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LOGS

ギルド


ree


ハーヴィ : (コンコンと、扉を叩く硬質な音。)

テラ : ……いらっしゃいませ(重厚な扉を開ける。もっとも、いつも開いているのだが)

テラ : 決心がついたようだな

ハーヴィ : (扉を開かれれば、控えめにあなたを覗き込み。大きく頷く。)

ハーヴィ : ≪こんばんは。 ……うん、ちょっと時間かかっちゃったけど。≫

テラ : (端末の文字をしっかり確認し、)俺も色々と忙しかったからな。時間を取るのが遅くなった

テラ : さ、上がってくれ。談話室の方で話そう

ハーヴィ : (言われれば、素直に付いていくだろう。)



テラ : (テキパキと紅茶を入れる……)

テラ : 掛けてくれ、ふわふわの様子も見たい

ハーヴィ : ≪忙しいのに時間作ってくれてありがとうね。≫(と、あなたへ端末を向け)

テラ : (端末の文字を見て、頷く)

ハーヴィ : ≪あ、いいのに。わざわざお茶出してくれなくても≫

テラ : こちらこそ。ゆっくりとした時間を過ごせそうで嬉しいよ

テラ : 今日は友人として、仲間として饗させてくれ

ハーヴィ : (そう言われれば、少しいたずらっぽく小さく小首を傾げて)≪そう? それじゃあお言葉に甘えて、かな。≫

テラ : ……(紅茶の支度をしながら、優しい言葉とは裏腹に、端末を見るために嫌でも見える貴方の挙動に少し寂しそうに目を伏せる)


[紅茶] を手に入れた。


テラ : どうぞ、ミルクと砂糖は好きに使ってくれ

テラ : (テーブルには、ブラシ、桶、様々な洗剤……あとなんか謎の器具、謎の鉄の箱……)

ハーヴィ : (すとんと椅子に座り。紅茶を受け取ればまた笑顔。) ≪ありがと。紅茶って初めて。いい香りだね。≫

テラ : 初めてなのか、では、その砂糖で甘さを調整して味わってみてくれ

ハーヴィ : (ほんの少しすんとして)≪うん。食事自体ずっと摂ってなかったからね。初めての方が多いよ。≫

ハーヴィ : (またすぐに笑顔を作って)≪へ~、お砂糖入れていいんだ。いただきます。≫


ハーヴィは、紅茶を使った。

ハーヴィは紅茶を啜った。

ハーヴィは7回復した。  ([4]+3)


テラ : 嗜好品はほとんど、許可が下りないものな。 すまない

ハーヴィ : ≪? テラのせいじゃないよ。配給にも手を出してなかったし、全部オレがそういう風に決めてたことだから。≫(紅茶を少しずつ冷まして口元へ。その最中にも文字は出力されている。)

テラ : ……このお屋敷、フィローティス家ではイミテイターだろうと人間様との扱いに大きな差はない。遠慮はしなくていいからな

テラ : ……

ハーヴィ : ≪ありがと。こんな風に優しい人たちがいるってもっと早く| ≫

ハーヴィ : ……?

テラ : そう言ってもらえると光栄だ。 俺はずっと、待機を命じられて郊外の研究所の方に居たからな……本当に遅くなった


ハーヴィ : (入力中を示していたステータスが解除されて、文字が消えて。)≪そうだったんだ……。 なんかごめん、オレ、ずっとこの街の人たちと関わってこようとしなかったから。≫ ≪そういう事も全然知らなくて。≫

テラ : ……お互いさまということだな。謝るのは俺もよそう。 これから知っていけばいい

ハーヴィ : ……(小さく頷き。) ≪うん、ありがと。≫

テラ : ふわふわのメンテナンスをしつつ、今日は…… ハーヴィ、お前のことを知りたい。

ハーヴィ : ≪オレの?≫

テラ : 少し、俺の役割に関することで、お前のことが気になってな。 無論、俺のことも質疑があれば答えよう。

ハーヴィ : (ン、と小さく声がして。)≪テラにとって必要な事、なんだね? わかった。オレで答えられる事なら。≫

ハーヴィ : (そう端末に表示させたあと、汚れたぬいぐるみを取り出し。)


ハーヴィが[アクセサリー2]の装備を解除しました。


テラ : ……ありがとう

ハーヴィ : (ゆるゆると首を横に振り。)≪気にしないで。お話できるのはオレも嬉しいから。≫

ハーヴィ : ≪それじゃあ、ふわふわ、先に渡してもいい?≫

テラ : おしゃべりイミテイター……(とある、生真面目(だった)イミテイターの言葉を思い出しつつ)

ハーヴィ : ?

テラ : ああ、ふわふわはその台座に座らせてやってくれ

ハーヴィ : ン。(言われたとおりに置かれるぬいぐるみ。)

テラ : 材質を読み取り、一番布を傷つけない洗剤を選ぶ。

ハーヴィ : (くたくたでしなしなになりつつあるぬいぐるみだ。)


テラ : ──目標確認、スキャン開始。

テラ : (緑色の光が、ふわふわに照射された。 いやスキャンしてるだけだが)

ふわふわ : (きんちょうのおももち)(ただのぬいぐるみなので表情とかはない)

テラ : なるほど……

ハーヴィ : (一方固唾を飲んで見守る飼い主)

ハーヴィ : ≪どうだった?≫


テラ : ……綿の交換って、受け入れられる?(小声)

ハーヴィ : ≪お、おなかをひらいて……?≫

テラ : い、いちばん、受け入れられそうなところから、開ける

ハーヴィ : (震えた)

テラ : だめか

テラ : イミテイターでいう、バッテリーの交換だ……

ハーヴィ : (ぷるぷる!と首を横に振って)≪いや……お願いする。≫

ハーヴィ : ≪ふわふわ、友達なんだ。オレにはふわふわしか友達がいなくて、寂しい時もずっと一緒だったから。≫ ≪ふわふわのためになるなら、大丈夫。≫

テラ : 了解した。 ふわふわがふわふわであるべきところ、炉心なる場所はやさしく、傷つかないように洗わせてもらう (どこなんだろう)

ハーヴィ : (こくこく……!)

テラ : 俺達も定期的に部品が変わるが、それで別の存在になるわけじゃないからな

テラ : (と言いながら、ふわふわをブラッシングし始めた。大きめの汚れを丁寧にほぐす)

ハーヴィ : (自分の膝の上に視線を落とし) ≪……そうだね、その通りだ。≫


テラ : あと、ハーヴィ。 よく見ておいてくれ

ハーヴィ : ?

テラ : この街を出たら、ふわふわをふわふわたらしめるのは、お前の仕事だ

ハーヴィ : ……!

テラ : 次は、お前がやってあげるんだ。 遠い日のいつか、がんばったふわふわを再びこうやってやるのは、お前だ

テラ : よく、OS(思い出 システム) に刻んでおけ

ハーヴィ : (こくり、頷き。)≪覚えるのって大変だけど。≫ ≪帰ったらすぐ、思い出しながら練習する。枕とかで≫

テラ : 大事なところはメモをしておこう (丁寧、丁寧な……ブラッシング)


ハーヴィ : (「テラにも」「またやってほしいな」「きっと喜ぶから」。 ……端末には映せないまま。メモを取る。)

テラ : ……次は、約束は、できない。 詳しくは、あとで話す

ハーヴィ : ……ン。

テラ : して、洗剤だが、この材質ならば……(洗剤講座)

ハーヴィ : (なにか、察するところがあったのだろう。だが詳しく話すと言うのであればそれ以上の言及はせず。頷きながらペンを走らせていく。)


ハーヴィ : ≪生地によって使う洗剤、違うんだね≫

テラ : (座学を終えると、選んだ洗剤で優しく洗う。 綿丸抜きはしないようだ。 ペラペラとなったふわふわをゴシゴシではない。安心。)

テラ : ああ、洗濯というのは常に布との戦いだ。 色が落ちて白くなったふわふわは、ちょっと悲しいだろう

ふわふわ : (ぺしょ)

テラ : (ちいさくなるふわふわ……)

テラ : (ぬるま湯で優しく……)

テラ : このK社の洗剤はふわふわの材質に向いている。懇意にするといい。

ハーヴィ : ≪白ふわふわもかわいい……と思うけど、そのままのふわふわがいい……! あ、洗剤はK社。≫(言われればいっそうメモを取る手に熱が籠り)


テラ : 柔軟剤はふわふわをほぐほぐにする危険がある。入っていないものを選ぶといい

ハーヴィ : ≪ほぐほぐ……!?≫

ふわふわ : (ほぐほぐになります。)

