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LOGS

ミレアの森の調査依頼 中編


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この部屋は他と雰囲気が違う。
やはり大部分が結晶で覆われてはいるが、家具や何かの実験道具のようなものが置かれている。誰かがここに住んでいたようだ。

ハーヴィ : ……

マリヤ : (覗き…)

マリヤ : へやだ

シュガーポップムーン : (ひょこ)

コリン : 休めそうだな。

ハーヴィ : ≪ここはなんか、遺跡って言うか、うん。≫

マリヤ : へや だよ ねー?

ハーヴィ : ≪部屋だね。めっちゃ部屋。≫

マリヤ : (視界の端にはベッドがあり)

シュガーポップムーン : おうち?


様々な実験器具や紙類が散乱した机だ。
あなたに知識があれば、その中には一般的に忌避される魔術にまつわるものが混ざっていることも分かるだろう。

コリン : 片付けろよなー。(魔法に疎い。よく分からなかった。)

マリヤ : (ベッドベッドと確認)

ハーヴィ : ≪なんていうか、生活がお得意じゃなさそう。≫(などと、暢気に)

コリン : 生活不得意人間が使ってたか……。

シュガーポップムーン : えっとえっと、ハーヴィさんは、ひとまずベッド、ですっ!


……机の上に「ライラ・バートレー」という人物の名が記された日記が置いてある。
上で魔術協会の術師が語っていたものと同じ名だ。
コリンが[……]を選択しました

ベッドがある。
最近まで使われていたのだろうか。結晶の侵食はほとんど見られない。
あまりゆっくりしている時間はないが、これからの事を考えれば休憩するのも手だろう。

ハーヴィ : ン、(言われてベッドへと)

コリン : だな!(本を一度閉まって)

マリヤ : ベッド もんだい なさそ!

シュガーポップムーン : ! よかったです~っ

ハーヴィ : ≪丁度装備のセットアップもしたかったんだ。よかった≫

マリヤ : せっとあっぷ…

コリン : ならちょうど良かったな。

ハーヴィ : (言って、ベッドの縁に腰を降ろし。)≪うん、そろそろ調整が……≫

ハーヴィ : ……。

シュガーポップムーン : (いたいのいたいのとんでいけ~のハンドパワーポーズだ。)

マリヤ : できてきた ってこと?(とんでいけ~を真似つつ)

ハーヴィ : (言って。自己メンテナンスを始め。先日出来た先生に教えてもらった、長く元気でいる方法。)

ハーヴィ : ≪うん、もうあとちょっと、なんだけど。≫

ハーヴィ : (と、手が止まり。)

シュガーポップムーン : あとちょっと……(そっとその様子を眺める。)

マリヤ : …?

シュガーポップムーン : ?


ハーヴィ : …… ≪さっきの戦闘で壊れてなくてよかった。≫

コリン : ……(じっとその様子を見て)

ハーヴィ : (掌から出てくる旧型鋼線操作デバイス。……フレームにヒビが入っている。)

マリヤ : …あっ

ハーヴィ : ≪さっきの敵、硬かったからね。≫

シュガーポップムーン : あ…

コリン : それ……!

コリン : ハーヴィがいっつも使ってる奴だろ……!?

ハーヴィ : (ヒビの部分をテープで止めて、ネジを締め直す。)≪うん、けどかなり古い。”お下がり”だから。≫

ハーヴィ : (そうしてまた、同じ場所にセット。)

シュガーポップムーン : それ、つかって、へいき……?ですか…?

マリヤ : だいじょうぶ……?

ハーヴィ : ≪もうちょっとくらいはね。不安定な方を使うのイヤだし……。≫


コリン : 前言ってた、"お姉ちゃん"たちから貰った奴、か……?

ハーヴィ : ≪ううん、おねえちゃん達よりもっと前の”先輩”たち。≫ ≪RBの戦闘用イミテイターが使ってた奴だよ。40年くらい前にね。≫

マリヤ : せんぱい…

コリン : 40年前って、すっげえ前じゃん!

ハーヴィ : ≪そ、だからそろそろガタが来てる。≫

シュガーポップムーン : (少し、考えてから。)

シュガーポップムーン : ……わかりましたっ!でもでも、何かあったり、わたしたちがお手伝いできること、あったら言ってくださいねっ!

マリヤ : すっごい ながく がんばってる…

ハーヴィ : ≪うん、ありがと。オレはそこまで問題なさそうだから、みんなも休んで。≫

コリン : うん……!ハーヴィも、無理しないでくれよな。

シュガーポップムーン : はいっ!

マリヤ : むり しないの だいじだいじ やすも っか


ハーヴィが[休憩する]を選択しました

あなた達は各々休息を取った。

ある程度の疲労は取れただろう。
さあ、探索を再開しよう。

ハーヴィ : ン!(メンテナンスが終わり。完全お元気イミテイター!)

マリヤ : おげんきっ

シュガーポップムーン : (かつりかつり、と脚先を鳴らして。)(こちらも休息は取れたようだ。)

シュガーポップムーン : おげんき、ですっ!

ハーヴィ : ≪さ!続き続き!≫ (と、すっかり冒険気分で)

コリン : うお……。(中々に倫理的にマズいものが陳列されており、一歩下がった)

マリヤ : ? なんか あった?

ハーヴィ : (少年のほうに近付こうとして、一歩下がった少年に小首を傾げ)

シュガーポップムーン : ?(そちらを覗き込んだ)

ハーヴィ : ? ≪どしたの? コリン≫

シュガーポップムーン : ………

コリン : いや、なんか、キモいもんがある……。

ハーヴィ : (そうして少年が見やる先を)


これは……。
妖精などの生物が薬液に浸けられ、棚に並べられている。

マリヤ : き?

シュガーポップムーン : あ……

ハーヴィ : ……(「え、」と小さな声が漏れる。)

コリン : マリヤは見ない方がいーぞ……。

ハーヴィ : ……


身体の一部が失われていたり、
結晶に侵されて痛々しい姿を晒しているものが多い。
瓶には日付とコメントが書いたラベルが貼られている。

シュガーポップムーン : ……マリヤ様っ(振り返って)

マリヤ : なん(覗き込もうとしていた) わっ

ハーヴィ : ……ン゛(小さく呻く。)


 『×××××を切除。大人しくなったけど侵食反応は低下』
       『いい検体』 
           『ベースとして採用』
  『侵食に負けた。』     『使えない』

シュガーポップムーン : わたしといっしょに、あっちの方を調べましょ~っ!

