ゼロ
- wisteria8770
- 2024年2月15日
- 読了時間: 39分
更新日:2024年2月18日

ハーヴィ : ……! (小走りの靴音が止まり)
セイラ : 『…………』
ハーヴィ : ≪久しぶり。覚えてる? ハーヴィだよ。≫ (と、端末にはそんな文字。)
セイラ : (見知った顔)
セイラ : (新しい一頁)
セイラ : (捲るおと、暫し止まる硝子の靴音から)
セイラ : 『あら!』
ハーヴィ : ? (小首を傾げる。そういえば、以前出会った時はこんな態度ではなかっただろうか、と、)
セイラ : 『久しぶりね、ハーヴィ』
セイラ : 『覚えてて呉れて嬉しいわ』
セイラ : 『ごめんなさいね、ご無沙汰してしまって』
セイラ : (たたんっ、弾む足音と)
セイラ : (歩み寄るのは一歩また一歩)
ハーヴィ : …… ≪ええと…… どっちもキャラ変?≫ (──率直な困惑が端末に直結。”そんなはずはない”と思うが、彼女を知らないのもまた事実。)
セイラ : (生き生きとした靴の音)
セイラ : (それから)
セイラ : (佳く慣れた甘やかなハイトーンヴォイス)
セイラ : 『ふふっ。 そう観える?』
セイラ : 『少しの間に、色々あって』
セイラ : 『……可笑しいか知ら?』
ハーヴィ : ≪そう見えるって、いうか、……そうだなあ。≫
セイラ : (掲示板を撫ぜる目線)
セイラ : (以前よりすらゝと間もなく)
ハーヴィ : ≪ それがほんとのあなたなの? ≫ (嘘をつくのが下手な口。恐る恐る、だが黙ってはいられない。)
セイラ : 『そうよ』
セイラ : 『ちょっと前に、ズィーにね』
ハーヴィ : (ズィー ──恐らくメカニックの少年。納得と共にこくりと頷き。)
セイラ : 『あれ? あなたお識り合いだったか知ら?』
セイラ : (なんて、唇に指当てて)
ハーヴィ : ≪色々お世話になってる。友達だよ。≫
セイラ : (暫しの逡巡)
セイラ : 『そ、だったら助かるわ』
セイラ : 『そのズィーにね?』
ハーヴィ : ≪うん。≫
セイラ : 『あたしは死んでる。 もう生き返らない』
セイラ : 『だなんて云われたものだから』
ハーヴィ : ≪……うん、≫
セイラ : 『だから、だからね?』
ハーヴィ : (文字盤の返信はなく。その持ち主のみが頷く。)
セイラ : 『“そんなことない”って、云って遣ったのだわ。ふふ』
セイラ : (とんとん、と。 無沙汰に踊る爪先)
セイラ : (髪に掛かるコードを、指先で払うしぐさ)
セイラ : (ちょっぴり呆れたような、気の抜けた感嘆符)
セイラ : (それは、どう観ても)
セイラ : 『ね?』
セイラ : 『あたしは生きてる、此処にいるの』
ハーヴィ : ≪……なるほど、理解した。理解ついでにひとつ訊いていい?≫
セイラ : 『あなた達、みんなのお陰だわ』
セイラ : 『……』
ハーヴィ : (本当は、どれだけ理解していることか。)
セイラ : 『えぇ、勿論。 何でもどうぞ?』
ハーヴィ : ≪ 『まだ名前を訊いてなかった。きみの名前は?』 ≫
セイラ : 『…………』
ハーヴィ : (”きみ”の名前は訊いてない。嘘はない。”彼女はセイラ”。知っているのはそれだけだ。)
セイラ : 『──ふふっ!』
セイラ : 『可笑しなことを訊くのね。 ハーヴィ』
セイラ : 『それとも、お話に行かなかったのを拗ねてるの?』
セイラ : (ころころ。 鈴と鳴る喉)
セイラ : (繰り返しのテンポとリズム)
セイラ : 『あたしは』
セイラ : 『“セイラ”』
セイラ : 『それで、この子は』
セイラ : 『〖データが破損しています〗』
セイラ : (ひと刹那)
ハーヴィ : ≪なんだよもう。拗ねてなんかないよ。≫(それは、演劇用イミテイターの矜持。むつけた”ような少年の”仕草。)
セイラ : (ほんのひと刹那、おとが止まった)
ハーヴィ : ≪教えてくれてありがと。≫
セイラ : 『そう? だったら佳かった。ふふっ』
シュガーポップムーン : (跳ねるような堅い足音が響く)
シュガーポップムーンは[瓦礫に紛れる]でなくなった
セイラ : 『お気になさらず』
ハーヴィ : ン、(足音に”セイラ”へ向けた視線が逸れ)
シュガーポップムーン : (人影に気付いて動きが止まる。止まった拍子にリボンが揺れて)
セイラ : 『あら!』
シュガーポップムーン : あっ!ライセさんっ!ハーヴィさんっ!おつかれさまです~っ!
セイラ : 『シュガーポップムーン!』
ハーヴィ : ≪ライセ?≫ (端末に浮かんだ疑問。すぐにかき消える。)
ハーヴィ : (そうしてあなたへ手を振って)
シュガーポップムーン : (ぶんぶんと手を振る。)(それから、今まで聞いたことの無い“声色”に気付いた。)
シュガーポップムーン : ……?
セイラ : 『…………』
セイラ : 『この前はごめんなさいね? シュガーポップムーン』
シュガーポップムーン : ふえ? えっ?(首を傾げる。)
セイラ : 『遊園地のお返しなのに、あんな形で押し付けちゃって』
ハーヴィ : (メッキは、)(剥がれやすい。)(思考とよく似た演算がそんな言葉を出力し、しかしそれが言葉として出ることはなく。)
ハーヴィ : ( ──この状況の結論。)
シュガーポップムーン : う、ううん。わたしは、うれしかったから……(ぱちぱち。瞬きをして“セイラ”の顔を見る。初めて見る、聞く仕草。)
セイラ : 『そう、なら佳かったわ』
シュガーポップムーン : ライセさん、ですか?えっと、それとも、セイラ様……?(このイミテイターは、その人間が既にどうしようもなく死してることをまだ知らない。)
セイラ : 『今ね、ちょうどハーヴィと逢って、お噺ししていたところ』
セイラ : 『…………』
ハーヴィ : ン。(名前を呼ばれれば、手を挙げて。 ……どこか納得のいかなそうな。)
シュガーポップムーン : (少し戸惑いつつもハーヴィの方を見る。それからまたセイラの方へとフォーカスしての繰り返し。)
セイラ : 『セイラって誰?』
シュガーポップムーン : えっ?