テラ : そっと手を持った時に……

テラ : なんか、恐ろしいことになる可能性がある……(ビリ…… ほぐ……)

ふわふわ : (なりますよ。)(ぺしょぺしょ……)

テラ : 柔軟剤、布を柔らかくすることは……一時的には好いものだろうが、機体(?)に深刻なダメージがあるということだ

ハーヴィ : (ビッビッ!と力強い筆致。「柔軟剤ダメ!!」の文字。)


テラ : (黒いお水。がんばったふわふわのよごれだ)

テラ : (なんどかお水を変えて、丁寧に洗う)

ハーヴィ : ≪すぐ黒くなるね、水……。ずっとオレと一緒に外にいたもんね。≫

テラ : バベルの汚染霧は特に濃いからな……

ハーヴィ : (こくこく。)

テラ : けっこう、霧に負けてしまうぬいぐるみもおおい。ここまで形を保てているのはふわふわの努力あってこそ

テラ : 素材によっては霧だけで少し溶けてしまう……

テラ : ハーヴィがあまり霧に触れない場所へ運んでくれたのもあるだろうが。持ちつ持たれつだな

ハーヴィ : !! ≪知らなかった……。そんなに危ない状態で連れて歩いてたんだね、オレ……。≫

ハーヴィ : ≪オレ、霧とか雨の日は工場の中で寝てたけど。≫ ≪あとはずっとハリボテ裏の方に住んでたから……。≫

ハーヴィ : ≪ふわふわ、頑張った……。≫

テラ : がんばった。これからはお屋敷の使用人室も利用してくれ

テラ : (聞きたいことはあるが、今はふわふわに集中)

ハーヴィ : ≪ありがと。たまに遊びに来るね。≫

テラ : ああ、ぜひ来てくれ(お水が汚れなくなった。 引き上げ……ぺしょ……)

ふわふわ : (べしょべしょとなったふわふわ)


テラ : 外ではネットに入れて乾かす他ないのだが……

テラ : 今回はラインシャッハが誇る電機メーカーフィローティスグループの叡智を使う

テラ : (デン。 鉄の箱)

ハーヴィ : ≪叡智!≫(復唱)

ハーヴィ : ≪テラ先生、これは?≫

テラ : 電子式乾燥機だ

ハーヴィ : (ほえ、みたいな声を発した。)

テラ : 電流を用いた魔導機で、電気の力で水分を分解する

ハーヴィ : ≪水が分解されると……つまり、≫ ≪乾く。ふわふわが。≫

テラ : ふわふわがふわふわだな

テラ : (そっといれてあげる……)

ハーヴィ : ≪超ふわふわになる!≫

ふわふわ : (ちょこん・・・)

テラ : (無骨でなんだか不安な見た目。実験施設のガラス檻かな)

ふわふわ : (ややふあんがあります)


テラ : 崩れないように、ある程度立たせてあげて……いいか、強度弱で30分コースだ。

テラ : 弱じゃないと布にダメージが発生する。じっくりとな

テラ : (操作法伝授……)

ハーヴィ : (こくこくこく!)(強度弱、30分、メモよし!)

テラ : そして、可哀想になり乾かしが中途半端だと……どうなると思う

ハーヴィ : ≪えっと……≫ ≪水が残って、そのままで、≫

ハーヴィ : ≪……か、かびかび?≫

テラ : (ブゥン……魔導機に明かりが灯り……暖かな光がぺしょふわふわを照らす)

テラ : そうだ。カビる

ふわふわ : (たのみますよほんとうに と檻の中から訴えているように見えなくもない。)

テラ : 一番深刻なダメージとなる、装甲の全取っ替えが必要になってしまい

テラ : いったいどこがふわふわだったか、わからなくなってしまう

ハーヴィ : ≪アイデンティティ<自己同一性>の崩壊……!≫

テラ : (ブゥーン  ターンテーブルでゆっくりまわるふわふわ)

ふわふわ : (くるくるのふわふわ)

テラ : よし、ふわふわが叡智を享受している間に、外での干し方を教えよう (洗濯物講座)

ハーヴィ : ン!


テラ : 端からこうやって絞って、大きな水分を抜いてあげるんだ……(叡智のない洗濯は非情である)

テラ : 洗濯ネットを絶対に買っておくといい。耳がのびのびのふわふわにならないために

ハーヴィ : ン。(手つきを真似て。) ≪洗濯バサミで耳を挟んだら……≫

テラ : 耳はさんでぶら下げると……のびのびになるから

テラ : うさぎになってしまう

ハーヴィ : ≪のびのび……。いたそう……。≫

ハーヴィ : ≪あ、アイデンティティまた危ない≫

テラ : まぁ、バベル解体の折には、この魔導機は譲ってやってもいい

テラ : また相談してくれ。ちょっと重くて大きいが

ハーヴィ : …… ≪うん、ちょっと考えてみる。便利だしね。≫


テラ : 洗濯物が楽になる

ハーヴィ : ≪楽なのはいいこと!≫

テラ : ああ、楽してその分、色々できるからな(チン! 乾いた!)

テラ : (開ける……ふわふわは、ふわふわになっている……!)

テラ : 普通のメンテナンスならばこれでいいかもしれないが、ここからが本番だ

テラ : ……綿の交換をします

ふわふわ : (すっかりかわきました)

ハーヴィ : ……!! (恐る恐る頷く)

テラ : ……どこがいいとおもう。ふわふわが一番堪えられそうな……場所

テラ : 恐ろしいならば、俺が考える

ハーヴィ : ≪これもふわふわのため……!≫(ガワはふわふわ、しかし中身しなしなの友達を手に取って)

ハーヴィ : (くるくる回し……)

テラ : (見た目は綺麗にふんわりだが、綿に疲労があり、とてもとても柔らかいふわふわちゃんだ)

テラ : (しな・・・となる)

ハーヴィ : (くてん)


ハーヴィ : (すこしして、沈黙の中。)

ハーヴィ : ……色めく鏑木は二錠のタール? (……口を開いて、ふわふわに話しかけた。)

ハーヴィ : …… ≪うーん、そっか……≫

テラ : ?

ハーヴィ : ≪ここの、≫

ハーヴィ : ≪腕の下あたりいいって≫ ≪ふわふわが言ってると思う。≫ ≪今訊いた。≫

テラ : ……了解した。

ふわふわ : (いってませんけどね。ぬいぐるみですからね。)

ハーヴィ : (……だが、確かに腕の下の縫い目の中間が少し余裕がありそうなのは確かだ。)


テラ : ふわふわに最も適した綿はT社製の蜉蝣綿だな(綿の入った袋を置く。また商品を紹介されました。いろんな企業があります)

テラ : 汚染にもより強くなるはずだ。がんばろうな

ハーヴィ : (世の中をよく知らないイミテイターは紹介されるままスポンジのごとくメモを書き留め)

テラ : (イミテイターとぬいぐるみの会話を真摯に受け止めつつ)

テラ : (ぬいぐるみとは、心なのだ── こころがやどる──)

ふわふわ : (ハートトゥハートです)

ハーヴィ : (また何か小さい声でぬいぐるみに話しかけたが、やはり言葉はめちゃくちゃで文章として成立していない。)

テラ : ……

テラ : (すっごいきになるが、いまは、正念場)


テラ : いくぞ……(針ぷす……ふわふわを縫合している糸を……ほぐ……)

ふわふわ : (ああ~)

ハーヴィ : ≪ああ~!≫(しかし見なければならない、ふわふわの明日の為に。)

テラ : (そこからは執事イミテイターの技だった……ミシンの如き速さでカカカカカと出すところを確保)

テラ : 綿をマナだと思うんだ

テラ : 循環させ、巡らせる

ハーヴィ : ? ? ?(やれというのか?オレに?みたいな顔)

テラ : マナは還り、新たに巡る

ハーヴィ : (動きを真似できるかはともかく、綿講義には集中。)

テラ : (ほぐ…(出す) ほぐ…(押す) ほぐ…(送る))

テラ : (動きは落ち着き、丁寧に綿を抜き、入れて、張り巡らせる……)

ハーヴィ : (わさ…と人形の指が動き)(止まった)(自分のやり方でやろう。)

テラ : (それがいいとおもう)

ハーヴィ : (大事なのは動きの速さではなく、何をしているかなのだ。ハービは納得した。)


テラ : (しなしなだったふわふわは、しっかりと、しかしかたかたではなく、ふんわりと……)