シュガーポップムーン : (小さな手をそっと掴んだ。)


……。
見るに堪えないものばかりだが、
その中に「浄化薬」と書かれた薬品をいくつか見付けた。
どうやら結晶による浸食を治療する薬のようだ。
といっても効果はあまり高くないようだが……。

魔術師にかけてもらった魔術も万全ではないかもしれない。
確保しておいて損はないだろう。

[浄化薬] を手に入れた。

ハーヴィ : (マリヤの肩を叩き。棚にあった薬品を渡す。)

マリヤ : ……(今はまだ知るべきじゃないこととして、選ばれたことなんだろう)(なんとなくそう察して)

マリヤ : ん(掴まれた手を握り返し、頷いた)

ハーヴィ : ≪ひどい≫ (ぽつりと画面に文字。)


様々な実験器具や紙類が散乱した机だ。
あなたに知識があれば、その中には一般的に忌避される魔術にまつわるものが混ざっていることも分かるだろう。
……机の上に「ライラ・バートレー」という人物の名が記された日記が置いてある。
上で魔術協会の術師が語っていたものと同じ名だ。

マリヤ : ごちゃごちゃ… ほんある

コリン : 本だな……、日記っぽい。

シュガーポップムーン : (机を調べ始め…)……あっ

ハーヴィ : (ふるふると首を横に振って。)≪そうだ、さっきの。≫

シュガーポップムーン : このお名前、あぶない魔術師さん……

マリヤ : だねー……

コリン : こいつが使ってた、のかな……。

シュガーポップムーン : (マリヤにも見えやすいようにしつつ、ページを捲る。)

マリヤ : (覗き込んで)

ハーヴィ : ≪多分、そうなんだろうね。≫(棚のほうを見やり。なるほど、危険人物かと)


シュガーポップムーンが[【1】]を選択しました

今日、ついに魂蝕晶石の精製に成功した。

マリヤ : むつかしい もじ

マリヤ : (開幕)

コリン : むつかし、だな。

ハーヴィ : (必要に応じて端末に変換した文字を出すだろう。)

マリヤ : ありがとっ … ぬーん

シュガーポップムーン : (ハーヴィに向かって頷いて)


これで私の研究は次のステージに進むだろう。
かねてからコネクションを得ていた×××××教会の助力で
魂源支配に関する知識も手に入れる事が出来た。
この二つを組み合わせる事が出来れば
これまでの魔術なんて比べるべくもない、
革新的な世界が始まる。
そして、その中心にいるのは私。
ようやくくだらない権威主義者達を
椅子から引き摺り降ろすことが出来る。

マリヤ : ふやすの できたから こうなったの かなー(侵食してる結晶を見つつ)

ハーヴィ : ……(さっそく子供に読ませていいものか悩む内容。)

コリン : そうっぽいなあ。

マリヤ : むつかしい こと しか かいてない!

シュガーポップムーン : えっと、えっと……

ハーヴィ : ≪変換/要約:「力を手に入れて偉くなるぞ!」≫

シュガーポップムーン : えらい人間様より、もっとえらい人間様になるため……ですねっ

ハーヴィ : ≪で合ってる?≫

コリン : 分かりやすい!

マリヤ : おー(わかりやすい!)……もっと えらく…?

マリヤ : (それで何が良いのかよくわからない、という顔で)

シュガーポップムーン : (ページを捲る。)


シュガーポップムーンが[【2】]を選択しました

魔術協会から逃げて、どれくらい経っただろう。
まったく馬鹿馬鹿しいほどの懐古主義。
死霊術を研究していたらなんだというの?
実験用のネズミの蘇生を悪だと言うのであれば
死んだ獣の腹にメスを入れるほうが余程残酷じゃない。
私はそれを修復するために研究をしているというのに。
それだけじゃない。
私の美しいきらきらと組み合わせる事で
生物はより強く、美しい姿になる事が出来る。
一体何がいけないの? 許せない。いつか必ず復讐してやるわ。

ハーヴィ : ……

マリヤ : ねずみ?(そこだけ自力で読んで)

マリヤ : と きらきら…

ハーヴィ : (変換も要約も、まだ端末は映し出さない。)

シュガーポップムーン : うーん、うーん……

ハーヴィ : ≪死霊術:死んだ生き物を生き返らせる魔術。してはいけないこと。≫

マリヤ : ……、(その言葉を見て、止まる)

ハーヴィ : (内容への言及はなく。ただそれだけを)

シュガーポップムーン : きらきらをつかって、あの魔物さんを作り出してるって、こと…

マリヤ : そうしても …… べつ なんじゃ ないの

コリン : べつ?

マリヤ : アンジェロが いってた じぶんは…… いちど なくなったひとの からだ つかってるけど

マリヤ : おなじ じゃないし べつ だって

ハーヴィ : ≪あの、あれが、作られたもので、生き物が材料になってて、 ……?≫

コリン : えっ、アンジェロってそうだったのか……。

ハーヴィ : ≪……でもオレ、あれを、アンジェロと同じだとは思えない……。≫

マリヤ : うん あたし あの このひと べつ の ものを つくって なにが したいんだろ って…

シュガーポップムーン : アンジェロさんは、あぶないこと、いたいこと、してきませんっ

シュガーポップムーン : このひとは…… うーん……

マリヤ : アンジェロ みたいに なんだろ ちゃんと してない っていうか…

マリヤ : (イミテイターたちの言葉に頷きながら)


ハーヴィ : (すこし考えてから。) ≪アンジェロは、おばあさんのお世話…のために、おばあさんを安心させるために、作られたイミテイター。≫

ハーヴィ : ≪”あれ”とは同じじゃない。同じだって思いたくない……。≫

シュガーポップムーン : つよくて、きれいなものを、つくりたい…?でも、危険で、痛いことをしてくるきらきらになっちゃいます……。

コリン : おれは……、正直、よく分かんない。アンジェロともそんなたくさん話したわけじゃないしな……。

シュガーポップムーン : だから、あのきらきらとか、このひとがしてること、アンジェロさんと一緒だとはわたしも思えないですっ

ハーヴィ : ≪優しくて、いいイミテイターだよ。≫

マリヤ : ん……(頷く)

コリン : ハーヴィとシュガーがいうなら、そうなんだろーな。


マリヤ : あ … そっか えっと このひと べつになる のに きらきらつけて あぶないものにさせて それなのに おなじっていうから

マリヤ : こわい ん だと おもう……

ハーヴィ : …… (子供の、恐らく己よりも本能的で直感的な言葉。考え<演算す>る。)

シュガーポップムーン : (そっと、マリヤの頭を撫でる。)

ハーヴィ : ≪良い事と悪い事が、一緒になってる、?≫

マリヤ : ……の かも

マリヤ : (大人しく、撫でられ)

コリン : (こわい?首を傾げてマリヤの言葉を聞く。 あまり自分にない感覚だった。)


ハーヴィ : ≪良い事と悪い事、混ぜたら灰色で、≫ (『灰色』は、己の命題。)

ハーヴィ : ≪けど、これは、どこまでが灰色、なんだろうね。≫

コリン : ん、ん……。

シュガーポップムーン : うー、ん……

ハーヴィ : ≪オレには、真っ黒に見える。≫

コリン : おれは……、誰かのためとかじゃなくて、このライラって奴が全部自分のためにやったことに見える。

シュガーポップムーン : じぶんのため…… だけ?