セイラ : (斯くて天井のシミはあなたの世界から眼が愛しい)
ハーヴィ : ≪マジか。≫
セイラ : 『そういえば』
セイラ : 『そうそう』
セイラ : 『そろそろサキシフラガ記念日が近いじゃない』
セイラ : (閑話休題)
セイラ : 『私はセイラ。大丈夫。 此処にいる』
セイラ : 『実はあたし、そう云った文化に疎いのだけれど』
セイラ : 『あゝ云うイベント用のチョコレートって、たくさん買っておくべきなのか知ら?』
セイラ : 『みんなにお世話になったから、出来ればみんなに配りたいのだけれど』
ハーヴィ : (RB2049-MA “Gray(どっちつかずの)” Haveyは演劇用のイミテイター。ゆえに彼女のそれに付き合う事は可能だが。)
ハーヴィ : (──どうしたものか。)
シュガーポップムーン : はい……(ぽかんとした表情で声を零した後。) え、えっと、えっと、
セイラ : 『……?』
セイラ : (可笑しなあなた。 可笑しなjげ)
セイラ : (ころころと笑いました、鈴鳴りに)
シュガーポップムーン : わたしもお渡しするのははじめてなので、渡したいって思ったみなさまに渡したいっておもいますっ!といっても、まだ準備中なんですけど……(笑みを浮かべる。その話題に対しては自らの本心を差し出した。)
ハーヴィ : ≪もう、びっくりしてるんだよ。きみ随分変わったから。≫ (やれやれ、といった表情。態度は虚飾。しかしその言葉の本質に偽りはなく。白黒つかない文字が光る。)
セイラ : 『あら、そう。だったら佳かったわ』
セイラ : (なんて、手のひらを叩く。愉快なしぐさ)
セイラ : (これで合っています)
セイラ : 『もしかしたら、イベント不慣れなのは実は私だけなんじゃないか……と想ってドキドキしてて』
セイラ : 『でも、同じような人がいるなら、ちょっとだけ安心だわ』
セイラ : 『相談もできるしね』(と、悪戯っぽく笑うのです)
セイラ : (きっと今までも、こうやって笑っていたはずです)
セイラ : (“きみ、随分変わったから──”)
セイラ : (ノイズキャンセリングを適用します)
シュガーポップムーン : はいっ!えへへ~、やったことないの、おそろいですねっ!(こちらも笑顔を浮かべる。その様子はまるで、ごく普通の友達同士の歓談のように見えるだろうか。)
ハーヴィ : (──なんとも、白々しく映るそれに。)(肩をすくめた。)
ハーヴィ : ≪オレも参加するのは初めてなんだよなあ。あ、一応ね、用意はしてきたんだよ。≫
ハーヴィ : (“セイラ”、“ライセ”。そのどちらも知り得ず、また届かないのであれば。金色にまばゆくくすんだそれを剥がした先の錆色もまた輝くのだろう。何度でも。)
ハーヴィ : (だから、演劇用イミテイターのハーヴィは。なかよしの歓談に応じることにした。)
シュガーポップムーン : サキシフラガ記念も、今回で最後、になっちゃうのでっ でも参加できる機会があって、よかったですっ!
ハーヴィ : ≪だね。最後の最後で逃さなくてよかった。≫
ハーヴィ : ≪そうだ、せっかく用意したし今渡しちゃっていい?≫
ハーヴィ : (と、二人を見やり)
セイラ : 『……はぇ?』
シュガーポップムーン : ほあっ ご用意がはやいですっ!ハーヴィさんっ!
シュガーポップムーン : でもでもっ うれしいですっ!!やった~っ!
ハーヴィ : ≪えへへ、丁度買って帰ってきて…… ってなんて声出すのさ≫
シュガーポップムーン : (ぴょん!と跳ねる。)
セイラ : 『ふふ。 なんだか催促したみたいになっちゃったわね』
シュガーポップムーン : 良かったですねっ! 、 ……… …… (少しの間の後に、)
ハーヴィ : ≪そんな事ないよ。元々渡すつもりはあったんだから。≫ (言葉は飾らない。)
シュガーポップムーン : セイラさんっ!(そちらの名を呼んだ。)
トレードを要請しました。
相手プレイヤーの決定を待っています。
トレードが成立しました。
ハーヴィ : ≪はい、じゃあまずひとつ。≫(”セイラ”の手に小瓶をひとつ。)
ハーヴィ : ≪ポップも!≫
トレードを要請しました。
相手プレイヤーの決定を待っています。
トレードが成立しました。
セイラ : 『…………わ』
セイラ : 『すごいわ、これ!』
クリップボードにコピーしました。
ハーヴィ : ≪かわいいでしょ?オレのふわふわとおそろい!≫ (と、汚れたぬいぐるみが顔を出す。)
シュガーポップムーン : わ~っ!ふわふわさんだ~っ!きらきらで、からふるですっ!(受け取ったベアーグミ(リボン付き)を掲げてじっと見つめる。)
ハーヴィ : ≪知ってる人にはなるべく渡そうと思って。おいしいといいんだけど。≫
シュガーポップムーン : えへへ~っ!ありがとうございますっ!ハーヴィさんっ!(きゃっきゃと笑い声を上げながら、ベアーグミの瓶をふわふわさんにぴとっと引っ付けた。)
ふわふわ : (くっつけられた)
セイラ : 『わ……どうしようか知ら、これ……!?』
セイラ : 『あゝそうだわ、防腐加工をして部屋に飾れば……』
ハーヴィ : (ちょいちょいと持ち主の人形に手を動かされ、手を振るぬいぐるみ。)
ハーヴィ : ≪大げさだなあ。勿体ないから食べちゃってよ≫ (音の出ない笑い声。)
シュガーポップムーン : はいっ!頂きますね~っ!……でもでも、食べてなくなっちゃうのも、もったいないです……えへへ……
セイラ : 『……ふふ。 冗談だってば』
セイラ : 『美味しく頂くわ、ありがとう』
ハーヴィ : ≪うん。そうしてくれると嬉しい。≫
セイラ : 『此方からも何かお返しをしたいのだけれど……』
ハーヴィ : (かたちあるものは、いつかなくなるから。)(いつまでもとどめておくことはできないから。)(そんな思いは内に秘めて。)
ハーヴィ : ≪オレがみんなに渡したかっただけだから気にしなくてもいいんだけどなあ。≫
シュガーポップムーン : (大事そうに瓶を胸に抱く。)
ハーヴィ : (ぬいぐるみの腕がばんざいした)
セイラ : 『厭だわ、気にしちゃうのよ、あたし』
セイラ : (瓶から一粒取り出して)
セイラ : (指先で遊び乍ら)
セイラ : 『……じゃあ、私は用意しちゃおっかな』
セイラ : 『シュガーポップムーンには内緒で、お返し』
シュガーポップムーン : ふえ?