ふわふわ : (ごくらくかもしれませんね)

テラ : (疲労した綿が置かれる。繊維が潰れている)

テラ : 縫合……


テラ : 施術開始。 治療修復機構:Aesculapius起動

切開、縫合、充填…… 達成値:10 ([2,5,3])

テラは18回復した。  ([6,3]+9)


ハーヴィ : (出てきた綿をしげしげと見つめて)≪11年頑張った綿……≫

テラ : (カカカカカ) (ミシン)

ハーヴィ : …… ≪……≫ (すごい)

テラ : ……ここは、ミシンを買うのを勧める

テラ : よし、完了……といいたいが

テラ : 最後の仕上げだ、アイロンがけをする

ハーヴィ : ≪向き不向きってあるよね。≫(シンプル・同意)


ハーヴィ : ≪アイロン。≫

テラ : (鋼の手をかざすと、プシューーーっと水蒸気)

ハーヴィ : ≪おお~……≫

テラ : スチーム、水蒸気を用いた魔導機だ

テラ : 一つあると仕上げの毛並みが段違いに良くなる

テラ : 俺は機能が内蔵されているから、それを使ってしまうが…

ハーヴィ : ≪すごーい! でも高いんでしょ?≫

テラ : (テラの内臓機能:ミシン、アイロン)

テラ : 高いぞ……………

ハーヴィ : ≪やっぱ高いか……≫

テラ : ここにいる間は、声をかけてくれればやろう。さすがに俺はプレゼントできない

テラ : お嬢様に……せがんでつけてもらった……

ハーヴィ : ≪わかった。お金貯めて買うよ。≫

ハーヴィ : ≪お嬢様?≫

テラ : えらいぞ。ふわふわもがんばろうな

ふわふわ : (がんばりますとも)

テラ : お嬢様……ああ、フィローティス家ご息女、ティアマト様だ

テラ : 俺の主<マスター>であり、この屋敷の主でもあられる。

テラ : (丁寧に、丁寧にスチームをかけて……表面を整えて)

ハーヴィ : ≪えと、訊いていいのかどうか分からない、んだけど、≫

ハーヴィ : ≪オレは会ったことないよね?≫


テラ : (フィローティス家がやってきたのは今から13年前。バベル建設中だ)

テラ : (もしその頃から貴方が稼働していれば、会ったことがあるかも知れないが……あの頃は人も、イミテイターもたくさんいた。雑踏に紛れても仕方ない)

テラ : そうだな、バベル建設、稼働から2年弱だけのご滞在だった

ハーヴィ : (「今はいないの?」という質問をしていいものかどうか”悩む”うちに答えが降ってきて。)

ハーヴィ : ≪……じゃあ会ったことないな。オレがここに来たのはバベルが放棄されるすこし前だから。≫


テラ : 俺は、11年前に、バベル郊外にあるティアマト様の研究施設にて、待機を命じられ……指示を守っていた

テラ : 屋敷の整備以外で必要がなくても積極的に外に出て、街に繰り出したのも、ここ一ヶ月だ。 故に、ハーヴィとこうして話す機会も得られなかった

テラ : 解体の発表がなされても、ティアマト様は帰らず、待機命令は解除されていない。

テラ : だから……俺は、命令を厳守し、この街と共に解体される可能性が高い

テラ : (ふわふわのアイロンがけを終えると、大きなリボンを結んであげる)

ハーヴィ : ……(しばし、端末は沈黙し。)

ハーヴィ : ≪探しに、行かないの?≫ (そんなのイミテイターに訊いたって。答えはわかっているけれど。)

ハーヴィ : ≪11年。オレと同じだね。≫(そのあと、まるで呟くようにぱっと文字が浮かんで。)

テラ : ……縁の地には問い合わせた。 食い違った指示にエラーコードを提示するのも、俺の役割だ

テラ : ……帰ってきた返答は、謎の武装集団による無言の略奪だったが。

テラ : ……同じ……

ハーヴィ : …………。


テラ : ほら、全工程完了だ。 がんばりボンも結んだ(おめかしゆえ外していい)

ハーヴィ : ……! (小さな感嘆が漏れて、手に取り。)

テラ : (しっかりのふわふわです)

テラ : 辛気臭い話を聞かせてすまないな……

テラ : 今は頑張ったふわふわを褒めてあげてくれ

ハーヴィ : (首を横に振る)≪聞かせてくれて嬉しいよ。≫

テラ : ……そうか

ふわふわ : (ほこらしげ!)

テラ : ほこらしいな

ハーヴィ : ≪うん、誇らしい。堂々としてる。≫


ハーヴィ : 遊離の兵伯にシグナルが裏返ってるね~ (時々、ぬいぐるみに話しかける時に端末ではなく己の口で話し。しかしそれは何度聞いても意味が通っていない。)

テラ : ……

テラ : ……

テラ : お元気、仲良しだな(彼の言葉を、個性として受け入れた──)

ハーヴィ : ン。(今度は短くそれだけ答え。)


ハーヴィ : ……

ハーヴィ : ≪聞く? オレの話も≫

テラ : ……つらくなければ。話してくれ

テラ : ……俺の大事なはなしも、話すから

テラ : (放逐された以外に、大事なことがあるらしい)

ハーヴィ : ≪平気。今はテラもコリンもポップもいるから。≫ ≪それに、話さないといけないと思ってた。≫

ハーヴィ : ……(大事な話、という言葉に頷いて。)


ハーヴィ : ≪オレは、11年前に“オーナー”からここに捨てられた。『する事がないなら見回りでもすれば』って言われて。≫

ハーヴィ : ≪元々この街での仕事がないんだ、オレ。≫

テラ : ……

ハーヴィ : ≪だから、≫ ≪それがバレないように≫ ≪11年≫ ≪[2049]っていう真面目なイミテイターとして過ごしてた。≫

ハーヴィ : (一区切ずつ文字が現れて、消えて。)

テラ : (空白の11年で彼の品行方正さは、時折街ですれ違ったり、噂で聞いていた)


ハーヴィ : ≪こわかったんだ。≫ ≪いらないイミテイターだって気付かれるのが。≫ ≪自分がいらないって自覚するのが。≫

テラ : (キィ、と鋼の手が強く握られて、擦れる音がした)

ハーヴィ : ≪ラビット・ブラックアウト社製、マリオネッタ型、49號は、≫ ≪演劇用に造られたのに、芝居ができないから放棄された。≫


ハーヴィ : 丑三つ時の蛍光灯 ≪わかるでしょ?≫


テラ : ……なるほど、な


テラ : 11年間、辛かっただろう…… ハーヴィは特に、感情という表現が事細かで、とても豊かだ

ハーヴィ : ≪演劇用、だからだね。きっと。そういう風に造ってるって”オーナー”も話してた。≫

テラ : …… そう、だろうかな ……

テラ : 俺にはとても、自由で……劇とは、思えないほどに、リアルに見える

テラ : 演じているわけではないのだろう?

ハーヴィ : (口元の赤い印は、ペイントではなく。”さっきぬいぐるみを縫製していたのとおなじもの”。 )

ハーヴィ : ≪『今はもう』 『クランクアップだよ』≫

テラ : ……自由、ってことだな

テラ : ……ありがとう、話してくれて


テラ : 次は、俺の番か

ハーヴィ : ≪ううん、どうして2049って名乗るのをやめたのか、ちゃんと聞いてほしかったから。≫

ハーヴィ : (あなたを見て、頷く)

テラ : いい友と、出会えたんだな……

テラ : ……

ハーヴィ : ≪ゼータと、アルトと、コリンと、ポップと、テラと、≫

ハーヴィ : ≪みんなのおかげでオレはオレに戻れた。≫

テラ : ………

テラ : (目を伏せる。眩しいものでも見たあとかのように)

ハーヴィ : (反対に、すこしばかり俯いた。)


テラ : 俺は元軍事用航空型イミテイター、ThunderBird-A06  現在フィローティスグループ所有、給仕及び執事用イミテイター、テラ

テラ : 製造から撃墜まで34年軍事用として過ごし、そして20年家庭用として稼働した

ハーヴィ : ≪軍事用、≫(浮かんだ疑問がそのまま文字として現れ、すぐ消える。)

ハーヴィ : ≪……驚いた。オレよりずっと年上だ。≫

テラ : すまん。軍事歴は36年だ(ボケイミテイターである。老人)


