴィ : ≪うーん、ちょっとこわいけど、≫

ハーヴィ : ≪昨日、ちょっと話して。そしたら次もまたお話してくれるって言ってたから、平気だと思う。≫


ハーヴィ : ≪やわらかイミテイターになりたいんだって。≫ ≪オレもジレイとお友達イミテイターになりたいし。≫

コリン : やわらかイミテイター

ハーヴィ : ≪かたそうだよね≫

コリン : やわらかイミテイター……?(首を傾げた)

コリン : うん。


コリン : 頭もかたそうって思ったけど、そうじゃないのか?

ハーヴィ : ≪オレのほうがやわらかいよ。≫(頬をむにむにした)

コリン : へへ、だな。ハーヴィは柔らかくって温かい。

ハーヴィ : ≪うーん、えっとね ジレイが怖いと人間が困っちゃうから、やわらかになりたいんだって。≫

ハーヴィ : !! ≪うん、うん! そうなの! オレ柔らかいし暖かいの! すごいでしょ!≫

ハーヴィ : (このイミテイターにとってのそれはよほどの褒め言葉らしい。嬉しそうに。)

コリン : うん、すごいし、ハーヴィが嬉しそうで良かったなって思うよ。


コリン : にしても、やわらかになりたいなー。

コリン : 確かに最初ん時めちゃくちゃうるさかったし、喋り方も軍人!って感じであんま好きじゃなかったし。

コリン : でも、おれがイミテイターと仲良くなりたいのと一緒で、こいつも人と仲良くなりたいって思ってるのが「やわらか」って意味なら、良いことだな。

ハーヴィ : ≪それは……正直、うん。オレもそう思う。≫ ≪オレと話すときもちょっと怖い……けど、それはオレがイミテイターだから仕方ないし、≫


ハーヴィ : ≪でも、思考モジュールもアップデートしてからちょっと違う、ってみんな言ってたし。≫

コリン : ふふん、流石ゼータだな。

ハーヴィ : ≪オレの事も壊さないって言ってたから大丈夫……じゃないかな。≫

コリン : ほんとか!なら、良かった!


ハーヴィ : ≪あ、でもね! ひどいんだよ! オレの事子供って言ったんだ!≫

シュガーポップムーン : あっ

コリン : あ、シュガー!

シュガーポップムーン : はいっ!シュガーポップムーンですっ!

ハーヴィ : ≪あ、ポップだ!≫

コリン : ハーヴィがジレイに子どもって言われたんだってさ。おれはそうは思わないけどなあ。


コリン : ハーヴィは大人じゃないけど、子どもでもないだろ。(おれより身長髙いし……と思っていたが口には出さなかった。)

シュガーポップムーン : ジレイさんに?(すみっこでお休み中のジレイを見た。)

シュガーポップムーン : うーん、うーん?

ハーヴィ : (むん!)≪そうだよ。いくらオレがまだ11年しか稼働してないからって。≫

ハーヴィ : ≪あ、でも悪い事じゃないっても言ってた…… でも納得いかない……。≫

シュガーポップムーン : じゃあじゃあっ、わたしもこどもなんですねっ!

コリン : そう言われたらやっぱり子どもじゃなくね?ハーヴィもシュガーも。

シュガーポップムーン : ? そうなんですか?

シュガーポップムーン : (首傾げ)


コリン : 大人に手伝ってもらわなくても、自分で考えて行動して、いざとなったら何とか出来るもん!

コリン : もう子どもじゃない!

ハーヴィ : (むーん 首傾げ2)

ハーヴィ : (首もどり)≪そっか!≫

コリン : そう!

シュガーポップムーン : えーっと、じゃあ、

シュガーポップムーン : 大人に手伝ってもらわないといけない大人は……こども?ですか?

ハーヴィ : ……

ハーヴィ : ≪いるのかなあ? そういう大人も…… ≫

シュガーポップムーン : どうでしょう~っ……

コリン : えっ

コリン : うーん……、ん-……。

コリン : あ!