コリン : ん。自分のきらきらをもっと美しくしたいって。そういう風に見える。

コリン : だから、おれもハーヴィと一緒。真っ黒だって思うよ。

マリヤ : …… そっか だから だから かあ こわいの……

ハーヴィ : ≪みんなのため、は建前。白く見せてるだけ、≫

ハーヴィ : (頷き)

ハーヴィ : …… (そうして、人形の指がページを捲るだろう。)


ハーヴィが[【3】]を選択しました

きれい。
きれいきれいきれい。
どんどん増えていく。
協会を出たのは正解だった。
ここなら研究に没頭できるし、
実験動物もそこらじゅうにいる。
何よりこんな場所にまだ稼働している遺跡が
眠っていただなんて夢にも思わないでしょう。

シュガーポップムーン : 見えてる笑顔は、このひとのだけ……(と、呟きながら、捲られたページを見た。)

ハーヴィ : (少年の、少女の思考の答えがそこにある。)


私のきらきらは、死霊術の力を得て
触れたものを自らの支配下に置くことが出来るようになった。
いずれ生物以外への侵食性も示すようになるでしょう。
この子のために生きることが出来るだなんて幸せね。

問題はその母体…… 司令を出す本体ね。
たくさんの生き物と掛け合わせたけれど、
植物系の魔法生物と相性がいいみたい。
丁度アルラウネの幼体を手に入れたからそれを使いましょう。
あとはそれを私がコントロールできればいい。

頭がふわふわする。すごく気分がいい。
もうすぐこの子のための世界が来る。
全部きらきらになる。きれい。すごくきれい。

マリヤ : (この子のために 生きること 幸せ)(読めた。瞬きをする)

コリン : なんかどんどんヤバくなってねーか?

シュガーポップムーン : …………

ハーヴィ : ≪ヤバい、と思う。生き物にも手、出してるし、≫

ハーヴィ : …… ≪イミテイターだってこんな風には作られない。≫

マリヤ : そっか そうだ そうだ ね だから ちがう ちがうんだ……

コリン : 頭おかしくなってるように見えんのに、ちゃんと考えて動いてて、なんていうか……。

コリン : 確かにちょっとだけ、怖い、な。

シュガーポップムーン : あぶない、ですっ!ぜんぶきらきらになっちゃうのは……

ハーヴィ : ≪うん……。≫

ハーヴィ : (最後のページを捲る、人形の指。──粘土から生まれた、作り物のそれ。)


ハーヴィが[【4】]を選択しました

……『マザー』を作り出す事には成功した。
けれどあれには魂がない。
今は眠らせているけれど、あんなものただ暴れるだけで
私たちに必要なきらきらじゃない。
全部私とこの子のものにしなくては意味がない。

ハーヴィ : ≪もう『みんなのため』はなくなっちゃったみたいだ。≫

マリヤ : ……


私は一つの結論にたどり着いた。
私とこの子の意志を最も強く反映させるもの。
意思の根源たるもの、魂。
ここに最も適した養分がある。

コリン : 私とこの……、アルラウネ?って奴のためっぽいな。

シュガーポップムーン : ………

ハーヴィ : (魂、生命、意思の根源。近いようで遠い言葉たち。)


あの子に取り込まれるなんて、
こんなに嬉しいことないわ。
私が、わたしがきらきらになる。
きらきらになれる。きらきらになれる。きらき
 ら 
  きら
 き

シュガーポップムーン : ………、

コリン : うわ……。

ハーヴィ : ……

マリヤ : ……これ

マリヤ : このひと も きらきらに なっちゃった って、(こと、と。魔物の姿を思い出す)

コリン : 多分……、だよな……。

ハーヴィ : (こくりと)

ハーヴィ : ≪なんでこんな事になっちゃったんだろう。途中まで普通だったのに……。≫

シュガーポップムーン : ……それで、きっと、もっといけないものを……作っちゃった、のかも、です。

マリヤ : (自他の幸福、区別を無くした果ての手記を見つめ)

シュガーポップムーン : きらきら……

コリン : 分かんない……。それもきらきらのせい、なのか……?

シュガーポップムーン : 蝕まれるって、そういうこと、なんでしょうか…

ハーヴィ : ≪危ないものだって言ってたから、あるいは。≫

ハーヴィ : (そうして日記を閉じ)


ハーヴィが[……]を選択しました

……日誌の最後のページに何かが挟まっていた。
金細工の鍵を手に入れた。

ハーヴィ : ……?

シュガーポップムーン : ?

コリン : ?

コリン : しおり?

ハーヴィ : ≪鍵……だ。どこのだろう。≫

マリヤ : かぎ

シュガーポップムーン : 鍵

コリン : なんか鍵つかうっぽい所ってなかったよな?

ハーヴィ : ≪とりあえず持っておこう。こう広いとまた使うところがありそう>

シュガーポップムーン : ううーん(本棚にはいくつかの本があるが、鍵を使うようなものはなく)

コリン : ん、だな。

マリヤ : あとで かぎあな みつかる かも かも

マリヤ : あ こっちも ほん いっぱい

シュガーポップムーン : あっ

ハーヴィ : (言われて本棚のほうに近寄り)


魔術に関する本が並んでいる。

シュガーポップムーン : 魂触晶石について…

マリヤ : あぶない いしに ついての ほん?