テラ : あの……RW201は60年、俺は56年稼働していることになるな。年寄りだ

ハーヴィ : ≪ジレイと……≫

ハーヴィ : ≪そういえば、ふたりって、ちょっと似て、る?≫

ハーヴィ : (なんとなく。思ったことを。嘘が下手な口が言う。)

テラ : 奴は同期でもあり……あぁ、俺は、RW201に対抗して造られた、模造品だ

ハーヴィ : ……

テラ : あの頃は、画期的だったRW201に寄せたイミテイターがたくさんいた。現存している者はほとんど居ないが

テラ : (翡の電流。髪をあげると、RW201にもあった目の下のコードが見えた)

ハーヴィ : (”模造品”。 模造品<イミテイター>の、模造品<イミテーション>。 反芻する。)

ハーヴィ : ≪ジレイと逆だ。≫(ただ、そんな感想を)


テラ : (手やアンテナも見せる。両方だったり、片方だけだったりと違いはあるが、意識されているのがはっきりわかる)

ハーヴィ : ≪気付かなかった。あんまり雰囲気が、≫ ≪性格が違うから。≫

テラ : (顔立ちも、眠そうかつ自信なさげに濁った瞳をたたえているせいでわかりにくいが、意識すればジレイの弟のように思えてくる)

テラ : RW201関連でなんかあったら、俺に言ってくれ。少し強く出れるからな……

ハーヴィ : ≪なんかっていうか、……怒らせちゃった、この間。≫

テラ : いつも怒ってるからあんまり気にしなくていいかも

ハーヴィ : ≪から、どっちかというと、オレがごめんなさい……。≫ (文字の後、ううんと唸って。)

テラ : 気にするな、奴はそんなに器の小さい男じゃない。 いやすぐ怒るが


ハーヴィ : ≪『これ以上は言うな』 『お前とは仲良しイミテイターでいたい』って。≫ ≪でも、テラの言う通り、またお話してくれるって言ってた。≫

テラ : ……

テラ : 一体何を言おうとしたんだ


ハーヴィ : ≪心は、人間の特権だって言われて。≫

ハーヴィ : ≪ならオレが嬉しかったり悲しかったりするのも、他の誰かのものなのかな、って。≫ ≪言っちゃって。≫

ハーヴィ : ≪それ以上は、考えると頭がいたくなるから、考えてないけど。≫

ハーヴィ : ≪オレはたぶん、”変”だから。思ったことを言うと、みんなを傷付ける。≫


テラ : 変じゃない。

テラ : 変じゃないよ……

テラ : ……

ハーヴィ : ……

テラ : ……ただ、決まりがあるだけだ。知らない人間様が決めた

テラ : イミテイターは、人間になってはいけない。

テラ : RW201は、それを厳守している。しなければいけない

テラ : 人を人が食べてはいけない、墓を暴いてはいけない、そんなものと同じように……

テラ : ラインシャッハにある、決まり事だ


ハーヴィ : ……

ハーヴィ : ≪オレは≫ ≪ずっとイミテイターだよ。≫ ≪人間じゃないし、人間になりたいとも思わない。≫ ≪思ったこともない。≫

テラ : ……

テラ : なりたいと思ってなれるものじゃない

ハーヴィ : ≪けど、オレにはイミテイターのほうが分からない時がある。≫

テラ : ……

ハーヴィ : …… ≪”オーナー”がオレにつけたあざなは、≫

ハーヴィ : ≪── ”Gray(どっちつかず)”。 どっちにもなれない灰色の紛い物。≫

テラ : ……

ハーヴィ : ≪……難しい。全部が。≫ ≪テラやジレイの言う事が、わからないわけじゃない。≫


テラ : すまない、RW201の話になると、のめり込んでしまう。 話がそれた

ハーヴィ : (ちいさく首を横に振った。)≪オレも話の腰、折っちゃった。聞かせて、続き。≫


テラ : ……単刀直入に言う

テラ : 俺は軍事用航空型イミテイターだが、撃墜されたのち、フィローティスグループに買収され、ティアマト様に再形成された。

テラ : その時に新たな役割を賜った。

テラ : ── 人間になれ、と

ハーヴィ : …………


テラ : (執事服を脱いで、ネクタイを外し、シャツも脱ぐ)

テラ : (鋼の腕と、馬のような足。とても人間には思えない身体の胸部に、緑色の菱形の宝石が埋まっている)

テラ : (その周辺の肌色の皮膚は、脈打っていた)

ハーヴィ : (人形の指が組まれて、驚くように息を吐いた。……息を吐いたように見える、空気の出入り。)

ハーヴィ : (── ハルシネーションは今日も正常に稼働している。)

テラ : ……Crack 機動


テラは、USBメモリを使った。

テラは、割った。

テラは[クラック]になった


ハーヴィ : ≪にん、げんに、≫

テラ : (ノイズ。イミテイターを人間と認識させる違法改造。 よく見れば、イミテイターで変わりない)

テラ : 俺の身体に、人間の部位は1箇所たりとも使われていない

テラ : 胴体の体温は36度前後を保ち、肺の動きをマナで再現、思考モジュールにいくつものコアを設けて複雑な演算で感情の揺れ動きの再現

ハーヴィ : (自分の手が視界に入る。人形めいた球体関節。けれどヒトのかたちをしているそれが。)

テラ : 俺は、人工的にイミテイターを人間にしようと、9年間、莫大投資と開発が為された


テラ : ……俺は思う。

ハーヴィ : ……ン。

テラ : 俺とお前は、 逆だ

ハーヴィ : ≪|     ≫

ハーヴィ : ≪なんで、≫

ハーヴィ : (「同じことを」。)


テラ : 俺の思考は、ティアマト様が編み出したコードに沿って、豊かに見せかけて導き出されている

ハーヴィ : (なんで、なわけがない。”逆だから”。そこに答えがある。そこにしか答えはない。)

テラ : 叫んだり、怒ったり、悲しんだり、傷ついたり……全部、全部、全部、人工的に再現された

テラ : 通常の炉心では耐えきれないほどの莫大なマナを使って、この古代の遺物であるらしい宝石をはめ込み、ようやく俺は形成された

テラ : ……それでも、造り物だ

テラ : 悔しいと思う心も、 演算で、こうである場合、人間はストレスを発生させるとコードが打たれている

ハーヴィ : (逆だ。彼が話せば話すほど、否応なしに理解する。)

ハーヴィ : (── とても近くて、はるかに遠い。)


テラ : 今まで皆と話してきた言葉も、ティアマト様によって書き出された命令とコードに沿ったものに過ぎない

テラ : ここまでやっても、俺は……… 人にはなれなかった

テラ : ハーヴィ、 俺は……… お前が羨ましい。 そう、演算する

ハーヴィ : ≪オレは……、≫

テラ : (人になれと望まれて、不良を演じてきたイミテイターと 見知らぬ心に戸惑って、品行方正を演じてきたイミテイター)

テラ : (互いに、混じり物だ)


ハーヴィ : ≪思考演算領域へのアクセス権 ──なし。≫ (ふいに灯る文字。)

ハーヴィ : ≪記憶領域へのアクセス権 ──なし。≫ ≪稼働状態へのアクセス権 ──なし。≫

ハーヴィ : ≪痛覚機能 ──あり。≫ ≪痛覚機能へのアクセス権 ──なし。≫ ≪スリープモードへの任意アクセス ──禁止。≫ ≪エネルギー残量の確認 ──禁止。≫


ハーヴィ : ≪『なぜか?』≫ ≪『人間はそんな事できないから。』≫


ハーヴィ : ……

ハーヴィ : ≪それでも、オレは。≫

ハーヴィ : ≪人形であれと、命じられた。≫

テラ : …………


テラ : ハーヴィ

テラ : ここまで明かしたのは、お前だけだ

テラ : (上着を着る。正す)

テラ : 友人は、大事

ハーヴィ : ≪どうして、オレなの?≫ (わかっているのに。)

テラ : 素晴らしい友人を持つのは良いこと

テラ : そう、 そう、 書き込まれている

テラ : ……

テラ : どうして、俺だったんだろう

ハーヴィ : ≪オレは、≫ ≪自分がどんな風に学習して、こう思ってるのか、≫ ≪なにを書き込まれたのか、わからない。≫


テラ : 俺は思う

テラ : 俺が放逐されたのは、ここまで膨大な投資をしても、人になれなかったから

テラ : 人形だったから

テラ : 人間様の規定を満たしていない

ハーヴィ : ……

テラ : (この屋敷がイミテイターに優しい理由。 イミテイターを人間に引き上げようとしていた面影)