シュガーポップムーン : ?

コリン : そういうのは頼るって言うんだ!だから良いってこと!

ハーヴィ : ≪なるほど!!≫

シュガーポップムーン : なるほど~っ!ですっ!

ハーヴィ : ≪コリンのおかげですっきりした!≫


ハーヴィ : (……と、おもむろにあくび。のような動作)

シュガーポップムーン : おつかれさまですか?ハーヴィさんっ

コリン : っと、つい話しちゃったな。

コリン : 依頼も二つ行ったし、そりゃ疲れるか。

ハーヴィ : ≪……ん、そろそろ眠いかも。ごめんね、オレ自分でスリープモードに入れないから、逆に入らないのも出来なくて……。≫

ハーヴィ : ≪うん、眠いし疲れた…。≫

ハーヴィ : (それはすなわち人間の疲労と眠気の再現で、このイミテイターの『機能』のひとつであるのだが、持っている本人にとっては不便なもので。)

コリン : いーよ、大丈夫。しょうがないとこはどうしてもあるもんな。

シュガーポップムーン : はいっ!ごめんなさいはいらないのですっ!


コリン : そういえば、前はハリボテんところで寝てたけど、今はどこで寝てるんだ?

コリン : 前見に行ったらいなかったからさ。

ハーヴィ : ≪あ、えっとね、今はちょっとだけ社宅借りてる。201号室。≫

ハーヴィ : ≪ほら、ポップを直したあと、心配だったし行くところがないって言ってたから…≫

コリン : そっか!屋根のあるところで寝れてんだな。良かった!

シュガーポップムーン : はいっ!ハーヴィさんが連れて行ってくださいましたっ!

コリン : ?シュガーも社宅なのか。

ハーヴィ : ≪うん、しばらくはあそこで寝泊まりしようかな。外はふわふわも汚れちゃうし……。≫

ハーヴィ : ≪あ、うん。同じ部屋だよ。≫

シュガーポップムーン : あそこも素敵なおへやですね~っ!わたし、ずっと遊園地がほとんどだったので……


コリン : 一緒の部屋……、ハーヴィもシュガーも仲良しだもんな。

シュガーポップムーン : ! はいっ!! えへへ~っ

ハーヴィ : ≪うん。えへへ、コリンも来る? ベッドすごい狭いけど≫

コリン : ……おれも一緒に寝ていい? !

コリン : うん!行く!

コリン : おれ二人より小さいから大丈夫!

シュガーポップムーン : わあ~っ!お泊り会、増えました~っ!

ハーヴィ : ≪ほんと!? うれしい! お泊り仲間だ!≫

コリン : へへ!ありがと!

ハーヴィ : ≪じゃ、行こうよ! 一緒に! ね!≫

コリン : ああ!お泊り会する!

シュガーポップムーン : うんっ!行きましょ~っ!



ハーヴィ : ≪ここ!≫

シュガーポップムーン : ですっ!

コリン : "しゃたく"ってどんなところかと思ってたけど、思ったよりちゃんとしてるんだな……!

コリン : ここもイミテイターが掃除してくれてたんだろーな。

ハーヴィ : ≪うん……。ずっと入ってる人がいなかったのに綺麗だ。感謝しないと。≫

ハーヴィ : (イミテイターがイミテイターに感謝とはなんともおかしな話だが、青年は無邪気にそんな事を文字に映し出し)

シュガーポップムーン : はいっ!おつかれさまですとありがとうございますを言わないとですねっ!

シュガーポップムーン : (その言葉を否定することなく受け入れた。)


ハーヴィ : ≪で、ここがベッド。ちょっと狭いけど、狭いとギュってなって安心するからオレは好き。≫

ハーヴィ : (ぽふ、と上に乗り)

コリン : へへ、おれもぎゅってされるの好き(普段は意地をはるところだ。でも今は友達しかいないから。)

シュガーポップムーン : (後ろ手を組んでその様子を眺め、笑う)

コリン : (シュガーの場所を開けるようにベッドにぎゅうぎゅう。)


ハーヴィ : ≪じゃ、オレ、ぎゅってしてもいい? あ、嫌じゃなかったらだけど ……ポップも!≫

シュガーポップムーン : あっ ちょっとまって下さいねっ(と言えば、寝台の端に腰かけて)

コリン : いいよ!どっちも!