セイラ : (形があるものは)
セイラ : (永遠になれるのですから)
セイラ : (この街が終わっても。世界が終わっても)
シュガーポップムーン : ないしょ?ないしょ……なんですか?(首を傾げる。さらりと髪パーツが流れた。)
ハーヴィ : ≪言ったら内緒じゃなくなっちゃうよ?≫ (こてんと傾く首。)
セイラ : 『ふふ。 だから冗談だって』
セイラ : 『でも、お返しは本当だから安心してね。 ふふっ』
セイラ : 『シュガーポップムーンには負けないんだから』
シュガーポップムーン : 負け……??(さらに首を傾げた。勝ち負け、とは。)
セイラ : 『前にも云ったじゃない』
ハーヴィ : ≪冗談……はオレにはまだ難しいや。こうやって誰かと話すの初めてなんだもん。≫ (言って、ぬいぐるみは頭の上。ぽふぽふ叩き)
セイラ : 『興行用には負けられないの。 あたしのわがままで』
セイラ : 『Blueboxha』
セイラ : 『お返しは何が佳い? って訊くのは野暮ね』
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : ≪何でもいい、って言うのも野暮だよね?≫
シュガーポップムーン : (セイラの姿と、ハーヴィの姿とを交互に見遣る。)
セイラ : 『そう云うものか知ら?』
セイラ : 『あゝでも、それもそうかも。 ふふっ』
セイラ : 『なんだか可笑しいわね』
セイラ : 『中身が透けてるプレゼント交換会なんて』
セイラ : 『これっきりだから佳いけれど』
ハーヴィ : ≪それもそうだね。透明なプレゼントボックスっていうのもオレは面白いとは思うけど。≫
ハーヴィ : (RB2049-MAは演劇用イミテイター。だからその態度が崩れることもないが。)
ハーヴィ : (”ハーヴィ”は、もう舞台を降りている。即興劇は苦手なままで。)
シュガーポップムーン : ………(じいとセイラの顔を見つめた。それからその後ろの、温かさの見えない腕も。)
シュガーポップムーン : (今の少女は舞台の下。)(そこから見上げる舞台の光景が初めてだったから。その姿にどこか、何か気にかかる所があって、)(だから、)
シュガーポップムーン : あの、あのっ セイラ…… ライセ、さんっ(貴方に呼びかける。)
セイラ : 『……』
セイラ : (一拍。 困った笑顔と、間々の逡巡)
セイラ : 『“セイラ”、だわ』
セイラ : 『可笑しなシュガーポップムーンだわ? どうしたの?』
シュガーポップムーン : えっと、はいっ!セイラさんっ(求められたなら、その名を呼び直す。そして取り出したのは、)
シュガーポップムーン : (期限切れのチケット。)
シュガーポップムーン : あのね、わたし、また……“あなた”とお話したいから、
シュガーポップムーン : 遊園地、また遊びに来てくださいっ!(笑う。)
セイラ : 『…………』
セイラ : 『ふふっ、ありがとうね。 シュガーポップムーン』
セイラ : 『まさか、こんなタイミングでお誘い頂けるとは想ってなかったから』
セイラ : 『ちょっと、ビックリしちゃったわ』
セイラ : 『貰い物ばっかり、いっぱいね』
セイラ : (きっとかつては鮮やかだった、今はボロボロのチケット)
セイラ : (使い方なら、もう分かりますから)
セイラ : (今度は)
セイラ : (ランチバスケットを持って)
セイラ : 『あゝ、困ったわね』
セイラ : 『次から次に、やりたいことが積もっていくんだもの』
ハーヴィ : (”ほんとう”を伝えるには、[2049]はあまりに長く演じすぎてしまった。自由を手にした少女のほんとうが響いて。)
ハーヴィ : …… ≪来月までに全部できるといいんだけど。 オレもまだ”きみ”に訊けてない事あるしね。≫
セイラ : 『大丈夫。きっと間に合うわよ』
ハーヴィ : (ダブルクォーテーションで括られた、ほんとうを。)
セイラ : 『畢竟全部、何とかなったんだから』
セイラ : 『これからもきっと、上手くいくわ。全部』
シュガーポップムーン : やりたいこと、がい~っぱいっ!なら、ずっとドキドキワクワク、ですねっ!(ステッキマジックのように、言葉の端からそんな花を咲かせて。)
ハーヴィ : ≪上手くいって≫ ≪ほしいもんだね≫ ≪何もかも≫
セイラ : 『心配性ね、ハーヴィは』
ハーヴィ : (ベンチの腰かけの上に飛び乗って、平均台のように片足立ち。危なげなく。)
セイラ : 『だったら、あたしが、不安が消えるおまじないをあげる』
ハーヴィ : ≪心配にもなるよ。街がなくなるなんて”生まれて初めて”だ≫
ハーヴィ : …(小首を傾げ)
シュガーポップムーン : ?(同じように首を傾げ)
セイラ : 『来週、この日この時間』
セイラ : 『また、ここに来て』
セイラ : 『ちょっとの先だけど、未来の約束』
セイラ : 『お菓子のお返しも併せて』
ハーヴィ : ≪なるほ≫ ≪ど≫ (片足立ち。徐に”どちらも椅子から離れて”。)
ハーヴィ : (代わりに一回転。難なく着地。)≪ね。≫ ≪来月の事を考えるよりはよっぽどよさそうだ。)
ハーヴィ : ≪わかった。“楽しみにしてる”。≫
シュガーポップムーン : (ぱちぱちぱちぱち!!)(一回転の姿に拍手を捧げる。)
ハーヴィ : (無機質な光の羅列で伝えられる”ほんとう”をあなたへ示し。)
ハーヴィ : (✌)
セイラ : 『くす。器用なのね、ハーヴィったら』
ハーヴィ : ≪これでも元興行用だからね、オレも。≫
セイラ : 『へぇ、それは初耳だわ?』
セイラ : 『シュガーポップムーンも興行用途よね?』
セイラ : 『確か』
ハーヴィ : ≪あれ、言ってなかっ≫ ≪……いや、言ってなかったな。≫
シュガーポップムーン : はいっ!わたしは皆さまにドキドキワクワクの笑顔をお届けする為に製造されたイミテイターですっ!
シュガーポップムーン : でもでも、ドキドキワクワク以外にも、ふわふわあったかな笑顔もいいな~って、ことも思います……えへへ
ハーヴィ : ≪ポップなら大丈夫だよ≫ (ふにゃりと頬が緩んで。偽りのない笑顔。)
シュガーポップムーン : えへへへ~っ うれしいですっ!(後ろ手を組んで、ちょっとだけぴょんと飛ぶ。照れたような動作。)
ハーヴィ : (にぱ!と笑顔。少女が笑うのは、このイミテイターにとっても嬉しいことのようで。)
ハーヴィ : ≪で、オレは劇場とかでの演劇用。 ……まあ舞台に立ったことはないけどね。その前にここでの仕事始めたから。≫
ハーヴィ : ≪これもしかしてポップにも言ってなかったかな?≫
シュガーポップムーン : ちゃんとくわし~くお話したことは…まだ?(首を傾げて)
シュガーポップムーン : そうですっ!ハーヴィさんのおねえさまが出演している作品も遊園地で見れるんですよ~っ!
ハーヴィ : ン。 ≪そうそう。あんまり面白くないけどよかったら『会って』いってよ。≫
シュガーポップムーン : (ねっ!と、セイラの顔を窺うように覗き込んで)
ハーヴィ : (にゅ。身体を傾けて)
セイラ : 『……ちょっと、そんなに覗き込まなくても』
ハーヴィ : (言われれば少し離れ)
セイラ : 『遊園地って云ったら、舞台か映画よね?』
シュガーポップムーン : はいっ!映画ですよ~っ!