シュガーポップムーン : はいっ!他にもご本、いろいろありますね~っ

ハーヴィ : (一冊目の本を取り出し、最初のページ。)


魂触晶石とは結晶魔術の媒介のひとつであり、
自然界には存在しない物質である。
かつての魔道師×××××=×××××が生み出して以来、
厳重にその精製、使用が禁止されている
『禁忌指定物質』のひとつである。

ハーヴィ : ≪禁忌 っていうのは絶対にダメってことね≫(と、マリヤへ)

マリヤ : ん

ハーヴィ : ≪えっと、それで……≫(続きを読み)


この魔晶石の一種には魔術を増幅させる力がある反面、
触れた者の精神に作用し、様々な悪影響を及ぼす。
特に問題視されているのは
社会的道徳心の著しい低下である。

この魔晶石を所持していると、
所持者は魔晶石から得られる魔力により
万能感や高揚を得る。
しかしそれが長期的なものになると、
使用者はより強い力を得る事を渇望するようになる。
一種の麻薬性があるそれは、
持ち主にあらゆる法や社会通念上を踏み越えてでも
達成しようという過激な行動を引き起こさせる。

ゆえに『魂触晶石』と呼ばれる。
事実、最初の発明者である
魔道師×××××=×××××は
××××年の事件において捕縛の後
魔術協会の永久追放、並びに処刑が行われている。

その危険性のため、
現在の精製法は厳重に秘匿されている。

コリン : どれもなんかヤバい思想の本ばっかだな……。

ハーヴィ : ≪ああ、なるほどそれで。≫ ≪あぶないきらきらを持ってると、強い!すごい!って気持ちになって、もっと強くなるために悪い事しても平気になっちゃう≫

ハーヴィ : ≪……どれもこれもって感じだね。≫


妖精や精霊などの生物に関する、専門的な解説書のようだ。
注意書きがある。

『本書で紹介される魔術性生物の実験利用は、生命倫理、
及びその危険性から固く禁じられている。
本書に記載のある性質はあくまでも生態研究の一環であり、
適切な観察方法によって観測されたものである。』
……。

マリヤ : わー…

シュガーポップムーン : みたい、です……

ハーヴィ : (妖精や精霊の解説書。少女には見せなかった、棚に並べられたものたち。)


……ある種の魔術は、
肉体への作用に留まらず
生物の魂への深刻な汚染を引き起こす場合がある。
また、その性質から死霊術、支配術への転用の危険もあり、
特に魂蝕晶石については研究自体が禁止されている。
これらを本書では「魂源的支配」と定義し……

文字に被って、力強い筆跡で走り書きがされている。

『こんなの間違ってる!
魔術の可能性を信じないで進歩の道を閉ざす頭の悪い魔術師ども。
私は違う。私が愛しいこの子の事を認めさせてみせる。
きっと全部を後悔する時が来る!』
……。

シュガーポップムーン : もう、あぶないきらきらに、ぜんぶのみこまれちゃって、

シュガーポップムーン : だからこうなっちゃった……って、ことですね。

マリヤ : ……

マリヤ : (三冊目の、内容もよくわかったわけではないが。明らかに別の筆跡のそれは)

マリヤ : (誰かを思って書かれたものではないのは、確かなのだろうなと思った)

マリヤ : (そうして四冊目)…?

ハーヴィ : ≪……これ、絵本?≫

マリヤ : これ だけ えほん?

シュガーポップムーン : 絵本、ですね~っ

ハーヴィ : ≪なんで絵本?≫ (と、捲り。)

シュガーポップムーン : (覗き込んで)

コリン : あ、それ。なんか……

コリン : キショかった(?)

マリヤ : き


かわいらしい幽霊や魔法使いが描かれた表紙だ。
中身も子供に向けた優しい口調と挿絵が多いが……。
「そう見せかけているだけ」の、本格的…… いや、冒涜的な内容の書籍だ。

あなたにそういったものの知識があれば、
あるいは察しが良いのであれば、
これがどこかの活動的な邪教徒が彼らの思想を広めるために流布したものだと気付くだろう。

意図して所持していれば、最悪の場合法に触れてもおかしくない内容だ。
何故こんなものが……。

ハーヴィ : (……書いてあるのは、かわいい絵と優しい文字で書かれた、死霊術賛美。)

ハーヴィ : ≪……騙そうとしてるのかな、読んだ人の事。≫

マリヤ : ……

シュガーポップムーン : うーんうーん、ダメなことが描いてあります…よねっ

ハーヴィ : ≪死霊術は、絶対ダメ。≫

コリン : 絵本なのに、書いてあることが難しすぎるし、押し付けられてる感じすんだよなー。

シュガーポップムーン : ダメっ

マリヤ : だめ…

マリヤ : だ ね

シュガーポップムーン : はいっ!


ハーヴィ : ≪……今から行くのは、”そういう危ない人”のところ。なんだよね≫

シュガーポップムーン : そう、ですねっ ……

マリヤ : …… とめなきゃ って おもうのは かわんない けど 

コリン : 正しくはそいつは多分もうきらきらになってるから……、そいつの子ども?

マリヤ : このひと は もう もどれない (のかな、と言いかけた口を閉じる。…壊れたものは、戻らない)

ハーヴィ : ≪わからない、ライラって人が今どういう状態なのか。オレには魂とか、よく分からないから……≫

コリン : 暴れるだけ、って書いてあったけど、一緒になって結局どーなったのかな……。

ハーヴィ : ≪戻れたら、いいんだけど。≫

マリヤ : (それがよく分かっているから。勝手に話に出してしまったアンジェロのこと、申し訳なく思う。完全に別物だと分かった)(一度壊れたもの、失ったものは戻らない。”直してあげる”とか、そんな言葉で一緒くたにしていいんじゃないんだろう)

シュガーポップムーン : ……わからない、です。けど。でも……

シュガーポップムーン : ダメな事を、止めなきゃいけないのは、前に…進まないといけないのは、きっと、そうだとおもいますっ

マリヤ : ……うん

コリン : ん、だな。

ハーヴィ : (こくり)


シュガーポップムーン : じゃあじゃあ、(きょろ、と周囲を見回して……) ほかは、調べられるものは~っ……

マリヤ : ぜんぶ かくにん した?

シュガーポップムーン : かな?

ハーヴィ : ≪……多分。≫

コリン : 多分……。困ったら見に来るぐらいでいいんじゃね?

マリヤ : ん!

シュガーポップムーン : はいっ!そうしましょ~っ!


ハーヴィ : ……

ハーヴィ : (「危ないひと」を相手に、壊れかけのこれでどこまで戦えるだろう。少し悩んで、部屋を出た。)



マリヤ : こっちは…

コリン : お、鍵穴。

シュガーポップムーン : あっ

マリヤ : かぎあな!

シュガーポップムーン : さっきの鍵、どうですか~っ?


先程手に入れた鍵が使えそうだ。
貼り付いた結晶が削れるような音を立てて、扉が開く。

ハーヴィ : ン。(先程の鍵を差し込み) ≪合ってるね≫

マリヤ : ぴったり

シュガーポップムーン : ぴったりですっ!わ~っ!

シュガーポップムーン : (ひょこ) あっ

マリヤ : あ!

ハーヴィ : ン? ン!≪さっきのとこだ≫

シュガーポップムーン : さいしょのおおきなところですっ!