シュガーポップムーン : (堅い音を響かせながら膝下からのパーツを外した。)(更に狭くなった寝台だから、痛い思いをさせないように。)


ハーヴィ : ……≪大丈夫? それ≫

コリン : うお!?それ外れるのか……。

シュガーポップムーン : だいじょうぶですよ~っ!しんぱいごむよ~、なのですっ!(明るく言って、傍の壁に立て掛けた。)

シュガーポップムーン : (そうして脚先が無いままの身体を空いた隙間に入り込ませる。むぎゅ!)

コリン : ん……、なら良いんだけどな。(心配そうな顔をして、ぎゅ!を受け止める)

ハーヴィ : ≪そっか、ポップが大丈夫って言うなら大丈夫だね。≫(もう言葉を偽る必要のない少女だ。ならばその大丈夫にもきっと嘘はないだろうと。)

コリン : (ついでに帽子が邪魔だったのでベッドから椅子に放った。行儀悪い)


ハーヴィ : ン!(同じようにむぎゅ!コリンを挟んで、シュガーポップムーンのほうまでなんとか届く。)

シュガーポップムーン : (シュガーポップムーンに痛覚は無い。だから痛い思いをするかもしれない二人に対して、出来る事は全部しておきたいのだ。)(本当の痛い感覚はわからないけど、理解はできるから。)

シュガーポップムーン : えへへ~っ ぎゅ~っ!(コリンを挟む様に腕を伸ばして。)

ハーヴィ : (ぎゅ、の前に端末を外して枕元に置いていた。くっついてぶつかったら痛いから。だからもう言葉は伝えられないけれど。)

コリン : へへっ、あったかい!(それは体温のことだけではなく)(こうしてぎゅうぎゅうに一つのベッドに収まることが出来る事自体が)(温かかった。)

ハーヴィ : ~! (嬉しそうに小さな声を漏らす)


ハーヴィ : (もっともらしい嘘をつく鼓動もどきが今日も跳ねている。『生き物にみせかけるため』。けどそれが弾む理由は、やはり嘘がない。)

ハーヴィ : (──嬉しい!)

シュガーポップムーン : はいっ!(暖かい方へと頭を寄せて、嬉しそうに返事をする。)

ハーヴィ : (にせものの体温とほんものの体温の境目なんて、きっと誰にもわからない。)


ハーヴィ : (頭を寄せる。ちいさくおやすみに変わる声を上げ、暖かな感覚に、やがて制御不能の機能低下。段階的なスリープモード ……いわゆる、眠気の訪れ。)

ハーヴィ : (心地よさそうな、寝息が聞こえ始める。)

シュガーポップムーン : ふふっ…… (息の様な笑みを零して、ぽん、ぽん、と、コリンの身体を叩き始める。)

シュガーポップムーン : (おやすみなさい、を囁いて、きっと二人が眠りに落ちるまではそのまま。)

コリン : (鳴る心音に耳を寄せる。)(柔らかな振動に身体を預ける。)(片手ずつ、二人の手を勝手に握って)


コリン : おやすみ、ハーヴィ……シュガー、……(そのまますぐに寝息を立て始めた。はしゃいでいた少年も、意思の高ぶりが収まってしまえば、すぐに眠気がやってきたらしい。)

シュガーポップムーン : はい、おやすみなさい、 コリン様、ハーヴィさん……

ハーヴィ : (返る言葉はないけれど。寝言のようにちいさく幸せそうに喉を鳴らした)

シュガーポップムーン : (しばらくふたつの寝息のリズムを聞いた後、自分もスリープモードに入る。)


シュガーポップムーン : (きょうも、あたたかい。)






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