セイラ : 『あら、映画の方!』
セイラ : (打った手の音が、跳ねるように響いた)
ハーヴィ : ≪うん、おねえちゃんの一人が出てるんだ。≫
セイラ : 『それはとっても素敵だわ! ふふっ!』
セイラ : 『実はあたし、昔から映画が趣味で』
セイラ : 『そういう舞台に出ている女優さんとか、憧れちゃうのよ』
セイラ : 『この前遊園地で映画館に寄ったときは』
セイラ : 『やってたのが、生憎、その』
セイラ : 『魚介類の映画で』
シュガーポップムーン : 魚介類
シュガーポップムーン : サメさん……?
セイラ : 『そうそう』
ハーヴィ : ≪サメ。コリンも観たやつだ。≫
セイラ : 『……アレ、私最後まで観られなかったわ』
セイラ : 『あの中に、流石にお姉さんは居ないわよね?』
セイラ : 『どの映画?』
ハーヴィ : ≪オレ、映画ってよく知らなくて。おねえちゃんたちがいたやつしか知らないんだけど。≫ ≪サメにはいないはず……≫
セイラ : 『今度行ったときに観たいわ、是非』
ハーヴィ : ≪ええと、恋愛映画の一本。あそこで観られるのはそれだけだよ。≫
シュガーポップムーン : わたし、すきです!あの作品っ
セイラ : 『ふふ。 ありがと』
セイラ : 『まだ観てないから楽しみだわ』
セイラ : 『タイムスケジュールをちゃんと確認しておかないと』
ハーヴィ : ≪そう言ってくれると嬉しい。本当に。おねえちゃんも喜ぶよ。≫ (それは、本当に陳腐な内容で、イミテイターと人の共演というただ一点でのみ価値があるような代物だったが。)
セイラ : 『あら、ホント?』
セイラ : 『だったら、終わったらファンレターも書かないとダメか知ら』
セイラ : 『シュガーポップムーンはもう観てるんでしょ?』
セイラ : 『だったら、ネタばらし厳禁で』
ハーヴィ : ≪はは、届くかわかんないけどね。 オレも宛て先知らなくて。≫
シュガーポップムーン : は~いっ!(片手を挙げてお返事。)
セイラ : 『ふふっ』
セイラ : 『大丈夫、届くわよ』
セイラ : 『時間なら、幾らでもあるんだから』
セイラ : 『何なら、手紙じゃなくて世界を廻って』
セイラ : 『だから、大丈夫』
ハーヴィ : ≪ありがと。そうだったらいいな。≫
ハーヴィ : (あなたの本当が隠れていても、白々しくてもメッキで覆われていても。あなたの選んだその言葉が嬉しい事に嘘はなくて。)
ハーヴィ : (そして何よりも、)
ハーヴィ : (【きょうだいは一体残らず破壊されたなんて知らないから】)
ハーヴィ : (嬉しそうに微笑む/心の底から)
ハーヴィ : ≪その為にもやっぱり街の外には行かないとなあ。ここで映像のおねえちゃんを見続けても本物には会えないし。≫
シュガーポップムーン : (うんうん!と頷く少女はその言葉に同意する。)(もう、自分のきょうだいたちはいないから。こわれてしまったから。)
シュガーポップムーン : (こわして、しまったから、)(だから、彼はそうだったらいいなを己の中で反芻する。)
セイラ : 『……そ、っか』
セイラ : 『なんだか、こういう話をしてると』
セイラ : 『この街が無くなっても、まだ先があるんだなって』
セイラ : 『ほんとに、ただ、それだけのことなのだけれど』
セイラ : 『なんだか、ちょっと嬉しいのだわ。私』
セイラ : 『でも、困ったわ』
ハーヴィ : ?(何度目か、小首を傾げ)
セイラ : 『ハーヴィより先に、お姉さんに逢ってしまったら』
セイラ : 『なんて挨拶すれば佳いのか分からないじゃない』
シュガーポップムーン : 先に~……(ふっと自分も思考演算する。先に逢ったなら、自分はどうするのだろう。)
ハーヴィ : ≪なんだ、そんな事。みんな元気な人たちだから気にしないよ。オレもね。≫
ハーヴィ : ≪気を付けて、オレの名前聞いたらハグされちゃうかも。≫
ハーヴィ : (もう証明されない仮定。けれど確かにあった記憶を。)
シュガーポップムーン : わ~っ!えへへ、じゃあじゃあ、わたしが先にお会いしたら、い~っぱい!ハグになっちゃうかもですっ えへへ~(先に会う状況になるのかどうかは置いておいて、きっと沢山ハーヴィという存在の話をするだろうから。)(そんな光景が現実になることはないが。)
ハーヴィ : ≪うん、そしたらその話、オレにも聞かせて? それならご挨拶もしやすいでしょ?≫
セイラ : 『…………あ』
セイラ : 『佳いこと想いついちゃったわ。ふふ』
シュガーポップムーン : ?
ハーヴィ : ≪何さ藪から棒に≫
セイラ : 『手紙』
セイラ : 『手紙を書きましょうよ、あたし達』
セイラ : 『簡単な近況報告とか、そういうので佳いから』
ハーヴィ : ≪オレのおねえちゃんに?≫
セイラ : (裾を掃って、手近なベンチに腰掛ける)
セイラ : 『うぅん』
セイラ : 『あたし達から、あなた達へ』
セイラ : 『宛先は』
セイラ : (それはきっと、悪戯を想いついた子供の笑みでした)
セイラ : 『── “ここ”』
セイラ : 『この街はなくなってしまうけれど』
セイラ : 『手紙は届くもの』
セイラ : 『住所も番地もないけれど』
ハーヴィ : (意表をつかれたように、沈黙する端末。)
セイラ : 『それでも届くわ。手紙なら』
シュガーポップムーン : (静かにセイラの言葉を聞いていた少女は首を傾げて。)(ぱちぱちと目を瞬かせた。)
セイラ : 『この街は、もうすぐ塵の山になってしまうのでしょうけど』
セイラ : 『寂しいじゃない。やっぱり』
セイラ : 『だったら』
セイラ : 『想い出にしちゃいましょう』
セイラ : 『同じ塵なら、想い出の山が佳いわ、あたし』
セイラ : 『ここから居なくなったみんなが、私たちが』
セイラ : 『今もどこかで、何かをしている』
セイラ : 『そういうのを積み上げた、紙と紙と紙の山』
セイラ : 『これなら、誰が一番に誰と出逢っても』
セイラ : 『最後はきっと平等になる』
セイラ : 『気が向いたら戻ってくれば、風で飛んできた手紙が読めるかもだしね』
セイラ : 『だから、あたしは書くことにしたわ、今。 手紙』
シュガーポップムーン : え~っと、つまり……うーん……? 『バベル』に、みんなが見れるお手紙を書く……ってこと、ですか?(言葉を紐解くのが難しくって、ようやっと弾き出した答えを口にする。)
ハーヴィ : ≪なんていうか……≫
ハーヴィ : ≪面白い事考えるもんだね。≫(それが”誰”の思考でも。青年は想ったまま魔道仕掛けの文字を綴る。)
セイラ : 『だって……ねぇ?』
セイラ : 『普通に考えて』
セイラ : 『そのうち、この街を出てからの時間の方が永くなるワケだし』
ハーヴィ : ≪そう、なるのが理想だね。≫
セイラ : 『だったら、長く続けられる趣味のひとつやふたつは必要だわ』
セイラ : 『なるわよ』
セイラ : 『あたし、死にたくないもの』
シュガーポップムーン : ………
ハーヴィ : …… ≪”セイラはそう思うんだね”?≫
セイラ : 『えぇ。 もちろん』
ハーヴィ : ≪そう。”ならオレも同じ気持ち”。≫
シュガーポップムーン : ………わたしも、たくさん、ずっと、大切なものと一緒に過ごしていきたい、です。(口に出来たのは台詞じゃなくって、そんな程度の言葉。)
セイラ : 『そ』
セイラ : 『だったら、あたしは偶にここに戻ってくるつもりだから』
セイラ : 『何もないでしょうけど』
ハーヴィ : ≪”死にたくない”んだ、オレ。 死ぬほどね。だから死に物狂いで生きてくよ。これから先も。≫
セイラ : 『誰が一番最初にお姉さんに逢えたか、確認したげる』
ハーヴィ : ≪それは楽しみ。オレは、ならそうだな。≫
ハーヴィは、絵画セットを使った。
キャンバスを広げる。
ハーヴィ : ≪絵手紙でも送ろうかな。わかりやすいでしょ?≫
シュガーポップムーン : !!