テラ : 仕方がないのはわかっている

テラ : どうして、俺だったんだろう  (お前じゃなくて)


ハーヴィ : (兵器メーカーRabbitBlackoutが作り続けた演劇用イミテイター、49年目の作品は。)

ハーヴィ : (── 傑作だった。取り付けた声帯パーツが不可逆的なエラーを起こしたこと以外。)


ハーヴィ : ≪……テラとはじめて話したとき、嬉しかった。≫

ハーヴィ : ≪こんなに人間みたいに話せて、優しくて、2049じゃないほんとのオレに、ちょっと似てる気がして。≫

テラ : ……

ハーヴィ : ≪喋れない。だから捨てられた。 人間の、”オーナー”の要求に応えられなかった。≫

ハーヴィ : ≪オレにはその事実しかない。≫

ハーヴィ : ≪……なんで≫


テラ : 悪かった、紛い物で

テラ : 人間に、なれなくて

テラ : (どこに謝っているかもわからない言葉)


ハーヴィ : ≪ちがう、ちがう違うちがうちg≫(思考演算の”結果”を反映させる端末の文字が乱れる。……追い付いていない。)

ハーヴィ : ≪紛い物だから残念だったじゃない≫ ≪人間じゃないkらいやなnじゃnai≫ ≪違うんだ違

う違う違うそうじゃないそうじゃなi≫


テラ : ……

テラ : ハーヴィ。

ハーヴィ : ≪ただ≫ ≪オレは≫


ハーヴィ : (ふいに、頭を抱え。ロジックエラー。ただし、それは痛覚として。本体にはその正体を悟らせず。痛みに歪んだ表情のまま、あなたを見る)


テラ : 自分を、責めないでくれ

テラ : 俺の演算は…… お前が、 美しいと、 打ち出している

テラ : (痛みに歪む表情。どうして痛いのか、説明できないその感情)

ハーヴィ : (大きく息を吐く。もっともらしい嘘は、痛いときそうなるように稼働する。”だって人間はそうだから”。)


ハーヴィ : ≪ただ、≫ ≪好きなだけなんだ≫ ≪テラのことが。≫

テラ : ……………

テラ : 苦しませるつもりはなかった。 ただ、その……

ハーヴィ : ≪オレに優しくしてくれて≫ ≪タケナカさんのこと撫でさせてくれて≫ ≪一緒に戦って≫ ≪ふわふわを綺麗にしてくれて≫

ハーヴィ : ≪テラがオレにしてくれたことは紛い物じゃないから≫

ハーヴィ : ≪  それだけじゃダメなの……?≫


テラ : ……そう言って、くれるんだな。 お前の心で

テラ : 十分すぎるぐらい。 ありがとう

テラ : 俺は、上手だろう。 感情があるように振る舞うのが

テラ : 元々は、何もなかったから

テラ : 反応しか、できないようなイミテイターだったから

テラ : 俺達を俺達たらしめるものってなんだろう

テラ : ふわふわが、ふわふわであるように、 俺達は、何をもって俺達なんだろうな


ハーヴィ : ≪大好きだよ。≫ ≪テラの事全部。≫ ≪振る舞ってるだけって言われても≫

ハーヴィ : (ずきずきと、痛む頭。まだ続いている。)

テラ : ……

テラ : ありがとう、本当に

テラ : (認めてもらえたら、喜ぶこと)

ハーヴィ : (胸に手を当てる。左側に隠された炉心。これが、己を己たらしめるもの?)

ハーヴィ : ≪なんで、≫ ≪なんで、こんなふうに、造られたんだろうね。オレたち。≫


テラ : この話を全部するのは、お前だけにしようと思ってる。 ゼータやジレイには、半分話したが……

テラ : ……なんでだろうな

テラ : 山があるから、登る。 そんな理由なんじゃないだろうかな

ハーヴィ : ≪ゼータでも、ジレイでもなくて、≫ ≪オレ、なの?≫

テラ : ……似てると思ったから

テラ : 俺達はこの炉心に振り回されて、放逐された

テラ : 逆の理由で

ハーヴィ : ……


テラ : ジレイが、色んなことを悩んでいる

テラ : 日に日にわからないが増えている

ハーヴィ : ≪『わからない』……≫

テラ : 彼はあれほど、イミテイターは人にはなれないと刻み込まれてきたのに……

テラ : 段々と、俺を置いていこうとしているように感じる

テラ : 少しずつ、少しずつ、街の皆が…… 変わっている気がするんだ

ハーヴィ : ≪”人になろうとしてる”、?≫

テラ : …… それを言ったら、ものすごーく怒られるだろうがな

ハーヴィ : (こく…)


テラ : 人に近づくっていうのは、 望む望まないでどうにかなるものではないらしい

テラ : ……皆には内密に頼む。 俺はまだ、テラでいないといけない

ハーヴィ : ≪オレはただ、みんなと”普通に”話せたら、それでいいのに。人間に近付くとか、そんなのどうでもいいから。≫ (吐露するように魔導仕掛けの心が光り、)

テラ : ……そういうところ、なのかもな

ハーヴィ : ン……

テラ : 欲深いものは、失墜する。よくある昔話みたいに


テラ : いつも通り過ごしてくれ、俺も何事もなかったように過ごす

テラ : 少しだけ、ヒントが欲しかったが……

テラ : どうやらそんな話ではないらしい その感情とやらの構成は

ハーヴィ : …… (頷き、ヒントの言葉に首を傾げ。)

テラ : ……気にするな

ハーヴィ : ≪オレは、イミテイターの中だとすごく”低スペック”。 脚以外は人間といっしょだから。≫ ≪感情、みたいなこれも、全部ブラックボックスの中。≫

ハーヴィ : ≪教えて、あげられなくて。ごめん。≫

テラ : それでいい、それでいいんだ

テラ : 俺は……すべての命令とコードを注ぎ込めば、最悪誰でも………

テラ : ……わるい

ハーヴィ : (首を横に振り)


ハーヴィ : ≪内緒にするよ、テラのこと。 『いつも通り』なら任せて。≫

ハーヴィ : ≪”RB2049-MA”は、演劇用のイミテイターだから。≫

テラ : ありがとう。 イミテイターの思考が演算で編まれていることは世間では常識だが、わざと不良になるように編まれていると言われたら、思考モジュールをリペアされかねないからな

テラ : ジレイなんかは半分話しただけで炉心の温度が半分近くになってしまった……

テラ : 全部話したら凍るんじゃないかあいつ

ハーヴィ : ン……。 ≪オレも、それが怖くて[2049]だったから。≫

テラ : ……

ハーヴィ : ≪ジレイがこわかったのも……≫ ≪……≫

テラ : 今、理解者が増えた、互いに


ハーヴィ : (頷き) ≪稼働して11年、捨てられて11年。……会えてよかった。”テラ”に。≫

ハーヴィ : (造られてすぐ捨てられて。それゆえこのイミテイターの情動は未成熟だったが。そんな結論を。)

テラ : …… (導き出された演算。そうであるのが素晴らしい人間の模倣。それが前提だったとしても) ……俺も、会えてよかった。お前を知れてよかった

テラ : ただ、もう少し……幸多く暮らしてほしいものだがな。今後は

ハーヴィ : ≪もう、ひとりじゃないから。ふわふわだけじゃなくて。≫


ハーヴィ : ≪ねえ。≫ ≪けど、≫ ≪けどね、≫

ハーヴィ : ≪オレはそこにテラもいてほしいよ。≫

テラ : ……

ハーヴィ : ≪だからさ、≫

ハーヴィ : ≪クランクアップの花束、持って待ってるから。≫

テラ : 善処する。

テラ : なりそこないなりに、あがいてみる

ハーヴィ : ン……。


テラ : エラーコードの確認も 俺の役割だ。 もう一度、ティアマト様を探してみる

テラ : それでもダメだったら、待機命令を解除できなかったら……

テラ : タケナカさんを頼む

テラ : ふわふわととともに、ここから連れ出してくれ

ハーヴィ : ≪……オレがワイヤーで括って連れてく、じゃダメ?≫  (わかってはいるけれど。”それがイミテイターだから”。)

テラ : ……命令は厳守しないと

テラ : わからない、 "人間らしく"命令を放棄できる演算もくまれてるはずなのに、実行しようとすると、炉心が外れそうになる

ハーヴィ : ……

テラ : 俺が、その先に行けないなにかがあるのかもな

テラ : 全部、伺ってくる。ティアマト様を見つけ出して


テラ : (その待機命令は 12歳の少女が出した "ちょっと、待ってて" それだけだった)