コリン : ん、ん?戻ってきたな……

マリヤ : てんびんの とこだ ね!

マリヤ : つながってたんだ

ハーヴィ : ≪みたいだね。でも、ええと、今何も持ってないよね。≫

コリン : だな。ん-……、ドラゴンの目から引っぺがしてくるか?

ハーヴィ : (天秤に乗せるものがない、と祭壇を指し)

シュガーポップムーン : おめめ

マリヤ : ないよね べり しちゃう?

シュガーポップムーン : あと、もうひとつ行ける方もありましたっ!

マリヤ : あっ ほんと?

ハーヴィ : ≪あ、廊下で戦ってた時の後ろ側?≫

コリン : もういっこ?

シュガーポップムーン : はいっ!

ハーヴィ : ≪見えづらいけど、扉あったね。≫

コリン : マジか……、全然気づいてなかった。ありがとな、シュガー。

シュガーポップムーン : そっちも一度、見てみますかっ?

マリヤ : みてみよ っか!

コリン : 見てみようぜ!

シュガーポップムーン : えへへ~ はいっ!



先程の部屋にあったものと同じドラゴンの像だ。
台座に文字が刻まれている。

シュガーポップムーン : (ひょこ)

マリヤ : ドラゴン!!!

ハーヴィ : ン、

マリヤ : にひきも いる

コリン : 別の部屋にあったのと同じだな。

ハーヴィ : ≪豪華だね。≫

シュガーポップムーン : ドラゴンです~っ!


ふたつの視線交わりし時、
汝贄を得るであろう。

……。
!参照可能な情報が追加されました。

マリヤ : あ もじある

コリン : ふたつの視線?

シュガーポップムーン : もじ!

コリン : 分かりやすいけど分かんねえ。

マリヤ : それ

ハーヴィ : ≪ふたつ…… ふたつ?≫

マリヤ : ふたつー…

シュガーポップムーン : えっと、さっきのドラゴンさんは、わたしたちから見て、左を見てて……

コリン : お、

コリン : 向き変えられる

マリヤ : ほんと?

シュガーポップムーン : ほあ~

ハーヴィ : ≪廊下の長さ、あんまり変わんなかったよね。だから部屋の位置も多分……同じあたり?≫

シュガーポップムーン : じゃあじゃあ、ドラゴンさんたちを、こう、

シュガーポップムーン : ぱち~っと

コリン : 目合わせるようにしたらいい、ってことか?


ドラゴンの像だ。左を向いている。 マリヤが[調べる]を選択しました
何か見付かるだろうか?
目標値:13 <= 3d + 感覚補正 + フォーチュン
ハーヴィ:成功!(16)([1,6,4]+5)
コリン:成功!(クリティカル)([4,4,4]+7)
シュガーポップムーン:成功!(17)([6,6,1]+4)
マリヤ:成功!(14)([6,3,1]+4)
コリン : 出来たぞ!
ハーヴィ : (にぱ……!)
マリヤ : あたし できるよ!
シュガーポップムーン : ごーごーっ!
よく見ると、この台座には回転させたような跡がある事に気が付いた。

ハーヴィ : (コリンが言う通り、回すことが出来そうだ。)

ドラゴンの像だ。左を向いている。

ハーヴィ : ≪あ、ほら。跡付いてる。ぐるって。≫

マリヤ : せーの で いける かな?

シュガーポップムーン : じゃあじゃあ、ぐる~っ!ってしてみましょ~っ!

ハーヴィ : ン!

シュガーポップムーン : (像に手をかけて)

コリン : おう!

シュガーポップムーン : せ~のっ!

マリヤ : (ぐる~っ!)

ハーヴィ : ン~!

コリン : (ぐる~っ!)

シュガーポップムーン : え~いっ!


ハーヴィが[像を回す]を選択しました

像を回転させた。
どこかで物音がした。
……像の裏側にも何か文字が刻まれている。

マリヤ : まわった!

シュガーポップムーン : まわりました~っ! ?

ハーヴィ : !


『瞳は雷を宿す。』
……。

コリン : ?

コリン : 雷……

ドラゴンの像だ。右を向いている。

ハーヴィ : ≪さっきのは、暗き瞳を与えよ。≫

シュガーポップムーン : ?

マリヤ : ながくない し むつ… むつかしくない


……?
ドラゴンの像の視線の先に何かが落ちている。

ハーヴィ : ≪今のは、宿してる。≫

コリン : なんか落ちてる


首のない人形を手に入れた。

シュガーポップムーン : 宿して……かみなり……

ハーヴィ : ≪かわいそう……。≫

コリン : 首がない……。

マリヤ : それ … ちぎれちゃってる!

ハーヴィ : (首がない人形を見て。)

マリヤ : どこ いっちゃったん だろー

シュガーポップムーン : おにんぎょうさん、あたまがありませんっ!

ハーヴィ : ≪あ、≫

ハーヴィ : ≪ドラゴンが見てる真ん中……≫ ≪とりあい?≫

シュガーポップムーン : とりあい…?

マリヤ : とりあい

ハーヴィ : ≪人間を食べるドラゴンも……いる。≫

コリン : あっちのドラゴンは首持ってるってこと?

コリン : 人間を……。

ハーヴィ : ≪かも……。≫

シュガーポップムーン : ふたつのしせん……にえ……かみなり……

マリヤ : ぬ…


ドラゴンの像だ。右を向いている。
シュガーポップムーンが[もう一度調べる]を選択しました
回転させた像の目に石が嵌まっている。

ハーヴィ : ≪目だ!≫

シュガーポップムーン : (回転させた像を見上げる。)

コリン : お、こいつは最初から目がついてる。

シュガーポップムーン : おめめ、ありますっ!

マリヤ : きいろ!

シュガーポップムーン : ……はっ


雷雨の石を手に入れた。

ドラゴンの像だ。右を向いている。
これ以上は何も見つからなさそうだ。

シュガーポップムーン : おそらのがおーっ!は、かみなりさん?

マリヤ : !

ハーヴィ : !!

ハーヴィ : ≪ポップ、かしこい……!≫

マリヤ : かしこい!!

コリン : ん、そういえばそんなのあったな……。確かにそうかも!

コリン : シュガー、かしこい!

シュガーポップムーン : わたしは、かしこいイミテイター…ですかっ?

シュガーポップムーン : えへへ~っ お力になれてうれしいですっ!

ハーヴィ : ≪超・かしこ・イミテイター かも!≫

マリヤ : かしこかしこ!

コリン : かも、だ!