セイラ : 『あら。ふふっ』
セイラ : 『器用なのね、さすが興行用』
ハーヴィ : ≪それがそうでもないんだ。≫
ハーヴィ : (捲った先、現れたのは、ただ絵の具をめいっぱい塗り重ねただけのもの。)
ハーヴィ : ≪今はこれくらいしか描けない。でも楽しい。≫
シュガーポップムーン : わあっ!いいですねっ!すてきですっ!(ぴょん、とひと跳ねしながらハーヴィに近付く。)(心底嬉しそうに笑った。青年が表現者として作り上げた作品を再度見れば、猶更。)
ハーヴィ : ≪まあ、今後の伸び代に期待ってことで。≫
セイラ : 『あら、卑下するほどのものでもないじゃない』
セイラ : 『でも、そうね』
セイラ : 『だったら、あとで一枚、何か描いて貰おうか知ら』
セイラ : 『大事に取っておいて』
セイラ : 『街に戻ってくるたびに、一番新しい絵と見比べるの』
セイラ : 『それで、気付いたら色付きの紙束で山が出来てるのだわ』
ハーヴィ : ≪貰ってくれるならぜひ。“きみ”が受け取ってくれるなら嬉しいな。≫
シュガーポップムーン : んふふ~、 (と、ふたりの会話に嬉しそうな笑い声を零している。)
ハーヴィ : ≪次に会う時までに描けたら持ってくるよ。 あんまり期待はしないでね? あ、ポップもいる?≫
シュガーポップムーン : えっ?(ぱち、と瞬きをして)
シュガーポップムーン : いいのっ?
ハーヴィ : ≪うん、こんなのでよければ。どうしても描いてる途中が楽しいから……≫
シュガーポップムーン : ううんっ!うれしいっ!すっごくうれしいっ!!
シュガーポップムーン : (かつん。脚先が鳴る。)
シュガーポップムーン : えへへ、ハーヴィさんからいっぱい貰っちゃいます……
セイラ : 『“いっぱい”はハーヴィが倒れちゃうわ、シュガーポップムーン』
ハーヴィ : ≪そんなに喜ばれると思わなかったなあ。けど嬉しい。≫
シュガーポップムーン : あわ、いっぱいっていうのはっ 違くってっ
シュガーポップムーン : 今でももう、たくさんのもの、貰ってるから……うれしくって
シュガーポップムーン : えへへ~
シュガーポップムーン : (その場でくるんと一回転。)
ハーヴィ : (その様子に笑顔を見せて。)
セイラ : 『ふふ。 なんだかシュガーポップムーンもご機嫌ね』
セイラ : 『何かあったの? あなた達』
セイラ : (呆れ笑いの溜め息ひとつ)
セイラ : (質問ではなくて)
セイラ : (ただの感嘆)
ハーヴィ : ン~……? (小首を傾げ。隣の少女の顔を見た。)
シュガーポップムーン : 何か……?(同じように首を傾げ、青年の方を見た。)
シュガーポップムーン : えっと、えっと、やさしく、あったかくしてもらって、おえかきとかをしましたっ!(ぱっと両手を挙げてセイラへそう返した。)
セイラ : 『そう』
ハーヴィ : (言われたほうはピンときてないようで。)≪ポップ、最近元気になったんだよね。嬉しいな。≫
セイラ : 『……だったら、あたしからのチョコレヱトの予定は余計かしらね、ハーヴィ』
シュガーポップムーン : ?
ハーヴィ : ? ≪なんで? そんな事ないよ。お返し考えてくれてるんでしょ? ならオレすごく嬉しい!≫
ハーヴィ : (このイミテイターの情緒と呼ぶべき演算は、あまり育っていない。ゆえに”少女の言葉”には疎く。)
セイラ : 『なんだか、すごく間が悪い気がしてきたわ、私』
シュガーポップムーン : ? そうなんですか?(こちらもこちらで、ただ感じた事を言葉にしたのみの少女は首を傾げて)
セイラ : 『それはそれとして、ちゃんとお返しは用意するわ』
セイラ : 『冗談よ冗談』
シュガーポップムーン : !! よかったですねっ!ハーヴィさんっ!