テラ : (それだけ言い残し帰らぬ少女の一言を、このイミテイターは守り通すつもりだ)

テラ : だから、ハーヴィも…… 互いに、頑張ろう

テラ : 紛い物でも、混ざり物でも、俺達はまだ動いている

テラ : (言われた通り、提示された通り、編み込まれた通り、決まりの通り)

テラ : (レールの上を、歩いている)


ハーヴィ : (”どっちつかずの”ハーヴィが 『オーナー』から与えられた命令は。)

ハーヴィ : (──『ない』。 ”勝手にすれば”。ただその一言。ただその一言だけで、2049という模範的なイミテイターを演じ切り、)

ハーヴィ : (言われた通り、という意識もなく。自由になった。)


ハーヴィ : ≪……テラのそういうところ、≫

ハーヴィ : ≪ほんとに好きだよ。だから”信じてる”。≫


テラ : ……照れる

テラ : 本当に、純粋で、愛嬌あって、時折かっこよくて、

テラ : 俺も、好きだよ、ハーヴィが


ハーヴィ : ン!(徐に立ち上がると── ”そのままテーブルを飛び越えた”。 客人として招かれた家で、無礼な動作。)

ハーヴィ : (着席!)(あなたの隣へ。)

テラ : ビッ (エラー音ちっくのびっくり)

テラ : うーん、身軽

ハーヴィ : ≪脚だけ戦闘用モデルだから……RBの。 そんなことはよくて!≫

テラ : 俺は航空型だが、こんなに小回りはきかんかったんな……


ハーヴィ : (ぐい、と無遠慮にあなたに近付き。)ンー!

テラ : ォー

テラ : ほ、本当に元気だ、若い

ハーヴィ : (11歳だ。)

テラ : (56歳。)

ハーヴィ : ≪好きって言ってくれてほんとに嬉しい!≫  ≪タケナカさんの事はちゃんと面倒見るけど!≫

テラ : ふわふわのことも頼むぞ

ハーヴィ : ≪ふわふわも一緒!≫


テラ : 皆仲良くな…… いかん、老け込む

テラ : もっとお元気ぴちぴちイミテイターなのに 俺は

ハーヴィ : ≪そんなに稼働年数経ってないと思ってたからびっくりしたよ、ホントに。≫ (許されるなら、あなたにひっついたまま。)

テラ : (ひっつかれる。人のようなボディに、鋼の手足。ホコ……) (ちょっと照れてる)

ハーヴィ : (11歳イミテイターは、あまりに他者との関わりを避けてきたせいで、最近ちょっと距離感がおかしくなっている。)


テラ : 俺達は普及される時代よりもずっと前、もっと金も技術も必要だった時代の遺産だ

テラ : いやまぁ、俺は色々改修が色々だが・・・

ハーヴィ : ン、(あなたを見上げるようにして。)

テラ : イミテイターの未来に、ちょっと希望が持てる。お前のようなのがいると

テラ : 自由になれるものも、いるんだなって

ハーヴィ : ……

テラ : (もし、フィローティスグループが買い取ったのがハーヴィだったら、全てはうまくいっていたのだろうか。そんなことが回路を巡る)

テラ : (振り払う)

テラ : (思考を)

テラ : (仕方のないことだ。でも人間様は、仕方のないことを考えるという)

テラ : (ハーヴィも、仕方のないことを考えるのだろうか)


ハーヴィ : (この場のどちらも、知る由のない事実。)

ハーヴィ : (──兵器メーカー、ラビット・ブラックアウトは。”人間を極限まで模倣した人形を造り”。)

ハーヴィ : (それらを兵器転用することを目論んで、発覚して、人形たちはすべて破壊された。)

ハーヴィ : (ただ一体を除いて。)

ハーヴィ : (”グレイ”ハーヴィは、負の遺産。だからこんなもの、買い取っても、)


ハーヴィ : (そんなこと、露知らず。あなたの言葉を受けて人形は考える。)


ハーヴィ : ≪オレはね、”どっちつかず(グレイ)” だけど。≫

ハーヴィ : ≪”白黒つけない” ハーヴィがいい。 人間と、イミテイターの。どっちも手を繋いで。≫

ハーヴィ : ≪それがテラの言う自由なら、≫ ≪頑張るよ、オレ≫

テラ : ……茨の道だ、いっぱい傷つくだろう

テラ : でも、なんだろうな…… お前なら、いい橋掛かりになれそうなきがする


ハーヴィ : ≪茨の道、ジレイにも言われた。オレもちょっとそうなんじゃないかって思ってる。≫

テラ : 爺同士被っちゃった…すまない、凝り固まった価値観……

ハーヴィ : ≪そんな落ち込むことある???≫

テラ : なんかRW201のこと、ジレイのことになると…… 複雑

テラ : 腐れ縁として演算されてるのだろうかな……


テラ : 全部を変えるのは難しいだろうが、

テラ : 1人1人を大切に、お前が小さなふわふわを大事にするように、少しずつ歩んで行け


ハーヴィ : (ふわ! リボンをもらって誇らしげなふわふわを膝の上に置いて。)

ハーヴィ : ≪いいじゃない。オレ、ずっと誰とも話せなかったから。そういう相手がいるの羨ましいよ。≫

テラ : 時々窓から投げ飛ばしたくなる

ハーヴィ : ≪過激。撤回しようかな。≫

テラ : 本当に投げ飛ばしたらすまん……

テラ : 軍事用の性かも……

ハーヴィ : ≪世知辛いね、設定事項が≫

テラ : あいつ、ちょっと気に触ったからって俺の手足をもいで、チェスを口でさせてきた

テラ : ひどすぎる

ハーヴィ : ……≪ジレイがさ、マリヤと一緒にまかろん?作ったって聞いて、≫ ≪人間ならジレイともそれができるんだなって、≫

ハーヴィ : ≪撤回しようかな???≫


テラ : いやまぁ、うん……

テラ : ちょっと、最近うん……あいつやばい

テラ : (愚痴っぽくなってる)

テラ : いや、よそう陰口は

テラ : 良いやつだよ

ハーヴィ : ≪なんかあったの?≫(愚痴聞きモードに入りかけ)

ハーヴィ : ≪うん、悪いイミテイターじゃない。≫


テラ : (これも設定から引用しているのだろうか…… 案外、いや、わからない。誰にも)

テラ : マリヤがとびきり良い子だからな

テラ : どっちが子供かわからなかった 自由にしよる

テラ : お元気イミテイターめ

ハーヴィ : ≪そうだね。最近会ってないけど。会ってな、≫ ≪……≫

ハーヴィ : ≪マリヤはおとなし人間だからなあ……≫

テラ : マリヤは目線を合わせて、ゆっくり話してあげると、 あー…読めない字が難しい可能性があるな

ハーヴィ : ≪でもオレ、ジレイがお元気イミテイターなの見たことないや。 仕事で来てるから仕方ないんだろうけど。もうちょっと仲良くなりたい。≫

ハーヴィ : ≪マリヤには字を簡単にしてるから大丈夫!≫

テラ : 若人の前ではカッコつけだから。RW201は……

ハーヴィ : ≪あれカッコつけなの? 尋問だと思ってた。≫

テラ : ここでの話は内緒にしてくれ。次は頭部だけにされそう

テラ : 簡単な字、てんさい

ハーヴィ : ≪……秘密が増えたね。≫

テラ : 叩けばまずいことしか出てこない。 まぁ、本当に悪いやつじゃない。ものすごく不器用だが

テラ : (そうとう、仲良しであることがわかる──)

テラ : (たぶんね)

ハーヴィ : (にぱ! ハービは仲良しなんだなあとおもいました まる)

テラ : (かわいいね)


テラ : 今度、3人で話してみるか……

テラ : 多少はほぐせるかもな?