シュガーポップムーン : 超・かしこ・イミテイターっ(復唱イミテイター)

マリヤ : (\ワーッ/)

ハーヴィ : ≪超・かしこ・イミテイター!超・かしこ・イミテイター!≫

コリン : 超かしこイミテイター!

シュガーポップムーン : (気恥ずかしうれしイミテイターとなった)

ハーヴィ : ≪よし、じゃさっそく試しにいこ! きっと合ってるよ!≫

コリン : おうっ!

シュガーポップムーン : はいっ!いってみましょ~っ!

マリヤ : ごー!


ハーヴィ : ≪えい係さん!≫


台座がある。
マリヤが[石を取り外す]を選択しました
陽光の石を手に入れた。

マリヤ : はー

マリヤ : い!(えい!)


マリヤが[中央に嵌める]を選択しました
赤い石を中央の台座に嵌めた。
……
陽光の石を失った。

シュガーポップムーン : いっ!

シュガーポップムーン : わ~っ

シュガーポップムーン : (ぱちぱち)

マリヤ : (フスン)



『掲げし怒りは天の咆哮を浴びて動き出す。』
……ドラゴンの石像から手に入れた黄色の石が嵌まりそうな窪みがある。

マリヤ : がおーっ の じかん

シュガーポップムーン : (ひょこ)あっ

シュガーポップムーン : がおーっ!できそうですっ!

ハーヴィ : ! ≪ここ、穴あいてる!≫

マリヤ : おー!

ハーヴィ : ≪ポップ、がおーしてみて!≫

シュガーポップムーン : えいっ!がおーっ!(石を嵌めこむ……)

コリン : がおーっ!


シュガーポップムーンが[嵌めてみる]を選択しました
黄色の石を窪みに嵌めた。
……!

雷のようなけたたましい音とともに、突如部屋全体が激しい光に包まれる!

マリヤ : がおーっ わっ

シュガーポップムーン : ひゃわ!

コリン : うおおおっ……!!!

ハーヴィ : (びく!!)


……光が収まると、あなた達の足元に黄色い石が落ちた。
一体なんだったのだろう……。

ハーヴィ : ……?

コリン : ほ、ほんとに音鳴るとは思わないだろ……。

マリヤ : (瞬き) び っくり した

シュガーポップムーン : はわ わ だいじょうぶですか~っ?

コリン : あ、明るくなった。


少し焦げ付いて、結晶が一部剥がれ落ちた女の像だ。
内部で何かが動いている音がするが……。

ハーヴィ : ≪明るくなった……。何だろ?≫

シュガーポップムーン : ?

マリヤ : あ ほんとだ あかるい…


それ以上変わったことは見受けられない。
他にもするべき事があるということだろうか……。

ハーヴィ : ≪さっきの像…… ……? 中で音がする。歯車かな≫

コリン : でも何か外で音鳴ったりもしてない……よな?

マリヤ : はぐるま…

シュガーポップムーン : なんでしょう~っ 焦げてます…


少し焦げ付いて、結晶が一部剥がれ落ちた女の像だ。
内部で何かが動いている音がするが……。
それ以上変わったことは見受けられない。
他にもするべき事があるということだろうか……。

コリン : ん~~

シュガーポップムーン : あっ

マリヤ : ぬーん

コリン : ぬーん、だな。

シュガーポップムーン : みっつ……おそらの石!

ハーヴィ : (ぬーん)(ぬん?)

マリヤ : ぬ。 なんで うごか… ぬ?

コリン : おそらの石……、入口の方見てみるか?

シュガーポップムーン : えっとえっと、ここにひとつあって

ハーヴィ : ≪むこうの像にひとつ。で、≫

コリン : あとはドラゴンの目にひとつ。

マリヤ : みっつだ!

シュガーポップムーン : 守護者さんのもとに、って、これですかっ?



そういえば……。
道中で手に入れた石はすべてこの台座に嵌まるサイズだ。
像には三つの窪みがある。

マリヤ : あいそう?

コリン : お。

コリン : はまりそう!

ハーヴィ : !! ≪試してみよ!≫

シュガーポップムーン : えいっ!ですっ!(えいをした。えい!)

マリヤ : わーっ


シュガーポップムーンが[黄色い石を嵌める]を選択しました
黄色い石を嵌めた。
雷雨の石を失った。

シュガーポップムーン : はっ

マリヤ : ぴったり!

ハーヴィ : ≪あ、影できてる!むこう!≫

シュガーポップムーン : かみなりは、ぴかーってするので、かげもできる…!

マリヤ : なるほど…



彫像の目には石が嵌まっている。

ハーヴィ : ≪返してね~≫ (と、像に手を伸ばし)

マリヤ : みっつめ~


ハーヴィが[石を外す]を選択しました
……。

部屋の外で何かが動く音がした。
曇天の石を手に入れた。

コリン : ちょっと借りるぜ~

シュガーポップムーン : みっつめ~、ですっ!

コリン : 何かまた音がしたな……



マリヤ : あ

シュガーポップムーン : ぴかぴかなくなってますっ

ハーヴィ : ≪魔方陣は止まっちゃった……。像と連動してるんだね。≫

コリン : あ、そっか。もういけなくなるんだな。

マリヤ : みたい

シュガーポップムーン : みたいですっ!

ハーヴィ : ≪うん、けど向こうの部屋、鍵開いてるから大丈夫。≫

コリン : でもあっちはもう探索し終えたしな。

コリン : ん!


像には三つの窪みがある。

マリヤ : ラストえい の ひとっ

ハーヴィ : ン!≪えい!≫

シュガーポップムーン : えいっ!


ハーヴィが[黒い石を嵌める]を選択しました

黒い石を嵌めた。

曇天の石を失った。


3つすべての石を台座に収めた。

コリン : ヨシ!

マリヤ : みっつの えい!

ハーヴィ : (むふん……)


……!

ハーヴィ : ?


先程の部屋から、ナイフを持った女の像がぎこちない動きで現れた……!
ナイフを掲げたまま、ゆっくりと前進している。

ハーヴィ : !!?!?

マリヤ : !?

シュガーポップムーン : ふあ

コリン : !?

コリン : あ、あぶねえ!!

ハーヴィ : ≪お、襲ってくる……!?≫

マリヤ : わな!?

シュガーポップムーン : わ わ 気を付けてくださいっ!

ハーヴィ : (構えを取ろうとし、)


女の像が鎧姿の像にナイフを振り下ろす!

シュガーポップムーン : えっ

マリヤ : コリン…っ ?

コリン : でもゆっくりだから、避けられる……!ってそっちなのか!?