ハーヴィ : ≪うん!≫
セイラ : 『イミテイタには少し難しい冗句だったわね。くす』
セイラ : (斯くて、また茶化すのです)
ハーヴィ : ≪人間の感覚には近いはずなんだけど。まあ、経験不足ってことで……。≫
シュガーポップムーン : ほあ~……
シュガーポップムーン : はっ これが トークスキルというものですかっ
シュガーポップムーン : お勉強になります~っ!(なお、告げられた冗談の意味は全く分からないままだが)
セイラ : 『トークスキルって云うなら、あなた達の方が立派なんじゃないの?』
セイラ : (云いながら、ぼんやりと空を見上げれば)
セイラ : 『……こんな感じで』
ハーヴィ : ? (自然と、あなたの視線を追い)
セイラ : 『すっかり時間を忘れて、話し込んでしまう程度には』
ハーヴィ : ≪…… いや、完全に一本取られたね。また。≫
シュガーポップムーン : えへへっ おはなしできないより、おはなしできる、のほうが、うれしいですからっ
ハーヴィ : ≪それは、オレも同じ意見かも。ようやくこうやってみんなと話せるようになったからさ。≫
ハーヴィ : ≪早く”きみ”とも話したいよ。オレは。≫
シュガーポップムーン : (映し出される文字を見て、それからハーヴィの表情を見て。次にセイラの方を見る。)
シュガーポップムーン : うんっ わたしも……そう、思いますっ
シュガーポップムーン : (片脚を動かしてクロスさせる。堅い足音が響いた。)(言葉に出来なかった自分だったから、もしあなたが何か、言葉に出来ないことがあったのなら、それを聞いてあげたかった。)(自己を起点とした独りよがりかもしれないけれど。)
ハーヴィ : (相変わらず、声を出すことは出来ないけれど。今伝えられる精一杯。)
ハーヴィ : ≪オレはさ、演劇用の自分じゃなくなるのが怖くて、ずっと演技をしてたけど。≫
ハーヴィ : ≪”次はみんなで” 話せたらいいなって思ってる。≫ ≪なんにも演じないでさ。≫
ハーヴィ : (願望で/押し付けで/独りよがり = ”そんな事は知ってるけれど”。)
ハーヴィ : (”あなた”が”セイラ”に殉ずる理由も、わからないけれど。)
ハーヴィ : (”[2049]”に殉じていたから、そう言いたい。言いたいから言った。)
ハーヴィ : (ただ、それだけ。)
セイラ : 『変なの』
ハーヴィ : ≪変なイミテイターなんだよ、オレ。よく言われる。≫
セイラ : (それを聞き乍ら、私は)
セイラ : (“ぁー”だの、“むぅ”だの、気のない聲を間ゝ)
セイラ : 『興行用が舞台を降りたら、一体何になるのよ』
ハーヴィ : ……(すこし目を丸くして)
シュガーポップムーン : ………
ハーヴィ : ≪”決まってるでしょ”。≫
ハーヴィ : ≪『ハーヴィ』になるんだよ。 ”グレイ” ハーヴィ。 白黒つけないイミテイター。≫
ハーヴィ : ≪──ただの一人の”生き物”に。≫
セイラ : 『“自分”になるって。ふふ』
セイラ : 『随分と哲学的でむつかしい事だわ』
ハーヴィ : ≪命題かもね、イミテイター<オレたち>の。≫
セイラ : 『そうかもね。 あなた達の命題』
セイラ : 『私には、その悩みは分からないけれど』
セイラ : 『まぁ、でも。 何でも佳いわよ』
セイラ : 『イミテイタでも、人間でも』
セイラ : 『友達だもの』
セイラ : 『細かいことは云わないわ』
ハーヴィ : ≪そう。そう思ってくれてるなら本当に嬉しいよ。【心】の底からね。≫
シュガーポップムーン : ……… (ちいさな笑みを浮かべる。)(多分それは、安心の笑み。友達と言うのであれば、そう思ってくれているのであればと言う、少し頼りないロープの上に居る感覚。)
ハーヴィ : (それは”きみ”が? きみの演じているひとが?)
ハーヴィ : (どちらであっても、もらった言葉を無駄なものだと思いたくはないから。)
ハーヴィ : (またひとつ、笑うだろう。)
セイラ : 『……“さて”』(置いて)
セイラ : 『これ以上お喋りしていると、恥ずかしい台詞を際限なく並べてしまいそうだから』
セイラ : (小さく伸びれば、欠伸に似た聲が零れた)
ハーヴィ : ≪気にしなくったっていいのに。オレはお喋りなら楽しいよ?≫
ハーヴィ : ≪ま、結構話し込んじゃったしね。≫
セイラ : 『大丈夫よ。 時間ならあるもの』
セイラ : 『今でなくとも、別に後でも』
セイラ : 『これから先でも、ずっとずっと』
シュガーポップムーン : えへへっ うんっ!おはなし、しましょうね~っ!
セイラ : 『えぇ、勿論』
ハーヴィ : ≪そうだね。またお話したい。≫
セイラ : (話し込んでいる間に、塵風で随分乱れてしまったヴェール)
セイラ : (そっと目を閉じて、指先の感覚儘に整える)
セイラ : 『──じゃ』
セイラ : 『あたしは、今日はこの辺りで』
セイラ : (ひと仕事終えた右の手を)
ハーヴィ : ≪うん、またね。≫
セイラ : (そのまま、ひらひらと躍らせた)
ハーヴィ : ≪ねえ、オレ。≫
シュガーポップムーン : はいっ!おつかれさまですっ、ライ、……セイラさんっ!(一先ずはそうやって、貴方が呼んでほしいだろう方の名で呼んでから、隣の青年が浮かべた文字に気付く。)
ハーヴィ : ≪”ほんとに待ってるから” ”きみのこと”≫ (追いすがる文字。見えるかどうかは、分からないが。)
セイラ : 『ハーヴィは、また来週』
セイラ : 『シュガーポップムーンは、その内に』
シュガーポップムーン : うんっ!
ハーヴィ : ン。
セイラ : (私はきっと、振り返らないのでしょう)
セイラ : (前だけを観て、歩むのでしょう)
シュガーポップムーン : おやすみなさいませ~っ!(その背に向けて声を張って、大きく手を振る。いつも通りの見送り。)
セイラ : (後ろを向くのは、それはきっと)
セイラ : (穢猥と眼を遭わせることになるのを知っているから)
セイラ : (だから、届けるのは聲だけです)
セイラ : (神楽鈴に似た、佳く響く甘いこえ)
セイラ : (それが小さくても、背な越しで聞こえるのは)
セイラ : (きっと)
セイラ : (吐息のおとが、混ざっていないから)
シュガーポップムーン : (遠く、見えなくなるまで手を振り続けて)
ハーヴィ : (そうして、ふう、とハルシネーションが息を吐く。糸が切れたように大きく一度上下運動。)
シュガーポップムーン : (息の音にぱっと振り返る。)
ハーヴィ : ≪どうするのがいいんだろうなあ。≫ (眉尻を下げて、素直な端末が思考を写し取る。)
シュガーポップムーン : (表情から端末の文字、しっかりと視界に入れて)
シュガーポップムーン : きょうのライセさん、今までのライセさんじゃなかった、です。あれが……あの姿が、ライセさんのしたくて、すきなことなら、わたしは……それならそれで、いいなってことも思う……んですけど、(こつこつ、脚先を鳴らして俯いて、思考する。)
シュガーポップムーン : もういちど、……おはなし、してみたい、ですね。(まだ把握しかねている。きっと、“彼女”と話をするには、もっと踏み込まなければならないだろうから。)
ハーヴィ : ≪うん、オレの知ってる”あのひと” ……ポップがライセって呼んでる人じゃなかった。≫
ハーヴィ : ≪ねえ、ポップはさ、≫
ハーヴィ : (切り出すべきか、悩むけれど。)
シュガーポップムーン : (俯いていた顔を上げて、映し出される文字を追う。)
ハーヴィ : ≪”セイラ”が今どうなってるか、わかってる?≫
ハーヴィ : ≪”あのひと”と話す前に、訊いておきたくて。≫
ハーヴィ : (それは、いつかこの場所で彼女と、あなたと話したときに感じた疑問。)
シュガーポップムーン : ………? セイラ…… セイラ様、ですか?(それはblueboxが今も尚動かし続けている人間様の名前。それを示しながら青年の顔を見る。)
ハーヴィ : (頷く。)
シュガーポップムーン : セイラ様はおつかれさまになってて、でも人間様のお医者様だったら治せるっていってましたっ!そのお医者様がみつかるまで、ライセさんはセイラ様のサポートをしてて……セイラ様が起きた時にお友達ができるように、って、お友達を作る練習もしてたので、前もチケットにをお渡ししたんですよ~っ!(笑顔で述べる少女は、まだ現状を理解していない。)
ハーヴィ : …… …… (長い、沈黙。 端末は入力中のステータスを示し。)
ハーヴィ : ≪ポップ、”セイラ”は、≫
ハーヴィ : (言っていいのだろうか。)
ハーヴィ : ≪”あのひと”が動かしている人間は、≫
ハーヴィ : (あなたを傷付けないだろうか。)
ハーヴィ : …… ……
シュガーポップムーン : ………?(表示されては止まる端末の文字に、青年の顔を見上げて)
シュガーポップムーン : ハーヴィさん?