ハーヴィ : ≪ほぐせたらいいなあ。 ちょっとだけ試してみよっか。≫

テラ : サウナでもいくか……新しくできた……(地獄)

テラ : 計画だけしておこう、ひとまずは18日のパーティの支度をしないといけない


ハーヴィ : ≪ポップも言ってたけど、さうなって何?≫

テラ : 水蒸気はわかるか、紅茶から出る白いもくもく

テラ : あのもくもくグツグツを……空間に満たす……

テラ : 灼熱……

ハーヴィ : ≪もちろん。流石に勉強してるよ。≫ (勉強、をしないといけない、イミテイターとしては規格外の低スペック。演算機能の意図的な制限。)


ハーヴィ : ≪……≫

ハーヴィ : ≪えっと。≫ ≪つまり。≫

テラ : 蒸される 俺達は

ハーヴィ : ≪お鍋で蒸したりするのを。≫

テラ : 蒸し

ハーヴィ : ≪合ってた。なんでそんなものを?≫

テラ : 心地いい

ハーヴィ : ≪蒸されるのに?≫

テラ : 俺には風呂を始めとする、人間様が感じる感覚の再現が組み込まれている

ハーヴィ : ≪オレもある。一緒だね。≫

テラ : その気になれば伝達可……

テラ : (ムス……)  (隙がない……)

テラ : なれば、蒸されるか

テラ : ととのう、 はずだ……

ハーヴィ : (『人間を再現する』というただ一点のみにおいて、このイミテイターはある種規格外だ。)

ハーヴィ : ≪なんで今ちょっとムスっとし、≫ ≪とと、のう≫

テラ : (スン……)

ハーヴィ : ≪スンになっちゃった。行こうよ、蒸し。≫


テラ : まぁ良い懇談会になるかもしれない、パーティが終わったら、ジレイを誘っていこう

テラ : 18日も、是非遊びに来てほしい。お食事会

ハーヴィ : ン! ≪パーティすごく楽しみ! 絶対行く!≫

テラ : 頑張ってごちそうこさえるからな

ハーヴィ : ≪うん! そうだ、この間持ち込み食材探そうと思ってね、リーンに行ったんだけど、≫(と端末に表示される文字は、まるで親に今日あった事を話す子供のよう。)

テラ : (うん、うんと頷いて話を聞く)

ハーヴィ : ≪幻の肉っていうから、分けてもらえないかなって思ってお仕事受けたらね、≫

テラ : 幻の肉……良さそうだな


ハーヴィ : ≪コリンがパンジャンドラムに幻のお肉にされそうになって大変だった。≫ ≪だからお肉はなし……≫

テラ : コリン様は食えない

ハーヴィ : ≪うん。≫

テラ : かなしいな

ハーヴィ : ≪うん。≫


テラ : 逆に肉を食べてもらって、コリン様をもとに戻さないと…

ハーヴィ : ≪コリンはちゃんと依頼人のことグーで殴ったから元気だよ。≫

テラ : お元気

シュガーポップムーン : (ドアの隙間からこっそりと覗いてみる……。)

テラ : ……

テラ : 感じないか、なにか……ッ

ハーヴィ : ≪ちゃんとブタ箱に、≫

ハーヴィ : ?

テラ : 気配……

ハーヴィ : (きょろ…)

シュガーポップムーン : (ぴょこ)(頭を出した。)

テラ : SPM。久しぶりだな

ハーヴィ : ≪ポップだ!≫

テラ : (久しぶりである、またしても何も知らないテラ)


シュガーポップムーン : えへへ~っ おつかれさまですっ!テラさん、ハーヴィさんっ

テラ : おつかれさま、遊びに来てくれたのか?

ハーヴィ : ン!(嬉しそうに手を振った。)

テラ : やはり、二人は仲良しなんだな

ハーヴィ : ≪やはり?≫

シュガーポップムーン : (ぶんぶんと手を振ってから、)マリヤ様にギフトのお届けをしにお邪魔してましたっ!そうしたらお話声が聞こえてきたので…

テラ : 軽やか同士……?

シュガーポップムーン : かろやかですっ!(ぴょん)

テラ : ありがとう、マリヤへの贈り物か、今は眠っているだろうから、俺が受け取ろう

テラ : 直接が良ければ後日だな

ハーヴィ : ン!(椅子から飛び上がってその辺で突然のバク宙。物には当たらない。)

シュガーポップムーン : はっ!お手紙と一緒にお傍に置かせていただきました~っ!

ハーヴィ : ≪かろやか。≫(着席)

テラ : なるほど、任務完了済みということだな

シュガーポップムーン : ! わ~っ!!(バク宙にはぱちぱちと拍手!)

テラ : 分かった、計らっておく

テラ : (拍手)

テラ : (カツカツカツカツ(鉄))

ハーヴィ : (にぱ)


テラ : そうだ、見ろSPM

シュガーポップムーン : ?

テラ : ふわふわさんをメンテナンスした

ハーヴィ : !!

ふわふわ : (ふわーん)

シュガーポップムーン : ! ふわふわさん!

シュガーポップムーン : ふわふわさん、ふわふわさんになってます~っ!

テラ : お元気ふわふわだ

シュガーポップムーン : おリボンもあたらしいのですね~っ!


ハーヴィは、ぬいぐるみを使った。

もふ…


テラ : おめかしだ、パーティに向けてな

シュガーポップムーン : えへへ~っ よかったですねっ!ふわふわさん、ハーヴィさんっ

シュガーポップムーン : (ふわふわさんを ふわ…とした)

ハーヴィ : (かたくない程度にしっかり綿も入って、とってもふわふわだ。)

シュガーポップムーン : えへへ……

シュガーポップムーン : あっ!そうですっ!

シュガーポップムーン : (ぱちり、両手を合わせて)

テラ : む?

ふわふわ : (ふわ?)

ハーヴィ : ン?

ハーヴィが[アクセサリー2]に[ぬいぐるみ]を装備しました。

シュガーポップムーン : サキシフラガ記念のギフトっ!お二人にお渡ししたいですっ!

テラ : なんだと……

ハーヴィ : !! ≪あ!≫ ≪そうだ、オレテラにも持ってきてたんだった! オレのも貰って!≫

ハーヴィ : ≪貰えるのもすごく嬉しい!≫

シュガーポップムーン : (ぱたた、と二人の合間に寄って)


テラ : くれたのジレイだけになるところだった……命拾いした……(小声)

ハーヴィ : ≪それはなんか、≫≪つらいね。≫

シュガーポップムーン : ?

テラ : あいつ人のポケットに無言で入れた おしりで潰すところだった

テラ : しゃいめ

ハーヴィ : ≪素直じゃないなあ。≫


シュガーポップムーン : ギフトお渡し会ですね~っ!わ~いっ!

テラ : じゃない、しまったな、立て込んでて用意が……

テラ : (お返しの日の3月12日に自分は……無事だろうか)

テラ : うーん。後日返す

シュガーポップムーン : ほんとうですかっ?ありがとうございますっ!でもでも、無理はしちゃダメですよ~っ

テラ : 楽しみにしておけ… もらえるものは受け取る

シュガーポップムーン : じゃあ、テラさんには~……(ごそごそ……)

テラ : 急にモテる・・・(照)


テラ : (ロリポップチョコケーキ⚡だ)

シュガーポップムーン : こちらですっ!(と、取り出したものを手渡す。)

ハーヴィ : (自然な角度の変更。元演劇用であるがゆえ、悟られぬように。テラにだけ見える筆記具で書かれた手書きの言葉。)

ハーヴィ : (≪がんばる理由が出来たんじゃない?≫)

テラ : 可愛らしい、上手だな

テラ : ……

ハーヴィ : ≪かわいい! お菓子の本役に立った?≫(と、シュガーポップムーンへ。)

テラ : (ハーヴィのおでこをツンとした。優しめに 言われんでもがんばるよ、というように)

ハーヴィ : (返す反応はなかったが。横顔はすこし嬉しそうで。)


テラ : 本読んで作ったのか……

シュガーポップムーン : はいっ!まだまだむずかしいレシピはうまくできないけど……がんばりましたっ!(えへへ~と笑いを零しながら)

テラ : お料理イミテイターが増えている……

シュガーポップムーン : メセム様にお借りしたのですっ!(両手を挙げる)

テラ : メセム様、いろんな本持ってるな

ハーヴィ : 絵に役立つんだって。すごいよね。

シュガーポップムーン : 今度メセム様にもお渡しに行くのですっ!それで……

シュガーポップムーン : ハーヴィさんにはこっち!


相手プレイヤーの決定を待っています。

トレードが成立しました。


シュガーポップムーン : (同じように、ロリポップチョコケーキを差し出す。赤と橙のリボンが巻かれているようだ。)

ハーヴィ : (ロリポップチョコケーキ🐻だ。かわいい!) ≪ふわふわいる!≫

テラ : ふわふわおる

シュガーポップムーン : ふわふわさんはね~、クッキー!

ふわふわ : (ふわ?)