ハーヴィ : (……冒険者たちを通過し、)

マリヤ : えっ


結晶の像に99のダメージ  
結晶の像は[重傷]になった
結晶の像は[気絶]になった
結晶の像は[昏睡]になった
結晶の像に99のダメージ  
結晶の像は[重傷]になった
結晶の像は[気絶]になった
結晶の像は[昏睡]になった

……。
二つの像は、粉々に砕けてしまった……。

ハーヴィ : ……

コリン : え……えぇ……。

シュガーポップムーン : はわ……

マリヤ : えっ……

コリン : なんだったんだこいつら……。

マリヤ : どっちも こわれ ちゃった…

シュガーポップムーン : はい………

ハーヴィ : ≪…えっと……≫ (手帳に付けたメモを見て)

ハーヴィ : ≪みっつの石の輝きで、少女が嫉妬でナントカカントカ……≫


マリヤ : しっと?

ハーヴィ : ≪……これが、嫉妬……?≫

コリン : 嫉妬……、で刺すのか……?こえー……。

ハーヴィ : ≪他の人が羨ましくて嫌~!って気持ちのこと。≫

マリヤ : わあ

ハーヴィ : ≪こわいね……。≫

マリヤ : こわい


シュガーポップムーン : えっとえっと……石……みっつあげちゃったからでしょうか……?

シュガーポップムーン : ごめんなさい……?

ハーヴィ : ≪ううん、でもこの遺跡のヒント、だと思うし……。≫

ハーヴィ : ≪イミテイター的に言うと、意図した挙動?≫

マリヤ : ぬーん

シュガーポップムーン : ふあ~


マリヤ : でも すっかり こなごな だあ

コリン : だなあ。

シュガーポップムーン : こなごな です

コリン : こいつらが粉々になったら何か起こる、のかな。

ハーヴィ : ン・・・・・・


……?
像の破片の中に何かが混ざっている。

ハーヴィ : ン? (手を伸ばし。破片とは色の違うなにか。)


女の像が持っていたナイフと……
夜を封じ込めたような美しい宝石だ。

マリヤ : ? それ…

コリン : 新しい、石?

シュガーポップムーン : ? 何か…… なんでしょう~?

ハーヴィ : ≪きれい。≫ (ここの結晶には一度も言っていない、そんな感想。)


怨嗟のナイフを手に入れた。
宵の宝玉を手に入れた。

シュガーポップムーン : はいっ!きれいですっ!

ハーヴィ : ≪けっこう、ずっしり重め。≫

マリヤ : きれいで ずっしり

コリン : だな。他の石より輝いてる!

マリヤ : ……あっ

マリヤ : ずっしり って ことは

マリヤ : てんびん…

ハーヴィ : (こくこくこく)

コリン : !

シュガーポップムーン : !

コリン : マリヤも頭いい!

マリヤ : んへへ のせて みよ!

シュガーポップムーン : 超・かしこ・マリヤ様ですっ!

ハーヴィ : ン!!

マリヤ : んへへへ



シュガーポップムーン : てんびんさ~んっ

ハーヴィ : (じゃん。)

コリン : どっちに乗せる?

ハーヴィ : ≪えっと、月は……右!≫

マリヤ : みぎ!

シュガーポップムーン : みぎ!


天秤は均衡を保っている。
ハーヴィが[右側の操作]を選択しました

マリヤ : (👉の手)

コリン : ん!じゃあそっち!

ハーヴィ : ≪まずはおひとつ≫

ハーヴィ : (さささ、と三人に促し)

コリン : とりあえず綺麗な石か?

シュガーポップムーン : よるの色、ですね~っ!

マリヤ : よるよる!

ハーヴィ : ≪うん、きれいなのから!≫

シュガーポップムーン : じゃあじゃあ、まずはおひとつですっ!

シュガーポップムーンが[宵の宝玉を乗せる]を選択しました
右の天秤に宝石を乗せた。
天秤に変化はない。

コリン : あれ……、あれで足りないのか。

マリヤ : お~っ … これ かなり ぐーって しないと

コリン : とりあえず全部乗せてみる?

マリヤ : うごかなかった かも

シュガーポップムーン : ずっしり、でもしたになりません……!

シュガーポップムーン : ぜんぶ

マリヤ : ぜんぶのせ かも

シュガーポップムーン : ぜんぶのせ、しましょ~っ!


天秤は均衡を保っている。
コリンが[右側の操作]を選択しました

コリン : (首のない人形を乗せた)


コリンが[首のない人形を乗せる]を選択しました
右の天秤に人形を乗せた。

天秤が少し傾いた。

マリヤ : !

シュガーポップムーン : あっ!

コリン : お!

コリン : いけそう!

マリヤ : うごいてる!

ハーヴィ : ≪半分になった!≫

シュガーポップムーン : あとちょっとです~っ!


天秤は均衡を保っている。

ハーヴィ : ≪ということは、最後の一個……≫

マリヤ : さいごは~…

シュガーポップムーン : ナイフさん


マリヤが[右側の操作]を選択しました

ハーヴィ : ≪あぶないナイフ≫

コリン : あぶないナイフ

ハーヴィ : ≪あぶナイフ。≫

マリヤ : あぶ ナイフ

コリン : あぶナイフ

シュガーポップムーン : あぶナイフ!

ハーヴィ : (にぱ~!!)


マリヤ : あぶあぶ そ~っと そっと ね

シュガーポップムーン : (そんなこんなであぶナイフも乗せられることでしょう……)


ハーヴィが[怨嗟のナイフを乗せる]を選択しました
右の天秤にナイフを乗せた。

天秤は完全に傾いた。

ハーヴィ : !!

マリヤ : おつきさま~!

シュガーポップムーン : わ~っ!おつきさまですっ!

コリン : お月様!これで扉があいたってことだな!

ハーヴィ : ≪っていう事は……!≫ (扉の方を見て)


……!
扉が重苦しい音を立てながら開いていく……。
どうやらこれで先に進めるようだ。

マリヤ : わあ……!

シュガーポップムーン : 開きました~っ!

ハーヴィ : ン!

シュガーポップムーン : (扉を指差す。)

シュガーポップムーン : 気を付けて進まないと、ですねっ!

ハーヴィ : ≪かなり遠回りさせられたけど、ようやくだね≫

マリヤ : うんっ!