ハーヴィ : ……ッ、(自分で喋るわけでもないのに、喉が震えて。人形の掌が握り込まれる。)
ハーヴィ : (【納得してるのか、彼女を】。 あの日の問いの答えがわかってしまった以上、自分も向き合わないといけないから。)
ハーヴィ : ≪……多分、もう動かない。 死んでしまっているから。≫
シュガーポップムーン : ……、………え?(表示された文字を見て、少しの間。その後に首を傾げて声を零す。)
シュガーポップムーン : えっ……?でも、ライセさんは、Blueboxさんは……(彼女自身から聞いた話と、青年が表した事実とが少女の中でぶつかり合って、思考が混ぜこぜになる。)
ハーヴィ : ≪オレも詳しく知ってるわけじゃない。けど”あのひと”の言葉は、とても”治療をして元気にする”なんてものじゃなかった。≫
ハーヴィ : ≪それに、≫
ハーヴィ : (青年の思考が人間じみていたばかりに気付いた可能性と、)
ハーヴィ : ≪今日、”セイラ”が言っていた。≫
ハーヴィ : (ただそこに転がった事実を。)
ハーヴィ : ≪ 【セイラはもう死んでいる 生き返ることはない】 ≫ ≪ゼータが彼女にそう言ったって。≫
シュガーポップムーン : え………
シュガーポップムーン : (ゼータがそう言っていた。自身に付けられていた部品を外した人間様のエンジニア。イミテイターの事に関して確かに彼はよく理解できている。)(だから、少女はその瞬間、事実を事実として受け止める事となった。)
シュガーポップムーン : (目を見開いて、しばらくそのまま。)(瞳の中のきらめきが小さく揺れている。)
ハーヴィ : ≪オレたちが、話そうとしてるのは、≫ ≪”そういうイミテイター”だ。≫
シュガーポップムーン : じゃあ……じゃあ、ライセさんは……今日のセイラさんは…… セイラ様が起きた時に、そのまま、過ごせるように、じゃなくて……?(あのイミテイターの本心は解らないままだから、どうにか口に出来た思考はそこで止まった。)
ハーヴィ : ≪何、考えてるのかはわからない。≫ ≪けどあれを、オレは、≫
ハーヴィ : ≪……生き返らせようとしてるんじゃないかと、思ってる。≫
シュガーポップムーン : 生き返らせる……
シュガーポップムーン : (表示された文字を繰り返して)
シュガーポップムーン : えっと、わたし、わからない……けど…… それって、出来るんですか…?
ハーヴィ : (首を横に振る。 ゆっくりと。)
ハーヴィ : ≪できたとしてもそれは、≫
ハーヴィ : ≪やっちゃいけないことだ。≫ ≪絶対に。≫
シュガーポップムーン : やっちゃ、いけないこと…… (少女の呟きが空間に落ちる。)
シュガーポップムーン : ………、 ……… (しばしの沈黙。)
シュガーポップムーン : ………わたしは、おねえさまたちがおつかれさまになって、……壊れて、もう二度と一緒に居られなくなって、 ……今ならわかるけど、とっても……いたい、だったんだと、思うの。(小さな声で言葉を口にしていく。)(いたいと感じられるのは、己の中の感情でのみ。その感覚の結びつきはあなたが教えてくれた。)
ハーヴィ : (疲労が分かる/眠気が分かる/空腹が分かる/痛みが分かる/痛みの恐怖が分かる/痛みが死<機能停止>に繋がると分かる。)
ハーヴィ : (”そういうイミテイターだから”)
ハーヴィ : (──それが、恐ろしい事だと、理解してしまう。)
シュガーポップムーン : …ライセさんも、そうなのかな。もし、そうなら…… でも、ライセさんは、役割とか、やりたいこととか、セイラ様の事とか……わたしには、わからないこと、だらけだけど………
シュガーポップムーン : やっちゃいけないことをしないようにしながら、いたいの、なくならないのかな。
シュガーポップムーン : (事実の先に心を痛めるのは、他者が悲しまないかどうか。そのことに対してだった。)
ハーヴィ : ≪セイラには、もう”いたい”はない。≫ ≪けど、喜んだり悲しんだりすることも、ないんだよ。≫
シュガーポップムーン : ………
シュガーポップムーン : どうしたら、いいのかな……。
ハーヴィ : …… ≪オレも、どうしたらいいかわからないんだ。≫
ハーヴィ : ≪”あのひと”のしようとしてる事は、やっちゃいけない事だ。≫ ≪人間の、ルールに反してる。≫
ハーヴィ : ≪でも、≫ ≪たぶん、イミテイターとしての務めを果たそうとしてるって事は、≫ ≪理解できる。≫
シュガーポップムーン : (こくり。頷く。)
ハーヴィ : (いつの日か、”あのひと” と交わした言葉。)
ハーヴィ : ≪ 『それが、オレたちの在り方だから』。 ≫
ハーヴィ : ≪……役目<意義>を取り上げて、その後は?≫ ≪オレには答えが出せない。≫
シュガーポップムーン : ………(衣装の裾を小さく握った。)
シュガーポップムーン : ──いらないものは燃やさなきゃって、おもってたの。だから、次が来たならきっと、わたしの番なんだって。
シュガーポップムーン : でも、今は違くって、 わたし、ずっと、ずっとみんなと笑顔でいたくって、笑顔を届けたくって、
シュガーポップムーン : これが、生きたい、なら、
シュガーポップムーン : ライセさんの生きたい、が、セイラ様を生き返らせる、だったら、
シュガーポップムーン : どうして、あげたらいいのかな……。
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : ≪オレ、バベルが終わるなら、やっと2049をやめられるって思ってた。≫
ハーヴィ : (あなたへの問いの答えは出ないけれど、そんな文字を。)
ハーヴィ : ≪でも、終わると思ったら怖くなって、ゼータが「生き延びてほしい」って言ってくれて、それが”死にたくない”なんだって気付いた。≫
ハーヴィ : ≪”死にたくない”んだ。壊れるじゃない、燃やされるじゃない。機能が停止するじゃない。オレは、ただ死にたくないって。≫
ハーヴィ : ≪みんなと一緒にいたい。≫
ハーヴィ : ≪オレの死にたくないとポップの生きたいは、≫ ≪たぶん、”あのひと”のとは違う。≫
ハーヴィ : ≪違うから、≫ ≪わからない。≫ ≪一緒に≫ ≪なれるのかな≫
シュガーポップムーン : (貴方の言葉を、文字を最後まで見届けてから目を閉じる。必要のない一呼吸を真似て、)
シュガーポップムーン : わからない、けど……でも、
シュガーポップムーン : やっぱり、きっと おはなししないままじゃ、わからないままだから
シュガーポップムーン : また、ライセさんとおはなし、したいな。
ハーヴィ : (頷く。あのひとに、伝えたい言葉がある。わからないなりに、それだけはわかるから。)