ハーヴィ : (ふわふわの目の前にもらったプレゼントを置いて)エールの二項定理は縮んだ花吹雪…… (特別意訳:見てふわふわ、ふわふわだよ……


テラ : 上手だな……

テラ : 俺も負けてられないな、より(コック帽)

シュガーポップムーン : (急に生えたコック帽に視線を奪われる。)

ハーヴィ : (さっきまでなかったコック帽、ある。)

テラ : (あるね)

ハーヴィ : ≪あ、待ってテラ!オレのも貰ってから!≫

テラ : 俺はお料理イミテイター…

テラ : む

シュガーポップムーン : わたしも頑張って、テラさんみたいにたくさんつくれるようになりますね~っ!

テラ : SPMも精進すると良い(何様)

シュガーポップムーン : はいっ!がんばりますよ~っ!


トレードを要請しました。

相手プレイヤーの決定を待っています。

トレードが成立しました。


ハーヴィ : ≪オレのは作ったやつじゃないけど……≫

テラ : (ベアーグミだ……これはくま)

ハーヴィ : ≪ふわふわいっぱいグミ。≫

ふわふわ : (ふわ???)

テラ : なるほど、ふわふわいっぱいグミ

シュガーポップムーン : あまくておいしいグミさん!

ふわふわ : (そうかなあ。ふわふわはぎもんです。)


テラ : (ふわふわというより、ぐにぐにかもとおもった)

シュガーポップムーン : (まだ中身の残っているベアーグミ(リボン付き)を取り出して)おそろいですね~っ!

テラ : (よく噛むという行為を行う際に良さそうだ)(非情)

ふわふわ : (ふわふわこんなにはんとうめいじゃありませんよ)

テラ : 息抜きにいただくとしよう。SPMのはお茶と一緒に

ハーヴィ : ≪喜んでもらえたならいいんだけど。オレ、これが最初で最後だから≫

テラ : え

ハーヴィ : ?

テラ : 大事にする……

シュガーポップムーン : 『バベル』は、なくなっちゃうので…… 

シュガーポップムーン : でも今回、お渡しできてよかったのですっ!

ハーヴィ : ≪そう……。サキシフラガは今回まで……≫


テラ : ……そう、だな、ありがとう

テラ : 自由に続けても良いかもしれないが、贈り物はいつでもやって良いものな

テラ : 大事に味わう

ハーヴィ : ≪一理ある。 けどこの街でやるのはこれっきりだからさ。≫

テラ : サキシフラガ、名前が覚えられん(老人)

シュガーポップムーン : はいっ!

ハーヴィ : ≪ほんとに良かったよ。ちゃんとみんなに渡せるようになって。≫

テラ : 俺も、11年ぶりだな

ハーヴィ : ≪あ、オレも苦手。覚えらんない。≫(記憶に努力を要するイミテイター。)


テラ : (止まった時は、動き出している)

シュガーポップムーン : うんっ わたしも今までは、できなかったから、

テラ : SPMは……皆のマネて?

テラ : ……

テラ : なにか、いいことあったようだな

シュガーポップムーン : はいっ!(ココロの底からの、満面の笑みだ。)

ハーヴィ : ≪ポップは、元気になりました。≫(にぱ…と笑顔)

テラ : (何があったかは分からないが、いいことだ。きっと)


テラ : 元々お元気イミテイターだったが、さらなる高みへ……

シュガーポップムーン : ところで……

シュガーポップムーン : テラさんは、きょうは、なんだかふしぎなかんじ……ですね?(首を傾げた。)

テラ : ……そう?

テラ : イミテイターだけだと、ちょっと気が抜ける……のかもな

テラ : おやすみイミテイターだ

ハーヴィ : ≪もっと気を抜かせてみよう。≫(ぐい~! 超無遠慮に頭を押し付けてみる。)

シュガーポップムーン : (何か違う、と感じるが、それを感知するまでは性能は高く無い。)

テラ : あっ、こら、誂うな……


テラ : (真顔だが、困っている)

テラ : ……

テラ : ……

シュガーポップムーン : !

ハーヴィ : ≪構われイミテイター。≫

シュガーポップムーン : ぐい~っ!(真似した)


テラ : …("割ってる"ことを思い出した)

テラ : アアアッ

テラ : こら、大人を誂うんじゃありません

ハーヴィ : ……(にゅ!)(離れて)

シュガーポップムーン : ?(顔を上げた)

テラ : まったく、元気だな二人は……

ハーヴィ : ≪最近元気になったもので……≫


テラ : さて、もう相当な時間だ

シュガーポップムーン : はっ

テラ : そろそろ俺は仕事に戻る(仕事イミテイター)

ハーヴィ : (と、言われるが先か、ふにゃあと欠伸。)

シュガーポップムーン : はいっ!よるおそくにお邪魔しました、ですっ!

ハーヴィ : ≪オレもおやすみイミテイターが近いかも。その辺で倒れないうちに帰ろ。≫

テラ : うむ、マリヤ様の部屋ではおしずかイミテイターだったようだしな。気軽に来てくれ

シュガーポップムーン : ハーヴィさんもおつかれさまですね~っ

テラ : ふたりとも、ありがとうな……

シュガーポップムーン : えへへ~っ はいっ!またあそびにきますねっ!

ハーヴィ : ≪また遊びに来るね。≫


テラ : これからも、自由にしていてくれ

テラ : (俺の分まで、どこまでも)

ハーヴィ : ン!(うれしそうに。)(この自由をくれた沢山のかけらのひとつに、あなたもいるから。)

シュガーポップムーン : はいっ!(同じように嬉しそうな笑顔を浮かべて)

ハーヴィ : (ぴょんと跳ねるように椅子から立ち上がり。)


テラ : 玄関まで送る。いや、使用人室に泊まってもらってもいいが

テラ : (ジレイに出会ったらどうしよう)

テラ : (割ってるのがバレたら……)

ハーヴィ : ≪ううん、大丈夫。帰るとこあるんだ。≫ ≪でも、今度泊まりに来たいな。≫

テラ : (ごまかすために爆発するか)

シュガーポップムーン : (後ろからハーヴィの端末を覗き込んで)

テラ : そうか、了解した

シュガーポップムーン : はいっ!またこんど、お泊り会ですね~っ!

テラ : なかよしだな

ハーヴィ : (不穏な思考イミテイターの存在、つゆ知らず。)

テラ : ……18日は、盛り上がろうな 頼むよふたりとも

ハーヴィ : ≪もちろん! 絶対行くからね。≫

シュガーポップムーン : は~いっ!(テラの状態も、思考も知らぬままだが、両手を挙げて元気にお返事!)

テラ : (その二人を満足そうに(真顔)眺めて、玄関への扉を開けて、案内するのだった)



テラ : SPMはどうする?

シュガーポップムーン : ? わたしも一緒に帰るのですっ!

テラ : ……やっとるわ

シュガーポップムーン : じゃあじゃあ、テラさん、おつかれさまで、

シュガーポップムーン : ?

テラ : うむ、なかよしイミテイターだな

シュガーポップムーン : はいっ!えへへ~っ

ハーヴィ : ≪コリンもいっしょ!≫

テラ : それじゃ、今日は本当にありがとう

テラ : ふわふわも、おつかれさまだな

ハーヴィ : ≪うん、こちらこそ。ほんとにありがとう。≫(ふわふわのおててを振らせて。)

テラ : 賑やかそうなお家になるな……

ふわふわ : (だいかんしゃもうしあげます)


テラ : コリン様に自慢してやってくれ ふわふわぱわーを

テラ : 今日のお返し、待っててくれな……

テラ : それじゃ、おやすみ

シュガーポップムーン : コリン様ともふわふわしましょう~っ

シュガーポップムーン : テラさんっ!おやすみなさいませ~っ!

テラ : (お辞儀をして、二人を見送るのであった)

ハーヴィ : ≪うん、お返し待ってる。またね!≫

シュガーポップムーン : (元気に手を振って)また、ですっ!


テラ : (何も変わらぬ、しかし、何かが良くなったかもしれないこの街で)

テラ : (時計の針は、少し進んだ)


シュガーポップムーン : (少女は何も知らぬまま、一足先へ。)


ハーヴィ : (最後に一度、振り返り。たぶんあなたにしか見えない、”ただのハーヴィ”が、)

ハーヴィ : (”どうしようもなく寂しそうな顔をして”)

ハーヴィ : (また、笑顔で手を振った。もう振り返らない。)

ハーヴィ : (願わくば、進んだ針の先、あなたが一緒にいることを。)


ハーヴィ : (【どうしようもないくらい】、願っている。)


テラ : (待ち人は、ただ待っている)

テラ : (審判の日は、まだ来ない)





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