コリン : この扉の向こう、にいるのかな……。

コリン : 日記に書いてた奴。

マリヤ : かな (むん) きあい いれて こ

ハーヴィ : …… ≪かも、しれない。慎重に行こう≫

シュガーポップムーン : はい……っ



シュガーポップムーン : ……?(脚を踏み入れた空間を見回して)

コリン : 違った……。広いな。

ハーヴィ : (ひとまず、魔術師はいないようだが。階段下になにかを見付けて。)

マリヤ : ながい かいだん……

マリヤ : ? なにか…

シュガーポップムーン : あれは…


……魔術師のようなローブを纏った女性の遺体だ。
周囲には結晶の欠片が散乱している。

マリヤ : ……

ハーヴィ : ……ッ、

コリン : ……

ハーヴィ : (咄嗟にマリヤを腕で庇うように)

マリヤ : あ

シュガーポップムーン : この方、……


大きく見開いたままの目は、
僅かに開いた扉の向こうを凝視しているようにも見える。
そしてその腕もまた、縋るように扉のほうへ向かって伸ばされていた。

コリン : きっとこいつが、ライラなんだろうな……。

マリヤ : ……ハーヴィ。…… このひと(庇われながらも)……(他のふたりの言葉で)

ハーヴィ : ………… (深い沈黙。元より、声など発していなくても。)


……
あなたはもう動かなくなったそれを前に、考え事をする。

ハーヴィ : ≪取り込まれる、って、≫


それは、彼女の事についてだろうか。
それとも、呼び起こされた己自身の感情にまつわるものだろうか。
いずれにしても、考えさせるだけの何かが、それにはあった。

ハーヴィ : ≪”魂”を、か。≫

ハーヴィ : (それは、己が持ち得ないもの。持っているように見えるだけのもの。)

ハーヴィ : ≪オレは、ほしいと思ったって手に入らないのに。≫ ≪手放しちゃったの、かな。≫

シュガーポップムーン : ………(扉を見つめたままの遺体に手を伸ばす。)

コリン : ……、

シュガーポップムーン : (開かれた瞳の上、瞼に触れて、そっとその目を閉じさせようと)

シュガーポップムーン : ……もしかしたら、きらきらが、この人と一緒じゃなかったら、 途中でお別れできてたら……こうじゃなかったのかも、しれません。

マリヤ : ……、ん

ハーヴィ : ≪うん、もっと優しいものと出会って、たら。≫


ハーヴィ : ……

ハーヴィ : (きっと、これから対峙するものは。己の常識と理解を超えたもの。 最初に己が”言った”言葉を思い出す。──『オレが絶対に、三人を守る』。)

ハーヴィ : (かちりと音がして。掌のパーツが開く。)


ハーヴィが[右手]の装備を解除しました。

コリン : ハーヴィ?

マリヤ : …?

コリン : 腕の調子悪い、のか?

シュガーポップムーン : ハーヴィ、さん?

ハーヴィ : ≪ううん、≫

ハーヴィ : ≪さっきの戦闘ログで、最終調整が終わったから。≫

ハーヴィ : ≪終わったけど ──使うのが不安だった。もし良くない事が起こったらどうしようって。≫

ハーヴィ : ≪でも、オレは四人で一緒に帰りたいから。≫

ハーヴィ : (そうして取り出したのは、自作のデバイス。試作型鋼線操作デバイス、改め。)


ハーヴィが[右手]に[リトルブレイバー]を装備しました。

ハーヴィ : (音を立てて掌部が閉まる。痛みがある、はずのそれに表情は変えず。)

コリン : !それ、新しい奴……!?

ハーヴィ : ≪こっちで行く。きっと大丈夫だ。≫

マリヤ : ……!!

シュガーポップムーン : それって、(かつて聞いた名前のものだろう、それ。小さく、けれど確かな勇気を取り込んだ青年を見つめて)

シュガーポップムーン : ……… うんっ!(大丈夫の言葉に、そう返した。)

ハーヴィ : (こくりと頷き。ある人にはその銘を。ある人には秘密兵器と伝えたそれを。)


ハーヴィ : ≪これが、オレが『みんなと一緒にいるために考えたこと』。≫ ≪絶対守るよ、みんな。≫

コリン : (目をきらきら輝かせて、あなたの新しい装備を見る。かっこいい!すごい! それだけじゃなくて。)(あなたがそうやって考えてくれたことへの嬉しさ、作り上げたことへの尊敬、一緒にいてくれる決意。)(その全部が、嬉しくって誇らしいから。)

シュガーポップムーン : (伝えてくれたことと、想いと、そこまでに費やしてくれたもの。それから、繋がった縁と此処にいる皆。)(全部全部がたいせつなものだから、)

シュガーポップムーン : わたしも……わたしも、みんなと一緒にいたいから、だから、わたしもみんなを守りますっ!

シュガーポップムーン : ……守られるだけじゃ、嫌ですからっ!一緒に歩いて、みんなで、みんなを守っていけたら、とってもうれしい、ですっ!

ハーヴィ : ン!! (嬉しそうに声を上げた。)


マリヤ : ……(んふふ、と笑って)あたしの ともだち みんな かっこいい ね

コリン : へへ、もちろん!おれにも守らせてくれよなっ!後ろにいるだけじゃなくって、一緒に横で並んで、手繋いで歩きたいもん!

コリン : マリヤも、かっこよくなってるぜ!

コリン : 最近のマリヤは特に!

マリヤ : えへー!

シュガーポップムーン : はいっ!み~んな、つよくて、かっこいいですっ!

マリヤ : うん みんな つよい! そして かっこいい!

コリン : うん!

マリヤ : みんなで みんなを まもって たたかえば きっと さいきょう!

ハーヴィ : ≪うん! みんな一緒ならきっとなんでも大丈夫!≫

ハーヴィ : (ようやく、心の底からそう思えた。あなたたちと同じ場所で。並び立つ。)

マリヤ : (後ろからついていくのでもなく)(縋って支えを失うことに恐れるでもなく)(立ち上がって、同じところを歩く強さはもうここにあるから)


ハーヴィ : ≪……行こ。≫

シュガーポップムーン : ……はいっ!

コリン : おう……!きらきらよりも、おれたちの方がつよいしかっこいいし、綺麗だって見せてやる!

マリヤ : うんっ!(そこにあるもの。祈り、蔑み、考え、いずれではなく)(ただ、先に進む)

扉の向こうから、禍々しい気配を感じる。

シュガーポップムーン : (いかなくては)(前に進むために)(かなしいなにかを終わらせるために)

ハーヴィ : (緊張した面持ちですう、と息を吸い込み、吐き出した。ハルシネーション<もっともらしい嘘>? そんな事はない。 みんなが、意味をくれるから。)


恐らくこの奥に全ての元凶があるのだろう。
準備は……

ハーヴィ : (そうして、一歩。)


ハーヴィが[出来た]を選択しました

重い音を立てて、扉が開く。
あなた達は前に進んだ。

 2023 by ROUTE87 / 大槻

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