ハーヴィ : ≪オレ── | ≫ (入力途中で止まるバー。持ち主も一瞬固まって。)
シュガーポップムーン : …… ?(止まるバーを見て、それから青年の顔を見る。)
ハーヴィ : (ハーヴィには、まだ。)(わかりあえないがわからない。)(ゆえに。)
ハーヴィ : (それを”考え”ようとした時に生じる不具合、ロジックエラー。しかし人間じみた機構はそれを悟らせず。)
ハーヴィ : (よろめいた/頭を押さえて)
ハーヴィ : (てのひらを開いてみせたときのような、小さな呻きとともに。)
シュガーポップムーン : っ、!?(目を見開く)
シュガーポップムーン : ハーヴィさんっ!?(声を挙げて身を寄せて、その肩に触れて支える。)
ハーヴィ : (にせものの呼吸が大きく息を吸って、吐いて。)≪ごめん、頭、急にいたくなって≫
ハーヴィ : ≪これ、考えるとあんまりよくない、のかも。≫ (推察 = このイミテイターは己の機能/状態/仕組を知る術を持っていない。)
シュガーポップムーン : だい、じょうぶですか……っ?えっと、えっと、ゼータ様かエムトハさんにメンテナンス…して、もらいますか……?(そっと触れるか触れないかの程度で、痛むと言われた頭に片手を添えた。)
ハーヴィ : (かぶりを振る。そうするとまた少し頭は”痛んだ”が。)≪大丈夫、けど、≫
ハーヴィ : ≪──今日はもう、帰ろ。 一緒に。≫
ハーヴィ : (添えられた手に触れて。)
シュガーポップムーン : ん…… うん、(文字と、青年の表情とを見て。)(触れた手はそのままに頷いた。)
シュガーポップムーン : あの、あのね、ハーヴィさん。
ハーヴィ : ……ん、
シュガーポップムーン : わたしが……わかってないままだったから、教えてくれたん、ですよね、
シュガーポップムーン : だから……ごめんなさいと……ありがとう、ございます。(微笑む。それは困り笑顔というものだったけれど。)
ハーヴィ : ≪……知らないままでよかったかもしれないのに、教えて、ポップのこと苦しくさせちゃったかも。≫
ハーヴィ : ≪でも、どうしても、言わないとって思って、オレ、≫
ハーヴィ : ≪だから、ごめん。≫
シュガーポップムーン : (小さく首を横に振る。ぱさりと髪パーツが微かな音を鳴らす。)
シュガーポップムーン : 知らないと、ダメなことだとおもうから。
シュガーポップムーン : (触れた手を今度はしっかりと掴んで)(手を握る。)
シュガーポップムーン : ……帰ろ?
ハーヴィ : ん。(頷いて、握られた手はそのまま、握り返し。)
ハーヴィ : (崩れた姿勢を戻して立ち上がれば、あなたの顔を見て。)
ハーヴィ : ≪行こっか。≫(ただそれだけを。)
シュガーポップムーン : うんっ
ハーヴィ : (気付けば立ち込めていた霧に、大きく息を吐き出し。──必要なくても自動的にする仕草。人の動き。)
ハーヴィ : (ベッドの中で眠る少年の姿を見やれば、また大きく安堵で肩を落とし。)
シュガーポップムーン : (なるべく吸い込まないように、と開いた片手で口元を抑えつつ社宅に辿り着く。)
ハーヴィ : ≪帰る場所があるって、≫ ≪安心するね。≫
シュガーポップムーン : (コリンの眠る姿と、一室と、隣の青年と、触れたままの温かさに微笑んで)
シュガーポップムーン : はいっ(眠っている彼を起こさないように、それでも明るく返事をする。)
ハーヴィ : (手は離さないまま、ベッドへと。さながらダンスのエスコートのように、ゆっくりと。)
シュガーポップムーン : (それに合わせて歩を進める。堅い音を立てていた脚先は、寝台に辿り着けば以前のようにまた外されて傍に置かれる。)
ハーヴィ : (すぐに横になる。忠実に人間を模したそれは、エラーが解消された後もいくらか尾を引いているがゆえ。)
ハーヴィ : (そうして外そうとした端末が、何か言いたげに入力中のステータスを表す。 ……この口は隠し事が得意ではない。)
シュガーポップムーン : (狭いシーツの上に同じように身体を横たえて)(緊張という感覚を知らず知らずに纏っていた少女は、いつの間にかそれも脱ぎ去っていた。)
シュガーポップムーン : (はた、と、入力中の端末に視線が止まった。)
シュガーポップムーン : ? (青年の顔を見る視線と、少しだけ首を傾げる動作。)
ハーヴィ : ≪ぎゅってしたい。≫ (表示された文字、少女の視線。漏れ出た本音に視線を落とし、気付く。)
ハーヴィ : ≪あ、≫
ハーヴィ : ≪あの、コリンはいいよって言ってくれたんだけど、ポップは女の子だし、≫ (慌てて表示される言い訳。端末を裏返しにしようと)
シュガーポップムーン : …… (最初に浮かんだ文字と、次に出た短い文字。)(ぱち、と一度瞬きをしてから、)
シュガーポップムーン : (慌てるあなたをそのままに、両腕を広げて伸ばした。)
シュガーポップムーン : (くすくすと笑い声を零しながら。)
ハーヴィ : ……(すこし、悩み。でも、そうしたくて。)
ハーヴィ : (出来る限り、近くにいてほしくて。)
ハーヴィ : (同じように腕を伸ばした。なかなか寝付けない子供のように。)
シュガーポップムーン : (自分より大きな身体に腕を回して抱き寄せる。と同時に頭も寄せて、温かさと其処に在る感覚に笑みを深めた。)
ハーヴィ : (目を閉じて、あなたのほうへ。それと同時に枕元に置かれた端末が≪ありがとう≫と言葉を伝えるが。それが必ずしも見えているとは限らない。)
ハーヴィ : (ずっと鳴り続けていたハルシネーションな早鐘は、それを打ち消す温もりを得たことでゆっくりと落ち着いていく。)
シュガーポップムーン : (端末の文字は見えないけれど、想いは伝わっている。あなたがそう言ってくれていると信じているから、この身を寄せられる。)(回した腕、手のひらは青年をの身体を優しく叩くように撫でて。)
ハーヴィ : (それは、人間でいうなら『うとうととした』様子で。不明瞭な言葉を呟いて。 ──明瞭であっても、わからないけれど。)
ハーヴィ : (やがて、青年の持ったイミテーションによって、【眠りに落ちた】。)
ハーヴィ : (眠りの間際。思い出す。)
ハーヴィ : (イブニングドレスの彼女の声。けど、消灯時間には間に合わず。)
ハーヴィ : (だから最後に想うのだ。今ここにある優しさを。)
シュガーポップムーン : (キャッチした音声には吐息交じりの声で頷くようにしてから、囁く。)(“おやすみなさい”──いい休息を。願わくば、あの彼女にもそれが訪れることを。)
シュガーポップムーン : (やがて、少女も同じように。)
ハーヴィ : (三人分の温もりで、世界はできていた。)